アイドリッシュセブン Third BEAT! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
フレンズデイを間近に控え、アイナナとRe:valeはもう一つのミーティングに集う。
了の妨害を警戒しつつも、”アイドル”という仕事を愛し、信じて未来を見据える。
暖かな思いを抱いて進み続けた百に、居酒屋で差し出される言葉は、何よりも得難い支えだった
そんな感じの決戦前夜の小休止! 朗らか補給ポイントはもうここしかねぇぞ!! という、アイナナサドビ第25話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
2月からの最終章も正式決定し、ここから怒涛の物語を描ききれる青写真が見えてホッと一安心したところで、差し出されたホッコリエピソードが大変ありがたい。
『まーこのタイミングで水差し出してくるってことは、残りは大荒れなんだろうな…』などと覚悟も固めつつ、久々に張り詰めた感じのないお話を堪能した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
ずーっとこういう、ノンキで優しい物語でいて欲しくはあるけど、キャラも作者もその安寧を許さないからこそ、面白い話でもあるからなぁ…。
FSCホールでの成功、Re:valeが手渡した熱いエールを背中に受けて、TRIGGERは地道に確かに、復活への歩みを積み重ねていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
暗いホールに顔を塗りつぶされてる、名もなきファンがどういう存在か、アイナナはかなりしつこく彫り込むね…。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第25話から引用) pic.twitter.com/FeZbr23vw9
これは透明な悪意の描き方もそうなんだけど、”ファン”とか”アンチ”ってまとめられる不定形があるわけではなく、あくまで顔のある誰かがそれぞれの意志で、アイドルを愛したりせせら笑ったり、人生の支えにしたりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
彼女たちは物語の主役ではないけど、確かにそこにいる。
そういう顔と意思がある…あるはずの存在が不確かな風に吹かれて、良いように揺れて押し流されてしまう様子と、あくまで一個人として信念を持って闇の中光を差し出してる在り方と、そんな愛すら呪いになってしまう皮肉を、確かな視力で見据えてる話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
群馬でがんばるTRIGGERも、そんな場所にこそ立つ
姉鷺さんが頼もしい仲間の声を受け取る時、一瞬非常口が写ってるのが、演出の連続性を感じられて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
あの時は闇の中の微かな光だったものは、希望が広がってもっと明るい場所で、強く確かに灯り続けている。
ここを越えて、もっと広い場所へ。https://t.co/fqePHI8mkq
一回どん底まで下げてからの上がり調子、どこまで戻して高く飛ばすか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
良い感じに希望と期待が高まる、TRIGGERの現在地である。
フレンズデイには出れなくなったが、着実に地歩を築いて飛躍の準備を整えてる手応えは、見てる側の気持ちを暖かくしてくれる。
それは今回全体に漂うムードで、久々にSD表現なんかも飛び出しつつ、ミーティングと裏ミーティングは前向きに進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
まぁそれで終わらず、百ちゃんが大事なこと言うシーンではしっとり重い緊張感も濃いけどね。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第25話から引用) pic.twitter.com/0eMAAoVNjW
了との縁切りを話題に出す時はケーキを”切る”包丁が移り、沸騰する感情を語る時にはポットのお湯が”煮立つ”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
アニナナらしい静物の生かし方が、どーせ超ろくでもない事になるフレンズデイへの緊張感を上手く繋ぎ、百が抱く”アイドル”への祈りを際立たせても行く。
了さんが自分を助けたの、百ちゃんは利害以外なしと考えてるの、多分もう一捻り入れてくるポイントなんだろうな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
ŹOOĻの子らにも(当然)慕われてないし、家族も友人も縁が薄いし、自分から理解を拒むような立ち回りしてるのは間違いなくあの人自身なんだが、誰も月雲了を分かんない。
底の知れなさは手筋を読まれない利点でもあるんだけど、アイドルちゃん達が今回演じているような暖かな相互理解が、了さんには訪れない確約でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
解ってもらえないから寂しくて暴れて、他人に迷惑がかかって更に孤独になる。
ほんとバカだなーと思うが、他人事と嗤うのもいい加減難しい。
ままならないもんをたくさん抱えて、あるものはより善く輝く燃料にして、あるものはその重しと心中する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
正しく生きれるものと、間違えきるものを分ける線はどこにあるのだろうか?
そもそも、そんなものあるのだろうか?
間違えきって終わるだろう了さん見てると、そんな疑問も勝手に浮かぶ。
Re:vale三人の”ままならなさ”は、酒のつまみと楽しく笑える、とてもチャーミングな傷になれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
思わず思いが溢れて、その身勝手が嬉しくもあるような、喜ばしく理想的な間柄。
そんな陽だまりに身を置けないのは、バカさとどうしようもなさが癒着した、了さんの業だ。
誰に文句言うモンでもない。
救われて、綺麗になって、正しく善良になって欲しいわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
愚かさと身勝手の報いは受けてほしいし、ブチのめされてスカッともしたい。
その上で俺は、今回にこやかに笑えてる連中にはなれなかったバカの、バカさの揺らいと行方は知りたいのだ。
どーなんのかなぁ…。
さておき、主役たちは楽しい食事と明るい歓談で魂を満たして、厄介事が予測される一大イベントに向けて、英気を養う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
自分たちが成し遂げてきたこと、間違えてきたこと。
振り返って、自分たちを未来に進めていく理由を確かめる。
言葉にして、強く繋ぎ直す。
アイドルって仕事を愛して、続ける理由と祈りを確認させるのが、百ちゃんなのはいいな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
後に千が褒め称え万理が頭を下げるように、百ちゃんの原動力は愛だ。
ファンとして、闇に沈みかけた自分を引っ張り上げてくれた”アイドル”への愛。
それが、彼を前に進める。
五年で”てっぺん”まで行ったその歩みは、後ろに続くものを導きもして、愛と希望の船はみんなを乗せて進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
それで全部うまく行けばいいけど、アイドル号はいつでも世間の荒波に揉まれながら、進んでいく以外に道がない。
フレンズデイも、多分荒れるだろう。
宴が終わって、事務所という港に帰るアイナナの船。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
そこに差し込む夕陽は少し陰っていて、思い出の歌を口ずさむナギの反射は複雑な色だ。
歌うほどに蘇る愛しい思いと、受け取るものなく消えていく音。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第25話から引用) pic.twitter.com/Dq0ppkS58T
ナギ周辺の解像度はサドビでグンッと上がっていて、しかし決定的な炸裂なしでタメ続けられてる所に、今後の嵐を予感もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
やっぱなー…俺は四期アニメで見たいよ、この意味深な反射が行き着く先を。
深夜TVに出れない未成年が、もみくちゃにされ飛び出してきた故郷の闇。
そこは環が身を置いてた最悪家庭とか、鷹匡周辺で荒れ狂う”家”の地獄とか、逢坂家が見せた苛烈な高みとかと、また違った画角から世界のあり方を彫り込んでくれる気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
重厚な社会的立場、そこで必要とされる教養を背負えばこそ、ずっしりのしかかる重みと、そこからの開放。
そこら辺かなぁ…。
七色の地獄をカラフルに背負って、それぞれの人生を投射して立体感を出してくる、アイドリッシュセブンの作劇。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
『コイツを切れば勝てる』と、結構便利に使われてきたジョーカーが道化師の仮面外して、マジになる瞬間はぜひアニメで見たいんよね。
俺、ナギのこと好きなんで。
それは先の話として、Re:valeは先の裏ミーティングから更にプライベートに踏み込んだ三人飲みで、しっとり思いを伝え合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
ラストを飾る酒盃に、溶けゆく氷が”三つ”あるの、良質のフェティシズムだなーって感じ。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第25話から引用) pic.twitter.com/ph0qrNWHuv
後輩の前だと愛に満ちて皆を引っ張る”てっぺん”やってんのに、Re:valeだけになると末っ子感、ファン代表感モリモリで思わずないちゃうの、やっぱ百ちゃんは可愛いね…、
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
つーか、明らか泣かせに来てる年上組が全部ワリーよ! ありがとう…。
ケーキ食って紅茶飲んでで収まる裏ミーティングと、酒とつまみがテーブル埋めるRe:vale飲み会が同じ回にあるの、同じ暖かな繋がりにも色んな現れ方があると、多彩に書いてる感じで好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
大勢を招いて決意を新たにする場所も、狭く閉ざされた空間で湿り気ある感情を共有する時間も、両方大事。
自分が何を愛して、何に頑張っているのか解ってくれる人がいるからこそ、沢山の人を背負って導くことも出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
”てっぺん”頑張ってる(二期の騒動を経て、もう一度頑張れるようになった)百ちゃんの柔らかい部分と、そこをケアする二人が見れたのはとても良かった。
偉い人だって、色々大変なのだ。
かくして意思と愛を確認し合い、お互いを繋げる絆を確かにし直して、アイドルたちはフレンズデイに向かう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
世のため人のため、綺麗な題目が踊る舞台の裏には、間違いなく蛇が牙を研いで待ち構えている。
その正体は孤独と狂気ゆえに見えず、だからこそ恐ろしく…僕には少しだけ寂しい。
いやまー勝手な感慨なんだが、主役サイドのホッコリ連帯感をありがたく堪能するほど、『了さんぼっちだな…』って思っちゃうのね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
孤独である以上勝てるはずがないし、ひっくり返されるの前提でふんぞり返っているんだけども、その独善はつくづく寂しく思える。
思えるようになってしまった。
鷹匡の哀れさに比べっと、了さんってとにかく憎らしい悪役であって、あんま情を寄せる描写って多くなかったと思うが、気付けばなんだか、異様に染みるキャラになってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
その素っ首を、どんな切り口で落としてくれるのか。
サドビで僕が一番気になってるの、結局そこである。
それは2月に描かれる末路として、決着に至る前にはちゃんと、フレンズデイを書ききらなきゃいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月20日
そこで何が生まれ、何が砕かれるかが、新たな物語を支える画材にもなる。
さて、次回第2クール最終回。
一体何が見れるのか、大変楽しみです。
追記 結局『そこに描かれているもの』より『自分が見たいもの』を見、書き、語ってしまう……その方が面白いと思ってしまう性分は、なかなか治せない。
アイナナ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
↓ って書いてるけども、冷静になってみれば『サドビラストで了さん退場』ってのは僕の余談でしかなく、憎き敵役として出番継続はフツーに全然ありうる。
なんで思いこんでたか分解すると…この人がい続けると、作品が生み出すストレスが一般的許容値超えそう、て感覚が自分にあるっぽい https://t.co/qusa4GVEVT
書かなきゃお話全体が嘘になるけど、メインで扱うにはあんまり生臭く重たいモノを了さんは逆手に握って武器にしてて、それで主役がボコボコ殴られ続けてるサドビの空気が、なんだかんだ結構キツいんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
世間の泥っぽい所、今まで以上に突きつけられてるからなぁ。
他の人もキツかろう…って推測から、その原因を早めに排除して空気を切り替えるのが定石と思い込んで、『まーサドビで退場だなガハハ!』となってる感じか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
了さんから漂うやり過ぎ感が、物語的生存を許されない気配を漂わせて、メインの空気が浸されない速さで切り捨てると、僕は読んだ(期待した)
しかし了さんにある程度食らわせた上でしぶとく舞台に残して、まだまだどす黒く煮込んでいく方向性は全然あるわけで、正直あのキャラ残して”アイドル”の話し続けるの結構大変そうだけど(似たポジの鷹匡もいるし)、アイナナくんが切り込む方向性としては、ありうる選択肢なわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
となると(僕が見るべき)サドビの眼目はどう了さんを退場させるかではなく、彼を残すか消すか、残すとしてどういう使い方をしていくか…その結果、どういう方向性の世界と物語を紡いでいくのか、になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
『消すだろうな』と思いこんでいたことからも、残す方向性書ききるの難しそうと…
無意識的に僕が感じていたのは間違いなく、しかしそういう難しさにあえて挑む野心と強度が、これまで見てきた”アイナナ”には、確かにあり得る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
そこらへんの判断を、2月に待つフィナーレでは観客として見届けることにもなるのか。
いやさっぱり分かんなくなったな。面白ぇ。
了さんに首輪つけてる限り、ŹOOĻくん達ってマジでいけ好かないバカガキのまんまで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
狗丸くんがそのヤバさに気づきつつある描写からして、”そこ”は切ってくるだろうな…てのも『了さんサドビで退場説』の足場だったんだけど、了さん残してŹOOĻくんだけ縁切りするルートも、当然あるもんな。
僕は画面内の要素を過剰に自分に引き寄せて、みたい展開を確定した未来のように書き散らす悪癖が濃い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
”感想”である以上それでいいとも思ってるけど、しかし思い込みは思い込みなわけで、どっかで過剰に前がかりになった体重を正して、落ち着いて読み直す必要はあるのだろう。
しっかしまぁ、(創作の内部にそれが存在しうるとして)客観的な事実を冷静に追いかける能力が薄いからこそ、主観を過剰に暴走させて読みすぎるスタイルにもなってるわけだし、染み付いたスタンスというのはなかなか取れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月21日
正直、そういう姿勢に愛着もあるしね。
さて、実際どうなるか。先は楽しみ