イマワノキワ

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ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」:第2話『冷酷アンサー!』感想ツイートまとめ

 奇妙に捻れた、学園生活へようこそ!
 オンボロ寮に居場所を得て初クエスト開始まで、手堅い感じで進んでいくツイステアニメ第2話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

画像は”ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」”第2話より引用

 前回は建物の中限定で話が進んでいて、作品世界がどうなっているのかサッパリ解らなかったわけだが、進展に従ってそれを見ることが出来た。
 マジで良い…最高だ…。
 リアル志向というより絵画的で、輪郭を縁取らない淡い色彩が魔法世界の異様な魅力をしっかり打ち立てて、非常にいい美術である。

 僕はこのお話、見たこともない異郷の美しさを全身に浴びるファンタジー・トリップとして楽しみにしていた部分があるので、美術の仕上がりは個人的にとても大事だった。
 前回外への広がりを抑えたのが良い焦らしになって、期待はパンパンに膨らんでいたのだが、それを裏切られるどころか上回れる仕上がりで、とても良かった。
 「安全な不気味さ」が多分世界デザインの根本にある話だと思っているので、その雰囲気を的確にヴィジュアル化し、怯えて遠ざかるのではなく楽しく飛び込みたくなる、引力のある情景に仕上げれていたのは素晴らしいと思う。
 やっぱこういうワクワク感、不思議な話には大事よね。

 

 ワケの解んねぇ連中に勝手押し付けられ、「んじゃ手前ェで帰るよ!」と当然のブチギレかます雄剣先輩の出鼻をくじく、尋常ならざる美しい夜。
 ここは絵の力で納得させるポイントだと思うので、そうなるだけのパワーがある背景がドドンと飛び出してきて、本当に良かった。
 言葉を超えてこっちを殴りつける、問答無用の迫力ってのがファンタジーには大事だと思うから、雄剣先輩と一緒に魔法世界に圧倒される体験が出来たのは、お話に体重預ける上でも嬉しかったね。
 こういうシンクロ率の醸成が、後々本格的に物語が動き出したときに効いてくるとも思うので、クオリティを適切に使って視聴者を殴るのは大事だ。

 オンボロ寮のスタイリッシュな寂れ方とか、王城の不気味で壮大な峻厳さとか、ドワーフ鉱山の青い魅惑とか。
 色んな場所が面白く瞬いている、作品の豊かさがワーッと押し寄せてきたのは、今後ここでどんなお話が展開されていくのか、楽しみになる良い魅せ方だったと思う。
 こうして広がった期待感に、たっぷりドラマの実感を盛り合わせていくことでアニメ見るのが楽しくなってくると思うので、楽しさを受け入れる事前準備がしっかり出来たのは、大変ありがたい。
 こっからどういう話が転がっていくかは、ドワーフ鉱山の冒険を次回どう描くかで見えてくるんだろうけど…まだメインヒロインとの距離が遠いからなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

画像は”ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」”第2話より引用

 それは先の話として、お話自体はこんがらがった状況の整理、厄介ごとの種になるグリムくんのキャラ提示、ひょんなことから呉越同舟のクエスト開始と、勢い良く進んでいった。
 「このチュートリアル感、なんともソシャゲアニメだな!」って感じだが、雄剣先輩の順応力と侠気が分厚く、あんま流されてる感じがないのはありがたい。
 グリムくんの可愛さが凄いことになってるのは期待通りだったが、魔術バトルをかなり頑張ってくれて迫力あったのは、嬉しい不意打ちね。

 

 作品全体に漂うハロウィーンな雰囲気は、ゴーストを同居人とするオンボロ寮への突入で最高潮に達して、「”この感じ”がお話基本的なトーンなのね」と、自分なり腹に収めた。
 チャーミングな不気味さや洒落になってない危うさを、安全に楽しめるホロウ・テーマパークな感じが、ヴィランを偉人と崇め奉る捻れ方と絡まって、独自の味わいになってる。
 不気味さや怖さを愉快な隣人として楽しんでしまう感じは、今後人間ドラマに深く切り込んでいって、各キャラの病みっぷりが明らかになったとき、また別の切り口を見せてくれそうである。
 リドル寮長、あの規律信者っぷりだと相当に暗いもの抱え込んでるでしょ…。

 問題行動起こしまくりのグリムくんも、寂しさと認められなさに反発してワーワー騒いでるガキンチョであり、ここら辺に雄剣先輩が寄り添うながら話が進んでいくのかなぁ、という印象。
 事態を転がすためにトラブルは発生させなきゃいけないが、ガチで可愛げがない問題児だとヤダ味も凄くなるわけで、あざとい可愛さアピールバリバリだったのはたいへん良かった。
 どーもこの魔法学校、いけ好かない選良主義と前例遵守がまかり通ってる匂いプンプンなので、人間じゃないから問題外扱いのグリムくんの暴れっぷりに、既に一分の理が見えてる。
 ここら辺、日本からの転校生である雄剣先輩が、外部者だからこその視点で切り込むポイントか?

 

 厄介事はグリムとエースが引き起こしてくれるので、主人公たる雄剣先輩は抜きん出た度量でそれを受け止め、問題児共の手綱を握るポジションっぽい。
 何しろ幽霊にすら怯えず、堂々握手を申し出るくらいハラが決まった男なので、異世界の異常な価値観やアクシデントにも騒がず、どっしり落ち着いてくれてるのはありがたい。
 オマケに暴れん坊共を制圧できるだけの剣術も備えているので、鉱山での冒険でも慌てふためくことなく、状況を前に進めてくれそうだ。
 この押し出しの強さと落ち着きは、見ていて安心できる造形で良いなと思う。
 …こんだけ包容力無いと受け止めきれないくらい、リドル寮長が病んでる可能性もあるが。

 ここまでのオタク遍歴で、「乙女ジャンルのイケメンは、ある程度病んでるもの」つう偏見を育てているので、ゴシック&ゴージャスな世界観もそういう造形を際立たせるための、意図した造形なのかなと思っている。
 ここら辺の予測(つまりは期待)はメインヒロインたるリドル寮長が、本格的に主人公と接触してくれないと成否判別出来ないので、はよう最悪の出会いからだんだんお互いを知っていく、スクリューボール・コメディで一番美味しいパートが始まって欲しい。
 でも魔法バトルがかなりいい仕上がりだったので、鉱山での冒険をどう書くかも楽しみなんだよな…。
 色々面白そうな要素がたっぷりある…贅沢でありがたいことだ。

 

 というわけで怒涛の異世界召喚から一応の居場所確保、初のクエストまで一気に駆け抜ける第2話でした。
 本格的にドラマが動き出すのはまだ先っぽいですが、とにかく美術の仕上がりが良く、物語の舞台への期待感がガン上がりしたのはありがたい。

 Cパートにミニ劇場入ってるの、「初回で感じた女児アニ力、妄想(ゆめ)じゃなかったっぽいな…」て感じだけども。
 危険待ち受ける不気味な洞窟に、どんな冒険が繰り広げられるのか。
 キーキーヒステリックな顔ばっか目立つ寮長は、果たしてどんな子なのか。
 次回もとても楽しみです!