イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

株式会社マジルミエ:第10話『銀次さん』感想ツイートまとめ

 株式会社マジルミエ 第10話を見る。
 天才小学生魔法箒職人・銀次さんを起爆剤に、本人が気づいていないカナちゃんの強みを描く回。
 一見派手さのない彼女の才能を「マニュアルを読む能力」と表現したのは、とても鋭いなぁと感じた。

 それをするのが当たり前…と世間では扱われているけども、思いの外レアで完璧にやり切るのも難しい凡事徹底。
 型破りでパワフルで結果も出してる越谷パイセンが隣りにいて、彼女がカナちゃんの可能性をなんも疑わず信じ続けてる描写が、特別なありきたりを支えてて好きだ。
 わかりやすい主人公力ならパイセンのほうが上なんだろうが、それでもカナちゃんが主役なのがこのお話…なんだろうね。

 

 幼女職人銀次さんはマンガらしいキャラ立ちしつつも、面白い角度からマジルミエの仕事、魔法少女という業務を照らす、面白いリリーフ登板だった。
 少数精鋭で革新的な仕事を果たすマジルミエ、そらーツールも専用のチューンを施されなきゃいけないわけだが、自前のパワーを最大限増幅させるべく箒を使うパイセンと、箒のポテンシャルを最大限発揮することで、自分に足りてない力を引き出すカナちゃんだと、道具との向き合い方は真逆。
 そこら辺しっかり理解したうえで、自分の理想(社長の言葉を借りれば”美学”)を詰め込んだ多機能箒を仕上げ、カナちゃんに託す流れは面白かった。

 若き天才にそう思わせるだけの才気が、カナちゃんには確かにあるのだが、自己評価が低い彼女自身は、自分の善さに気づいていない。
 ここら辺は社内面談とかで社長が指摘する部分かもしれないけど、箒つう道具が怪異駆除にどう使われているか、世界観のディティールアップも含めて、銀次さんからトス上げさせた感じだった。
 エキスポの動画をキッカケに、事業が拡大していく方向に舵も切っているし、マジルミエの中で話を閉じずに、色んな所と繋いで広げていく話運びは良いと思う。
 カナちゃん目が良いので、色んな場所と繋がったほうが視野も広がり、多角的に世界と自分を見れるだろうからね。

 

 通り一遍の対応だと根治できない、難儀な怪異に個別対応できる機動性と柔軟性を、今後マジルミエはパッケージ化して売るみたいだけど。
 超天才達のピーキーな個性を、このサイズ感だからこそ取りまとめて運用できている感じもあり、より一般的な相手にチューンナップして適切に運用していくのは、結構大変そうだ。

 ここら辺、今回銀次さんが嘆いていた「ユーザーは説明書を読まない」とも通じてくんのかなー、とちょっと思った。
 受け身で怪異に対応していたポジションから、積極的に世間に打って出るアクティブな立場に動くと、色んなモノが変わりそうだが…残り話数でどんだけ書けるかなぁ?

 

 そこら辺気にかかりつつ、なかなかいい感じのサイドストーリーだったと思います。
 やっぱこういう、本筋から少し離れてるけど世界観が膨らむような話が在ってくれると、「怪異災害と魔法少女がある世界」をシュミュレーションする話としての手応えが違ってきて、なかなか良いね。

 主人公の可能性を広げていける特別な箒を手渡されて、カナちゃんとマジルミエはどんな未来へ進み出していくのか。
 残り二話でアニメをどうまとめるかも含めて、次回も楽しみです!