機動戦士ガンダム 水星の魔女を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
かたや望まぬ結婚と放校、かたや譲れぬプライドと、お互い重いものが乗っかった二度目の決闘。
その行方は如何に…というエピソード。
額に”噛ませ犬”と烙印されて生まれたグエル先輩が、見事キャラクターとして一本立ちを果たす回となった。ま、眩しい…ッ!
不必要にタメずザクザク進む所は進むのがこのアニメの良いところで、そうして空いたスペースで小気味いい物語を溜め込むことも出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
今回で言えば能登仮面の正体はどうせバレバレなのでとっとと明かし、グエル先輩が無様を重ねるフェイズも早めに終わらせていく。
そこタメても面白くないしな…。
反面、ミリオネとスレッタの関係構築はまだまだ展開の余地を残し、大暴走身勝手お嬢様とオドオド水星娘の凸凹は、なかなか噛み合いきらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
それは今後もたくさんのイベントをこなし、一個ずつお互いの願いと気持ちが重なっていく過程を、たっぷり楽しませてくれる…ということだ。
衝撃のラストも、そんな関係構築にグエル先輩(を舳先に立てて、ジェターク寮の懲りない面々)が混ざっていく嚆矢に成りうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
楽しいドラマを潤滑油にして、キャラクターと世界観を見ている側に馴染ませ、だんだん豊かにしていく。
お話を受容させるための傾斜が、大変ちょうどいい角度だ。
先輩の事情に切り込むことで群像劇的な面白さも濃く出てきたし、これをテストケースとして他寮のキャラも粒が立ってくるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
PROLOGUEと合わせて四話、なかなか精妙に”水星の魔女”の世界へ見てる側を誘ってくれて、なおかつその巧さを認識させない。
面白いはずだよホント…。
前回企業≒家サイドを濃く書くことで、一話で感じた『MS決闘でハチャメチャやってくぜ!』て感覚を挫いたわけだが、今回はそこから更に進んで、家に影響はされていても、決闘で選び取る己の生き様、その先に続いていく未来を印象的に突き刺してきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
たしかに学園は、企業の用意した政治ゲームの檻。
しかし同時に自由な青春のステージでもあるはずで、負けてなお前に進んで、新しい自分と真実の恋…”ふたつ”を手に入れた先輩は爽やかに眩しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
強引な決闘ゲームを押し付けられ、一度は拒絶しつつも、やりたいことリストを抱えて自分の居場所に固執するスレッタが、そうであるべきと信じる学び舎の姿
それは僕らが見たい学園のドラマでもあるはずで、なかなか上手く物語の舞台、その価値を揺らしてくる序盤だと言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
果たしてそこは運命の檻か、自由へのきざはしか。
それは雨上がりのプロポーズを受け取った、水星たぬきの青春を見守る中、見えてくるのだろう。
ガンダムは知らない、魔女でもないとしらばっくれる”優しいお母さん”と、謀略を手繰り復讐を企む仮面の魔女は、果たして別物なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
企業と家族が癒着し、学園での”バック”として機能する作品世界の中で、子供たちは複雑怪奇な感情複合体によって、親に縛られている。
現状スレッタは母親を絶対の善と信じ、その祝福を支えにして前に進んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
対してミオリネやグエルは父親の押し付ける抑圧に反抗し、自分が自分でいられる”どこか”を探してもがいている。
それから自分を切り離すことは、経済的・社会的な支援/支配から抜け出すことを意味する。
決闘の勝ち負け…というか決闘というシステムそれ自体が、親=企業の性能喧伝、政治ゲームに利用されて成り立ってる状況で、真実喉に絡みつくへその緒を切って自由になれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
それはミオリネが幾度も企て失敗している、地球への逃走と=なのか。
今回のエピソードは、主役二人だけでなく憎たらしいグエルもまた、複雑な檻から抜け出せない獣なのだと教えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
家=企業の支配と不自由に、AI制御でパイロット不要な新兵器を絡めることで、世界観的奥行きが出ているのは面白い。
その技術は、幼児による殺戮を可能にする。
今回は怒れる青春の拳で、自由を奪う抑圧を叩き壊して道が拓けたが、PROLOGUEを思い返すと、そういう熱血だけがこの世界のルールではないとわかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
スレッタの振る舞いを見ていると、あの脱出と殺戮をどうも覚えていない感じがして、つまり否応なく自動的に刻まれた罪にも無自覚…なのだろう。
彼女の呪われた出自とまとわりつく因縁は、母の真の顔…あるいは魔女の仮面を見据えた時に牙を向いてくると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
それは多分、しばらく先の話になるだろう。
母の教えに導かれ、真実を知らぬまま前に進み、仲間を巻き込んでいくスレッタの歩み。
それが実は謀略に絡め取られた、借り物だと解る時。
エアリアルをドローン重機だと言い張る建前を突き破って、母のドローンでしかない自分を認識して、真実”進む”ためには、やりたいことリストに書かれた全部をやり遂げ、学園生活を満喫する必要があるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
バースデーケーキには沢山ろうそく立ってたほうが嬉しいし、燃やした時派手だからな…。
そこに至るまでに、決闘相手は光と闇が交わる場所で魂を通わせ、奮戦がお互いを通じ合わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
負けても逃げてない先輩の勇気をスレッタが正当に評価する時、彼を縛っていた鎖は緩み始め、光が近づいてくる。
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第3話から引用) pic.twitter.com/SOZBpcxFhZ
自分を操るAI技術、親の身勝手を振りちぎり、生身の自分としてスレッタに向き合った結果、彼女が背負っていた光はグエルに届き、天使の階段が見守るプロポーズが果たされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
グエルは今回父と家に役立つ自分でいること、そのための傀儡でいることに嫌気が差していた自分を、激しい戦いの中で見つける
そう気づかせてくれたのは水星からの異邦人であり、彼女だけが生身の自分を見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
その自由な開放性は被差別階級であるアーシアンにとっても希望で、手に汗握っての声援が飛び交う。
鎖だらけのこの世界で、それでも自分の願いを掴み取るために必要な、決意のこもった前進。
青春の代表選手(チャンピオン)であるスレッタが、ひどくちっぽけで当たり前な”やりたいことリスト”を武器に戦ってるのが、体温あって良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
あだ名で呼び合って、アドレスを知って、当たり前に友達になる。
水星というこの世の果てでは、けして望み得なかった”普通”こそが、スレッタには特別だ。
ジェターク御曹司として望むもの全てを与えられ、傲慢に無自覚に他人の頭をふんでいた先輩も、第1話の瞬殺とは段違いの奮戦を経て、”普通”な自分に目を覚ます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
誰かが押し付けてくる結果ではなく、自分が自分のまま突き進む過程をこそ、その身に引き受けたい。
心赴くまま、楽しみたい。
そんな我儘な自分がいることに、グエルは今回の課外授業で気づき、心赴くままに求愛する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
トびすぎな感じもあるが、こんくらいアクセル全開のほうがガンダムって感じがするぜッ!
知らず撒き散らしている光に巻き込んだ相手が、思わぬ青春反撃をぶっ込んできたが…どうするどうなる水星たぬきッ!
同時にこの藻掻きは、銭と爆薬で動く現実から隔離された/その長い手に縛られた子供の遊びでしかなく、流れる血に戦場のリアルは宿らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
モジュール化され、的確にダメージコントロールされて戦い続けるMSの描写が、どこか政治のマリオネットめいてて、なかなか良い表現だった。
そんな操り糸を、果たしてミオリネお嬢様もぶっちぎれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
”バック”が弱い異邦人唯一の政治戦力として、超☆物理的に暴れ倒す彼女もまた、この戦いの中で自由を探している。
KEEP OUTなんぼのもんじゃい、立ちふさがるなら断つまでよ!!
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第3話から引用) pic.twitter.com/WoexJOU1WL
ハチャメチャお嬢様のパワフルな心魂が、作業用重機によって力を与えられ暴れる様子は、とても印象的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
それはスレッタの気持ちを置き去りに暴走しつつ、不思議な共鳴を重ねながら、未来に向かって突っ走っていく。
ちょっと心がぶつかった今回は、温室の中には”入れてあげない”の、面白かったね。
スレッタの行動原理は、”普通”の学生として学園生活を堪能することにあるが、運命のヒロインであるミオリネとそういう関係を構築するのに失敗して、むしろグエルやニカ、エランくんの外堀が着実に埋まっているのは、とても面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
メインディッシュは、最後に齧る…ということか。
ツン期が長いほど心が繋がった瞬間の火力は上がるし、しおらしさFuck offで大暴れしてるミオリネを見ているのは、なかなか痛快でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
つーかスレッタは企業の檻だろうと夢の学園生活に満足なので、親と企業の抑圧に疑問を感じ、反抗して状況転がすのはミオリネの仕事になんだな…。
MS操縦という派手な見せ場と、ストーリーを回転させる実質の主役。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
母親を疑わぬ無邪気と、父親への痛快な”ざまぁみろ!”
赤と白のフィアンセは、なかなか面白い棲み分けでW主人公をやっている。
これが混じり合う様子は、ジワジワと丁寧で面白いものになりそうだ。
婚礼バトルに新たな挑戦者を加え、スレッタのドキドキ学園ライフはどこに転がっていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
第1話の段階ではただただ奪う側…親たちに近い場所に立ってたグエルが、プロポーズという形で己を差し出す立場に立つことで、まだ子供でしかない自分に立ち返る構図、結構好きだな…。
第1話の舞い散る羽といい、ロマンティックがバチッと決まる画作り、状況設定上手いな…などと感心しつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
オドオドした態度の奥に、思いの外イイ性格を隠していたスレッタをより好きになりながら、次回を待つ。
楽園の狂想曲は、まだまだ始まったばかりだ。
つーか先輩への対応を通しスレッタの水星根性が見えたことで、アクの強い立ち回りしてるミオリネと思いの外いいバランスであることが分かり、ダイレクトな触れ合いは少なめなのにシンクロ率が上がる展開、巧妙だなーと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月16日
至近距離でネトネトイチャイチャするだけが、絆と縁の描き方じゃねーって話