イマワノキワ

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紅萩、野分に微笑む -2021年8月期アニメ総評&ベストエピソード-

・はじめに
この記事は、2021年8~10月期に僕が見たアニメ、見終えたアニメを総論し、ベストエピソードを選出していく記事です。
各話で感想を書いていくと、どうしてもトータルどうだったかを書き記す場所がないし、あえて『最高の一話』を選ぶことで、作品に僕が感じた共鳴とかを浮き彫りにできるかな、と思い、やってみることにしました。
作品が最終話を迎えるたびに、ここに感想が増えていきますので、よろしくご確認を。

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X
ベストエピソード:第8話『お見合いしてしまった… 』

張り巡らされた演出意図、豊かな画材に流されることなく、何を描くかをしっかり見据えた、見事な短編でした。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X:第8話『お見合いしてしまった… 』感想ツイートまとめ - イマワノキワ

『結局はめふらとは、こういう角度で向き合うしか無いんだな』ということを思い知らされた二期であった。
僕にとって異世界転生モノというのはずっと異文化で、どこが面白いかを肌ではなく頭で受け取り分析し作品を解体しながら、メタ視点で読み解すジャンルである。
元々そういう傾向が強いけど、頭でっかちに作品の外側から、楽しさを解体してパーツの繋がりを確認し、確認しながら記述していく。
物語をロゴスで解体しすぎるこの見方は、”お話本来の面白さ”を徹底的に殺している感覚もあるし、その”本来”ってのがどう担保されているか実感がない視聴者としては、それ以外に方法がない諦めもあり、色々難しいところでもある。

難しい二期だろうな、とは始まる前から思っていて、実際想定よりも遥かにスロースピードに、物語は展開した。
第1話が始まった段階では、第3話くらいでスパッと魔法省にブチ込んで、そこで生まれる障害と克服、変化のドラマでうねりを作っていくと想定していたわけだが、蓋を開けると卒業は最終話までサスペンドされ、変わりなく無邪気で幼いカタリナ様の暮らしと、そこに宿る小さな兆しが描かれ続けた。
一期で炸裂した横紙破りの気持ちよさ、無自覚にフラグも世界の構造もぶち折って突き進む変化の快楽はそこにはなく、快進撃が生み出した幸福な凪、さざなみのように顔を見せる青年たちの変化が穏やかに刻まれていた。
停滞とも退屈とも取れる筆致だが、それは僕が確かに見たかったものであるし、けして乱雑に踏み荒らしてほしくないものでもあった。この筆致を二期が選んだことには、僕は納得と敬意を持って、時折文句を言いつつも楽しませてもらった。

この第8話はそういう二期の筆致が、最も豊かに花開いたエピソードである。花と水のモチーフ、明瞭な構図の意識を活用して、大変華やかに鮮烈に、ニコルの内面を活写している。
ただただ”連続する絵画”としての圧倒的な美麗がまず力強いエピソードであるけども、変化の見えにくい二期をそれでも確かに前に推し進めていた、穏やかなロマンスをしっかりと引き受けて、変わらなければならないと焦る思いと、変わらないことを選ぶ穏やかな決断がしっかり宿って、眩しく輝いてもいる。
選ばないことを選ぶ。
心地よい物語的状況を延々に続けたい、作家と読者の共犯に都合のいい題目であるけども、同時にそれは作中世界を活きるニコルが、花と水に満ちた美しい物語を経て確かに、自分の答えと選び取ったものだ。
その輝きを眩しく切り取ったこのエピソードは、単話としての圧倒的な仕上がりと同時に、非常に”二期”らしいエピソードだとも思う。花園は確かに時の流れにあって、数多の花の中からたしかに一つ、彼は選んだのだ。

 

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