プロセカイベスト”Walk on and on”を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
新たな飛躍に向けて意気上がる、Vivid BAD SQUADと同士達。
作曲に悩む冬弥に手を差し伸べたのは、意外な人物で…というお話。
何よりかにより、EVERの達也に顔と声付いたのがめでたい。
正直画竜点睛を欠いてたからな、ストリート若人同盟…。
お話の方は冬弥と颯真メインの作曲話で、クラシックをバックボーンとする冬弥の不自由と可能性に、ディープに切り込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
ストリートミュージックとクラシック、双方の音楽技法に細かく踏み込む話運びが、ビビバスが身を置いてる創作の現場の、解像度を上げてくれた感じがあった。
冬弥くんはとても生真面目で、世界や他人に対して理性的なんだけども冷たすぎない、爽やかな敬意と柔らかな感動を持てる人だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
思慮深い彼はたくさんモノローグをするが、それを浴びるのは僕にはとても心地良い。
思いがオモテに出にくい彼が見ている世界、揺れる感情が、どんなものなのか。
ダイレクトに味わうことが出来て、主役回の醍醐味だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
物語が始まった段階では賢く客観性が高い分、自分の在り方を捕まえきれてなかった感じもあったが、出会いと試練を経てどんな自分になりたいか、自分が何を感じているか、柔らかく向き合う方法を捕まえても来た。
色んな場所で親子関係が大荒れする中、”Period of NOCTURNE”一つで、親父やクラシックとの間合いをまとめてしまってもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
それは優等生的つまらなさというより、揺れ動く人生を穏やかに乗りこなし、自分に引き寄せて糧にしていく強さの現れだと思っている。
波に荒れるだけが、人間の形じゃない
そんな穏やかで靭やかな冬弥の人格を堪能できる今回は、ストリート新参であるが故の頑なさ、離れてなお自分を支配するクラシックの文法との向き合い方が語られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
ストイックに、感情を押し殺して音楽を腑分けして、その中に深く潜る。
幼年期から叩き込まれた理性的なスタイルは、けして抜けない。
その堅牢なロゴスは、情熱を表に出すストリートスタイルを冬弥が自分のものにする枷として、最初描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
頭で考えすぎるから、グルーヴにノリきれない。
そんな自分のあり方もどこか俯瞰で見つめて、乗り越えようともがく冬弥は、奇妙な縁で颯真の助手を務めることになる。
この時『俺もあなたを利用するから』と、自分から切り出して颯真の荷物を軽くするあたり、ただロジカルなだけでなくメチャクチャ気遣いできる人だな…と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
相互利用の形を取ったほうが、颯真との関係は上手くいく。
これまでの経験も踏まえそう判断して、自然と摩擦がない関係を作っていく。
それはそうするのが正しく良いことだから…だけでなく、そうした方が面白そうだったからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
クラシック漬けの日々、キャンプもしたことねぇ抑圧されたガキだった冬弥は、仲間と青春する中自分の中に、ワクワク目を輝かせる子供がいることを今更思い出している。
その子を走らせたがっている。
楽しいと思えそうなこと、新しい体験に飛び込むのが、どれだけ自分を豊かにするかを既に学んでいるので、冬弥は自分(と、向き合う相手)に一番実入りが良い関係を探り、貪欲に掴み取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
それがエゴで相手を切り裂くのではなく、優しく包むような現れ方なのが、彼の人格だなぁ…と思う。
クラシック修行を通じて、骨の髄まで”オリジナル”への畏敬を叩き込まれている冬弥にとって、サンプリングという技法は、ある種の窃盗と感じられていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
そんな思い込みを、颯真は実地で噛み砕いて、奥にある敬意を見せてくれる。
リスペクトすればこそ、その影響を臆さず示し、自分なりの色をつける。
それは作者の意図が秘められた譜面をそのまま引くことがあまりに難しく、だからこそ持てる術全部を動員して楽曲を解体しにかかる、クラシックの文法と通じるものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
”理解る”ということ、それを楽曲として形にすることがどれだけ大変で、価値があることかを冬弥は既に知っている。多分、作中で一番。
楽曲分析もサンプリングも、表面をなぞってパクって終わりではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
奥深くネタに潜って、自分が感じたものを言葉にして、自分なりの手付きで並べ直し、血が滲むほどさらって初めて、他人の心を動かす音楽が生まれてくる。
そういう体験を冬弥は、ストリートに出る前から既にしていたのだ。
馴染めなさを感じていたストリートの文化に、自分を形作るクラシックの文法と共通点を見つけ…られたのが、颯真の隣りにいたからだということを、冬弥は良く認識している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
この人は他人を一切ナメず、あらゆる人を教師として扱う人なので、今回の出会いの意味も深く噛み締め、自分の糧にしていくのだ
ここら辺、皆が変人と距離を置く天馬くんの本質だけを感じ取って、常時襟を正した付き合いしてるのと同じだなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
クラシックでの挫折が産んだ自己評価の低さ、自分というものの掴みきれなさと裏腹なんだろうけど、とにかく色眼鏡で他人を見ないよね。
よくもまぁ、こう純粋に育ったもんだ…。
さておき、創作活動としての共通点だけが、冬弥と颯真を繋げていくわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
とんでもない速度で先を行く相棒に、置いていかれたくない。
隣に並ぶために必死に食い下がる、愛しい貪欲を颯真と自分の中に見つけて、冬弥は共感を高めていく。
こういう人間の柔らかいところにも、目が行く少年だ。
今回のイベストは冬弥の眼の良さ、言葉選びの正しさが、楽曲分析でとどまらず人間関係にも及んでいることを、良く教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
曲の中に誰かが込めた赤熱する思いを、感じ取って言葉にする。
自分が受け取ったものを言語で腑分けし、並べ直して他人に分かりやすく差し出す。
この能力は、こはねの処女作に籠もった溢れる杏ちゃんLOVEを受け取り、当人に返すことを可能にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
そうしてもらえたことで、こはねは秘密の努力がちゃんと形になって届くのだという確信を、得ることが出来る。
一人なら不安で迷うものが、誰かに差し出された言葉で人間の柱になる。
冬弥の卓越した批評眼は、そんな手助けができる力なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
その意味を、セカイの仲間が簡勁にたたえて冬弥に差し出す場面、俺は凄く好き。
ミクさんのあの一言があることで、冬弥は自分が持ってる特徴が誰かを強く助けうることを、頼もしく確信することが出来た。
今回冬弥はこはねや颯真に凄く大事なものを差し出す、ある意味優越的な立場にあるんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
そういう冬弥が実は不安定に揺れてて、誰かの言葉で支えられて初めて、賢く優しい存在たり得ていることが良く見えた。
そういうお互い様は、凄く大事だし大切だと思う。
これもモノローグが濃いことの利点なんだけど、ツルンと綺麗な人形顔の奥で冬弥、メチャクチャ悩んでる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
それは色んなことを感じ取れる感受性、それを自分の中で言語化し咀嚼する分析力故だ。
ここにも、クラシックの影響は強く伸びている。
親に強要され、衝突して離れた原点ではあるが、楽譜とピアノに幼年期を捧げた日々は否応なく、冬弥の強く響いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
それはストリートの律動に飛び込むのを阻む枷だし、自分だけにしか差し出せない言葉を生み出す、大事な揺籃でもある。
何が人生で生きるかは、なかなか分からないもんだ。
今回冬弥は作曲と颯真、二つの新しい出会いに飛び込むわけだが、そんな試みは彼を形作るクラシックとの対話を、否応なく加速させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
先に進むためには振り出しに戻ることも必要で、色んな経験を積んだ上で帰ってみると、故郷は違った色に見えてくる。
そんな経験を、少年は果たした。
それが”曲”として形になるのが、若き音楽家の物語だからこその展開で、凄く好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
冬弥が作曲できるようになったことで、ビビバスと同士達が夢に飛躍する説得力を一つ足したのも、とても大事なことだけど。
すげーシンプルに、気持ちのいい少年の人生がより善く拓けたのが、ただただ良い。
冬弥がこれまでの歩みを振り返りながら、クラシックが自分にくれた強さを信じて、颯真に言葉を絞り出す時。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
大人びた諦めの外装の奥にある、ギラついた気持ちを信じて踏み込むのが、俺凄く好きなんだよな。
それはとてもストリート的なもので、冬弥自身にも静かに燃えている。
冬弥が見た目通りただクールなお人形さんなら、地雷踏み抜きそうな一歩は賢く回避しそうなもんじゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
でも冬弥はそうしない。
自分が感じたこと、ずっと一緒にいた颯真という存在を信頼して、人間の急所に踏み込んだ言葉を投げ込む。
その前の躊躇含め、勇気があり尊い行いだと思う。
あそこですぐ言葉が出てくるんじゃなくて、一瞬の躊躇いに凄い深い思慮が込められてるのが、青柳冬弥って人だなぁと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
それがどれだけ人を傷つける凶器か、自分自身無傷じゃない彼はよく知ってる。
それでも言葉に導かれ、出会いに助けられてきた経験を信じて、あえて踏み込む。
そういう”熱”は相棒との運命の出会いが宿してくれたもんで、混じり合いながら変わっていける人間の可能性を、心地よく感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
冬弥をここまで変えられる暁人の存在感を、クッションかけた形で書く回でもあったなー。
炎と氷の運命共同体…やっぱ良いよね。
”不在なる相棒の存在感”っていう意味では、颯真が濃く書かれたことで新の人間も、深く感じ取れるエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
事故の後遺症が身体をきつく縛り付ける状況でなお、諦めきれず背中を追い、隣にいたくなる特別な存在。
颯真の揺れる心が、飄々とした新に良い影を付けていた。
颯真が新作を相棒には見せたくない躊躇いが、凄く人間的で好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
その足踏みには弱く脆く、あまりに熱く切ないものが宿っている。
縁はあっても唯一絶対ではない、そんな距離感だからこそすくい上げれるものを、冬弥が見逃さず手に取れた感じもしたね。
ある意味”友達の友達”だからこそ生まれうる新たな一歩を描くことで、お互いの”たった一人”が眩しく輝く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
そういう立体感あるエピソードでもあり、大変良かった。
どうにか夢に近づき、憧れの傍に居たいとがむしゃらに走る姿勢が、青春ど真ん中で心地いい。
ビビバスの風だなぁと感じる。
何かを言語化し、適切に伝えることの価値を掘り出してくれる話でもあり、こうして感想書いてる身には(手前勝手ながら)染みるエピソードでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
冬弥のロジカルで生真面目な善さを、人生の根っこにしっかり絡めてくれて、凄く良かった。
ここから広がる地平は、多分豊かだ。
次回も楽しみ!
それにしたって作曲デビューが『杏ちゃんと出会えて、世界がきらめいて最高だった!』曲な小豆沢こはね、白石杏好きすぎて素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月23日
出会ったこと、愛したことに一切の衒いも照れもなし。
その堂々としたLOVEっぷり、背筋が伸びていてグッドね…。