八月のシンデレラナインを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
敗北を受け止め、一歩前進した野球同好会。
上手くなりたい。足を引っ張りたくない。本気だからこそ募る河北の焦燥が、親友との間に溝を生む。
激烈巨大感情が涙とともに衝突し、青春のビッグバンが女々宇宙(ユニヴァース)を生み出す。ハチナイの新境地、刮目せよ!
つうわけで、勝負と青春と女達の感情を強火で煮込み、時速160キロでぶん投げてくるお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
いやービックリした、こういう”背筋”持ってるなら言っておいてよホントー…河北くんの秘めた重力に、期待をかけた甲斐もあったってもんだ。欲しいところにタマ来たなあ…。
お話は河北くんと翼のこじれた関係を、神宮寺さんを間に挟んでグツグツ煮込んで進む。ナインが人のいいぼんやり顔で、クソみたいに絡まっていく感情をハワハワ見守ってる姿が、善良でいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
女岩城と阿佐田くんが、ボーッと境内歩いてるシーンとかマジのんびりしてていい。一生のんびりしててくれ。
むせ返るような激情のパルファムが目立つ回だけど、負けから本気になって、練習のステージを一つ上げるナインの描写が良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
ゴロを処理し、フライを取る。一個一個の成長が”野球”を作っていく。
後に河北くんの焦りにも繋がる部分が、今回は結構細かく描写されていた。
宇喜多くんがフライを取れるようになり、『おお…私結構やるな…』みたいな評定をしたシーン、非常にほっこり心に届いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
東雲くんが経験者として、ポンコツ素人共を野球人に叩き上げていく描写も好き。ヘロヘロの台所事情を匂わせつつ、頑張って”野球”してるところは好き。
そんな土台に、高校進学、同好会設立によって変わってしまった女と女の感情が、地獄みたいな温度で乗っかるわけよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
いや実際、ハチナイくんがここまでやってくれるとは思っていなかったので、まじ嬉しい不意打ちだった。
『何よその女!』と翼が叫んだ(叫んでません)シーン、マジ待ってましただもん
河北くんは聖母のように、心のクスブリを取り戻さんとする翼のわがままに付き合ってきた。それは翼が体重を預ける本気領域を、自分も背負うということだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
気づかぬ間に変わってしまった関係。伸びた背丈、違う景色。
そのズレを河北くんは認識し、翼はまだ認識してない。その”視差”がいい。
河北くんは頭が良いので、自分も翼ももう幼くなくて、完全な世界を二人だけ共有できた幼年期が終わっている事に気づいている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
翼の同好会設立にはある意味タイムマシン的な側面があって、失った黄金期を取り戻したい願いが籠もっている。
現在と過去、現実と夢。近くにいるのに、見てる世界は違う。
それでも同じ世界を見ていたいから、河北くんは翼の夢、そのリベンジに協力した。”野球”に飛び込むその決断は、しかし翼との関係性、世界のアングルを変える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
出来ない。教える側だったのに、教えられている。追いかけている。
河北くんの中にあった、微かな優越が崩れていく。
僕は今回の話、綺麗なだけじゃなく人格のどす黒い部分にも踏み込んでいたのが、とても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
河北くんは『ダメな翼を支える自分』に、強い肯定感を持っていた。相手の領域に立ち入らず、勉強という優越レイヤーで向き合っている間は、それは満たされていた。
しかし”野球”という翼のレイヤーに踏み込んだことで、優越感と共依存は損なわれてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
今回見せた焦り、神宮寺さんに決死に食い下がる態度からは、そういう欠落をどうにか埋めないと心が満たされない、思春期の黒い炎が垣間見える。翼に追いつくためにやってんだから、翼には言えない。
その事が、翼の不安を加速させ、嫉妬を増幅させもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
ゴロ処理特訓に猛烈乱入して、激重感情をフルスイングしてくる翼の脆さ、危うさは、非常にいい感じだった。
おすまし顔で萌キャラ主人公やってるときより、ビカビカ輝いてて良いぞ! ”匂い”出してけ”匂い”!!
激重幼馴染に挟まれる形で、神宮寺さんの人間味が見えたのもよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
一度崩れた部活、それでも迸る勝利への渇望、選び取った”戦友”という関係性。
自分とは違うチームにも”理”があり、”情”がある。自分の見えない場所でも、別の物語が熱く進行している。それを知って、少女の世界は広がっていく。
物語の視野を広げる意味でも、今回の神宮寺さんはいい仕事してたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
あそこで練習付き合ってくれる辺り、人格者なのだね。それ故、一度崩れた部活を統率し、戦闘集団として奮起出来たのか。同好会とは違う空気だろうけど、”いいチーム”なのだろう。
その公平さに答えを見出して、河北くんは翼と…己の幼さと距離を取ろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
健全で公平な”戦友”になって、翼の夢を叶えていこう。もう、距離が近すぎる”親友”ではいられない。私達は”野球”を始めてしまったのだから。
そんな提案を、主人公は涙と共に蹴る。嫌だと泣き叫ぶ。
ここで変に大人にならず、”私達”になろうと決める結末はベストチョイスで、点数でいうと二億兆点くらいだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
神宮寺さんが選び取った”戦友”は正しい。でも答えの一つではあっても、一つでしかない。青春と人生に万能の処方箋などなく、自分と相手に向き合って、一個ずつ選んでいくしか無い。
そんな真実を真剣に受け止めた結果、翼は河北くんを強く求める。溢れる気持ちに、嘘はつけないから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
”野球”を選んだことが二人の距離、そこから見える世界を変えるとしても、今まであった繋がり、そこに宿る思いの熱は変わらないから。
だから、自分の気持に嘘はつけない。
そんな激情が、ノートを託して”大人の世界”に去ろうとする河北くんをつなぎとめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
翼が求める”過去”と、河北くんが見据える”今”を混ぜ合わせて、私達だけの”未来”にたどり着く。
そんな提案で、二人の視差は埋まって、同じ景色が見えるようになる。
ええ話や…。
どす黒いエゴイズム、鈍感な甘え。青春の苦い部分もひっくるめて、幼馴染二人の超巨大感情重力震にしっかり切り込んだ、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
”野球”を添え物にせず、関係を変化させる強い触媒として、二人をつなぐ新しい希望として、しっかり扱ったのも素晴らしかったです。
同好会のエンジンであり、ハンドルでもある二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
その関係が今回是正されたことは、敗北を乗り越えて強くなろうとするナインにとっても、デカい変化だと思います。
今回の青春爆心地からどんな芽を出し、”勝負”に育て上げていくか。今後も楽しみになる、とても良いエピソードでした。来週も楽しみ。