アイドリッシュセブン Third BEAT! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
ついに始まったフレンズデイ。
あらゆる困窮の助けと成るべきチャリティーイベントは、あくまで朗らかに品位を保って進んでいく。
そこに陰る、忖度と阿諛。
携帯端末越しに届く民意の波が、革命の兆しを静かに、確かに育んでいた。
そんな感じの続きは一ヶ月後! どっしり構えてアイドルのお仕事を24hで魅せる、サドビ第26話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
すごーく久々にねっとり重たい裏事情でも、血圧上がりっぱなしのライブステージでもない、『普通のアイナナ』を摂取できた感じがして、妙に体調がいい。毎日続けようかな…。
作品世界のアイナナヘッズたちが、画面越し摂取して、クソみたいな人生をなんとか乗り切っているもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
プライドある人達が必死に震えを覆い隠して、綺麗な偶像に化粧を施して供給している、目で食べる栄養素。
それがどんな形か、たっぷり時間を使って再確認させてくれる回だった。
これは24時間の長丁場、加えて社会的な責務が大きいチャリティーイベントという、フレンズデイの設定を活かした見せ方だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
いつもより負荷は大きく、作らなきゃいけない仮面は分厚い。
そんな状況下でも、アイドルたちはTVの前で動揺も弱みも見せない。
本気で嘘をつく仕事の真骨頂は、プライベートばっか見てても描き切ることは出来ず、強がって必死に取り繕う”嘘”をナマの固まりのまま受け取ることで、初めて見えてくるものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
そういう回だったかな、と思う。
無論、ハッピーなアイドルちゃん達を見て幸せな気分になる効用狙いもデカいだろうけど
同時に堅実に着実に”仕事”していく手応えは、衝突の序曲でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
了さんが陸に向ける勝手な期待と同質化、それに対する”アイドル”のドン引き。
TRIGGER外しに煮立っていくネット世論と、そんな現状を無視して忖度を取り繕う局上層部。
歪な現状が、耐えきれず内破する直前の軋み。
砂上の楼閣がグラグラ揺れている怖さと、不思議な期待感をしっかり高めて、一ヶ月後の最終章にバトンを手渡す回ともなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
了が仕込んだ爆弾と、Re:valeが企む叛逆。
同時に炸裂しそうで、フレンズデイ後半はなかなか凄いことになりそうだ。
楽しみだねー。(プランクで腹筋鍛えながら)
物語はかなりどっしりしたペーストテンポで、フレンズデイを追いかけていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
おそろいのTシャツに身を包み、とびきりの媚態を目の前の観客に、モニターの向こうのファンに届けようとする、アイドルたちのキラメキ。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第26話から引用) pic.twitter.com/GkBQn6n3by
ここ最近ドス黒くて重いモンばっか食べてた記憶なので、この『お外向きのアイナナちゃん』は懐かしく、幸せな味がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
真実の裏側/嘘の表側という二分法でシンプルにはくくれない、本気で嘘をつくって届ける仕事。
その実態を、TVの中の笑顔と現実のグリーンバックは良く語る。
陸も大和も、自分の周りが緑一色の味気ない世界だと気づかせないまま、楽しく品のある番組進行に邁進する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
アイドルを包囲する”現実”は嘘まみれかもしれないが、それに誠意ある嘘をもう一度継ぎ足すことで、誰かに届く本物になる。
本物に、する。
そういう仕事が、どう生まれ客にどう届くのか。
今回はそんな”アイドル”の現状を、久々確認できる回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
自分たちの方に食い込む、”仕事”の重さ。
それを背負って走り切り、実績に変えてきたという自信。
そういうモンを、今のアイナナちゃんは持ってんだなー、と感じた。立派になって…。
同時に、新人らしいひたむきさも心地よく匂う。
対してRe:valeは、メイン司会として作品の顔として、どっしり君臨する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
品位。
百ちゃんが相棒に告げていた価値は、フレンズデイを越えてお話全体の結構大事なキーワードかな、と思う。
救われたい、満たされたい、幸せになりたい。
剥き出しの欲望と寝る仕事だからこそ、偶像稼業には品位がいる。
数字や政治で満ちた”現実”とだけ向き合っていても、真実輝くものは生まれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
曖昧で不確かな、でも確かにそこにある”何か”を掴み取っていく上で、品位というのは確かに大事だろう。
今回のフレンズデイ、待ち受ける嵐を前にそれを保てるかが、Re:valeとアイドルへの課題になる…のか?
とまれ、大事な”仕事”は順調に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
携帯電話、TVモニター…様々なメディアを通じて観客に届き、熱狂を広げて大きな渦となっていく。
それを受け取る側、届けて一時の休息に勤しむ側。
段々と、高揚した明るさが陰ってもくる。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第26話から引用) pic.twitter.com/O1xCgIupaV
マスメディアたるTVの理論と、携帯端末越しに生成されるナマな言葉のネットワークの対比とか、なかなか面白いところであるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
了が陸を奇っ怪な執着込めて見つめているのも、環が思い出の残響に瞳を奪われるのも、光のない車内なのは興味深いな、と思う。
そこ、暗いんだね…というね。
了が闇の底から伸ばしてくる掌は、後々すぐに発火するからいいとして、環の眼を奪った思い出の幻は、一体どこで炸裂するのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
了が張り巡らせてた”パーティ”の計画と、おそらく四葉のクソ親父が絡んでいて、その前駆を切り取った形…なのかな?
まーロクでもないよな、間違いなく。
辛い世界にいたとしても、あくまで元気に明るく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
フレンズデイを彩る輝きは、ときにネジ曲がり身勝手な呪いともなる。
異様な熱量でのしかかる、悪いおじさんの共感暴走に、陸クンもドン引きだッ!
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第26話から引用) pic.twitter.com/O1cxyFycMT
勝手に期待して、勝手に裏切られたと吠える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
その犠牲になっただろう百が告げる了の有様には、”ファン”なるものの一番危険で、だからこそ強烈な在り方が重なる。
アイドルで救われたい。
百自身がずっと抱え、大事にしてきた思いは時に、自分が救われたい形を偶像に、勝手に投影する。
媚態を混ぜて嫉妬にしがみつき、甘やかで密接した関係を捏造る百の顔は、了が見えなくなるとスルリと冷える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
他人が見たいと思う自分、それによって生まれる利に関して…『嘘をつく』という行為に関して、百は鋭い視力と分厚い経験値を有している。
陸は、まだその強さと怖さを知らない。
急にエンジンフルスロットルで『解る、解るよ~』とすり寄ってきた了の勢いには、陸の当惑を見ている側にも納得させる説得力がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
しかしそうしなければいけないネジレが、悪辣な道化師の深奥には確かにあって、それを吐き出す時奇妙に、戯けた調子が声から抜けている。
月雲了という人、思いの外切実で、百ちゃんは(散々振り回され傷つけられたんだから当然だけど)そこに滴る赤い血を、真実理解は出来てないんだな、と感じる場面だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
なまじっか”創る”ということに慣れている(才能も、適性も、意欲もある)ので、何が嘘で本当か、受け取るセンサーが時折バグる。
対して陸はいつでもプレーンかつピュアで、創りのない率直なスタンスが、怪物的訴求力の原因でもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
純粋だからこそ、悪役のはずなのに微笑んですり寄ってくる了のことがよく分からないし、即拒絶するのをためらう”何か”を感じてもいる。
そんな印象を受ける。
相手が求める媚態を逆手に握り、関係性を維持する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
決定的に息の根を止めるその瞬間まで、自分の思惑を隠す。
百がサラッとこなしたそんな腹芸を、陸は演じられないだろう。
それこそが、アイドル・七瀬陸の武器であり、凶器にもなっていく。
そんな予兆のシーンだった…かなぁ?
波乱の予兆をくゆらせつつ、”仕事”は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
キュー入るまでは船漕いでるのに、”嘘”が作られた瞬間完璧な顔面創る千さんは、さすがの王様っぷりである。
そんなプライドある強がりとは真逆の、ドス黒く現実的な、TVの嘘。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第26話から引用) pic.twitter.com/YU7XIruh7G
24時間生放送、ネットでも常時話題になってる楽曲投票から、TRIGGERが突如消えるという異常事態。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
炎上確実の大やからしであるが、通ると思ってねじ込む偉いおじさん達と、ネットで憤慨する顔のない若人たちの対比が、メディア世代論って感じで面白い。
古く膠着したものと、新しく流動するもの。
フレンズデイはそれが衝突する現場でもあり、そうして生まれる潮目を生かして、Re:valeは自分たちの理想を現実に引き寄せていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
あるいは了が、そんな輝きを叩き潰すべく策を練る。
さて、生き残るのはどちらの知恵か。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第26話から引用) pic.twitter.com/4sZEzeWqWR
当のTRIGGERが足元を揺るがす変化を、どこかぼんやりと見据える隣で、やってきた黒い鷹…オモシロ中年、九条鷹匡! という所で、お話は次回に続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
ゼロをかっさらっていった、不定形で強烈な”ファン”から生まれる大波を、HAWKはよくよく知っている。
それで魂ぶっ壊されて、今の体たらくだし。
サドビを貫通してきた了 VS アイドルの構図は、TVをトップとする古いメディアと、携帯が代表する新しいメディアの対比…と、これまたシンプルには割り切れないんだよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
了が首輪を握ってるŹOOĻも、ネットを通じたバズ・マーケティングでのし上がったわけだし。
個人が抱え込んだ思いや不満を束ね、方向づけて大きな波に変える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
”媒体”という意味を持つメディアの強さと怖さは、ここまで色んな場面で描かれてきた。
了への忖度と、Re:valeがうねらせる民意の波がぶつかるこの局面も、そんなアイナナ・メディア論の大事な1ページになりそうだ。
了がバズらせたŹOOĻのなにもかもが、嘘っぱちで形がないわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
今回幾度も描かれた、メディアの中のアイナナによって救われ、楽しく生きているファンと同じ熱量と透明度で、ŹOOĻのファンも彼らを愛していると思う。
なにもかもが嘘であるなら、嘘であることそれ自体に輝きも、汚れもない。
メディアの選択、その使い方それ自体が”アイドル”の価値を定めないとするのなら、何が正しさを支えるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
フレンズデイ後半は、そういう所を掘っていく話にもなりそうだ。
生臭い所に顔を突っ込む展開になるだろうが、ではそうなったら、今回描かれたアイドルの”仕事”は全部ウソになるのか。
『そうじゃないだろ』と告げる意味でも、24時間長丁場のフレンズデイをどっしり切り取り、そこから生まれるものを積み重ねていく今回の描線は、結構大事だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
なんというか…手触りと質感があった。
アイナナちゃん達はこういう匂いで、あの世界に存在してるんだな、という感覚。
ああいう嘘を必死につくって、それが色んな人に届いて、だからこそ愛され祈られ呪われ、続いていく偶像稼業。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月28日
この手触りを丁寧に編んできてくれたから、僕はこのアニメ好きなんだな…と思い出す、サドビ第2クール最終回でした。
面白かったです。
続きは一ヶ月後、See you 如月ッ!
楽しみですね。