イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 2024/11/10 TNX『虚像紫怨呪禍』

 昨日はトーキョーN◎VAの大規模リンクセッション”ビフレスト”のテストプレイに参加させていただきました。
 総卓数7、22人のキャストが災厄の町を駆け巡りながら、運命を交錯させていく特別なセッションを堪能ッ!

 

 シナリオタイトル:虚像紫怨呪禍 システム:トーキョーN◎VA-X RL:momoさん

 

 灰色さん:エリック・コール:26歳男性:マヤカシ◎ミストレス●タタラ 魔導の名門に生まれつつ、今はガジェットとドラッグを主に扱うテッキーとして生きている青年。飄々とした態度の奥に卓越した霊力と、穏やかに人々を見守る優しさを秘める。

 ていーぬさん:”眠れる猪”臥猪:18歳男性:レッガー◎チャクラ●カタナ 荒事を得意とする、ストリート生まれの青年。荒ぶる拳が大事な人を傷つけぬよう距離を置いていたが、その身内が事件に巻き込まれ、大いなる災厄に対峙することとなる。

 コバヤシ:”獅子を連れた騎士”ユーウェイン:11歳男性:カリスマ◎カブト●バサラ 機械の獅子を連れた少年神父であり、超能力開発実験の生き延びる。大人びることでしか生存を許されなかった過酷な過去を、優しさと力に変えて悪を断つ。

 

 こんな連中が、7つの事件が錯綜する災厄の町を駆け抜け、大いなるアストラル災害に立ち向かいました。
 メチャクチャに楽しかったです。

 

 今回のセッションはかなり特異な作りになっていて、ベースとなる卓は個別に(僕らの場合はアストラル卓)ありつつ、セッションで明らかにされていく情報に従ってN◎VAの様々な場所を駆け巡る、流動的で機動性のあるセッションでした。
 地理的にも物語的にも、また様々なスタイルを背負ったキャストとの交流としても、N◎VAという世界観がもっている多様性と面白さがシナリオの構造にしっかり反映されていて、”N◎VAのリンクセッションイベント”でないと生まれ得ない面白さが、しっかりとありました。

 スタッフ陣まで含めれば30人強、大人数が息を合わせて一つのゴールへと駆け抜けていく一大イベントですので中々複雑かつ忙しない部分もありますが、むしろそれが特別なことに参加している唯一性に繋がり、これまでにない体験をさせてもらっている面白さに繋がっていました。
 一参加者としてストーリーの渦に身を投げていても、この物語の一大伽藍がどんだけの苦労と心遣いによって作り上げられ、いま駆動しているかはひしひし感じられ、それを僕らに手渡してくれるありがたさが強く感じられて、凄くいい気持ちで遊べました。
 作り上げるのも動かすのも本当に大変だったと思いますが、それだけのことはあるスペシャルな一日になって、凄く楽しかったです。
 スタッフと参加者の皆さん、ありがとうございました。

 

 普段は3~5人のPLと固定された卓の中で、一人のRLにハンドリングしてもらいながら物語を生み出していくN◎VAというゲームが、話の進行に応じて意外な場所で、思いもしなかった人と、想像していない物語に出会って、結末へと加速していく。
 この体験はとても斬新であると同時に、大きな危機に立ち向かうためにそれぞれのスタイルを組み合わせ、性格も生い立ちも能力も様々な連中が縁をつなげて災厄に立ち向かっていく、サイバーパンクTRPGの一番原始的な面白さにググっと迫る仕上がりで、奇妙な懐かしさがありました。
 基本ルール掲載の全22スタイルが一堂に会するシナリオになったことで、N◎VAという街、そこに住まうキャストの多彩な面白さと、それが触れ合い組み合わさったときの化学反応こそが、何にも増して面白いのだという、システムと世界観の根っこを改めて味わうことが出来ました。
 新しく旅立ったからこそ故郷の良さを確認できるという、「行きて帰りし」セッション体験になったのは、めちゃくちゃ面白かったです。

 スラムの貧民から軌道の天上人まで、ソリッドなビジネスシーンから怪しげなアストラルまで。
 様々な物語を舞台に出来る、何でもありなN◎VAの魅力を、街を縦横無尽に駆け巡りながら自分の物語を紡いでいくセッションが、分厚く補強していたのはとても良かった。
 どんだけ身を置いている場所が違っても、自分を導くスタイルが異なっていても、キャストはキャストである以上お互いを尊重し、このクソッタレな街がそこまで悪くない場所だと信じられるように、必死により良いエンディングを目指す。
 このメタな物語的運動が、キャストにとっての日常であり、描かれる意味を持つ素敵な物語でもあることを、情報の洪水とどんどん出てくる見知らぬ人々、異様な事件と猥雑な面白さに振り回されつつ、たっぷり噛みしめることが出来ました。

 イベントが生み出す何もかもが過剰な感じが、N◎VAという街、サイバーパンク異世界感に強くリンクして、物語世界の中を生きている実感がとても濃かったのは、大変良かったと思います。

 

 自分は他の6卓とは少し経路が違う、世界の裏側にあるもう一つのルールで動いているシナリオに飛び込んでいったわけですが、非常に楽しめました。
 敵ゲストの造形が大変いい感じに憎らしく、「アイツぶっ倒してやる!」でシンプルに突っ走れたのは、パワーがあって素晴らしかった。
 そして他の卓が電脳だのドラッグだの、近未来的な空気をまとった唯物主義の味わいで物語を回す隣で、旧く永く続くオカルトに切り込んでいく特別感があって、ココも新鮮でした。
 一卓で普通に回してると、アストラル色に染まって自分たちが特別な(あるいはヘンテコな)存在であることを忘れてしまいがちなので、バリバリに現実的な事件に振り回されてる人たちの物語がそれを教え直してくれるの、フレッシュな感覚でした。

 固定されたメンツで一緒に走るのではなく、それぞれに示されたヒントを追いかけて色んな場所を駆け抜けていく構造上、本当に様々なキャストとすれ違い、触れ合いました。
 この横幅も凄く新鮮かつ贅沢な体験で、大変面白かったです。
 それぞれが自分の物語を駆け抜け、最初のメンバーで倒すべき相手に向き合った時に、これまでの物語を通じて得たものが少しそれぞれの横顔を逞しくしているのが、凄く鮮烈で良かったです。
 人によってN◎VAという街をどう捉えて、そこに住まうキャストをどう表現して何を語るかはぜんぜん違うわけで、その多彩さをたっぷり味わいながら、自分も自分なりのN◎VAっぽさをロールに込めて手渡すのが、とても面白かった。
 ここら辺は始点と終点以外は合わないからこその面白さであり、そういう加速したセッションでありながら「自分の卓」というホームがあればこその安定感だなぁ、と思いました。

 

 というわけで、大変特別で楽しいセッションとなりました。
 本番は一般に開かれた募集をするということなので、このスペシャルな面白さがあるイベントへぜひ、足を運んでいただきたいなと思います。
 RLの皆さん、スタッフの皆さん、参加されたキャストのPLさん達、大変良いセッションでした。
 ありがとうございました!