イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

デュラララ!!×2結:第34話『以心伝心』感想

色んな要素が繋がって弾ける池袋運命絵巻、今回はそれぞれの戦い。
杏里ちゃん守り隊ワゴンの中でモチベーションを確認したり、杏里ちゃんと仲良くしたい女子の輪が繋がってラスボスが身元バレしたり、新羅が自分のモチベを確認したり、ようやく帝人と紀田くんが面と向かって対峙したり。
最終盤に差し掛かってから色んな事が並列して起きてますが、杏里をハブにして罪歌周りは一気にまとまってきたなぁ。
色んなメンバーの分厚い介護を受ける杏里と、埼玉のゾッキーとたちの悪いカラーギャングしか味方がいない男の子たちの対比が、結構残忍でした。

ことココに及んでウジウジ悩むのが高校生チームの特長でして、『私は人間じゃない!』とかみんな知ってるネタを、渋滞の暇つぶしにパなす杏里
しかしドタチンを筆頭に、杏里ちゃん守り隊ワゴンの面々は皆人間力が高いので、不安定な切り裂きJKもようやく安定したのでありました。
『頼りがいがあって、正論に説得力を込めて話せるキャラクターが元気だと、お話が転がせなくなるから退場させるよなぁ』と、ドタチンを見ていて思った。

ギルドの面々と杏里は罪歌とマッチアップするようだけど、狩澤→鯨木→贄川という風に、かつて杏里に優しくしてくれたおねーちゃん達の縁を辿って、一気にラスボスの情報が出てくる流れは面白い。
欲望に溺れて足元が疎かになってる先生のフラグ建築も見事だが、これまで受けた恩を返すという意味でも、『狩澤・ザ・カラーコンタクト』と『贄川・ザ・支配状態は多分演技』を助けるモチベが生まれたのは、杏里にとって良いことだ。
先生は逆恨み力がカンストしていて誰にでも噛みつく動機があり、小物すぎるので切り崩すロジックを組みやすく、ボコボコにされた後は贄川さんに払い下げればお話が落ち着く辺り、よく出来た共通ボスだと思います。
『他者の自意識を踏みにじる』『自分は安全圏でノラリクラリ出来る』という罪歌の悪い所を最大限増幅して、ヘイトを稼いでるのもグッドよね。


愛の戦士新羅くんはラブラブ回想してモチベーションを高め、セルティのお話を決着させるべく立ち上がっていた。
正直最初は『……誰?』って感じだった間宮さんだったが、自体が一気に動く『セルティの首暴露事件』を引き起こしたり、今回新羅の聞き役を担当したり、面白い存在感が出てきている。
ギルドメンバーとかの面倒をよく見つつも、結局新羅はセルティだけしか見ていない存在であり、その真っ直ぐさで大事なものだけを拾いに行く迷いのなさは、迷いまくりの高校生と良い対比になっている。
高校生たちがたどり着くべき『どうせキチガイなのだから、開き直っちゃったほうが強い』『だがそこでエゴイズムに呑まれるとイザヤみたいに孤独な寂しがり屋になるので、他人と話すチャンネルは残しておけ』という結論を、新羅は先取りし実行しておるのだなぁ。

シズちゃんはリッパーナイトを経て、トムさんとヴァローナという他者の助けでその結論にたどり着き、イザヤは新羅的生き方に憧れつつも辿りつけなくて、今シズちゃんと不毛に殺しあっている、と。
イズシザ追いかけっこは今回軽く描写されただけだったけど、このままバーサークモード戦っててもイザヤの思い通りなので、シズちゃんははよう自分が積み上げてきたものを思い出して、振り上げた拳を降ろして欲しいものだ。
解ってはいてもなかなか収められない過剰な憤怒こそがシズちゃんのカルマであり、収められないものを収めるからこそ、成長をしっかり見せることが出来るだろうしね。


んで、色んな人のトス揚げでようやく対峙した二人。
声を震わせて『陽気な紀田正臣』を頑張って演じようとする紀田くんと、すっかりドブ色になった眼のままサイコっぽいことを口走りまくる帝人の対比が、痛くて眩しい。
紀田くんがボロボロな上に帝人が持ってるおもちゃが危なすぎるので、殴りあって土手に大の字になって終了! とはならんだろうなぁ……。
まぁ来るところまで来ちゃったので、行くところまで行くしか解決のしようがない二人だ。

そんなカップルを決戦の場に押し上げ、静かに見守るろっちーパイセンと青葉。
どう考えても殺人か自殺の二択しか無い帝人を、全部承知で終わりの場所に送り出した青葉は、薄情なのか覚悟が決まっているのか、はたまた竜ヶ峰帝人はここに流れ着くしか無いと解っているのか。
帝×青推しとしては、きっちり全てを理解し自分が一番出ないことも呑み込んだ上で、策略の限りを尽くして屋上に送り込んだ説を取りたい。
アイツまじ帝人好き過ぎるからなぁ……そんな青葉に、帝人は冷たすぎる。
あ、ろっちーパイセンは相変わらず最高のトス上げをしていて、ありがとうございますの極みって感じだ。

というわけで衝突寸前爆発間際、おそらく最後のモチベーション確認回でした。
『戦い』というキーワードを上手く使って、バラバラな場所でバラバラに動くキャラクターに統一感を出す、杏里のナレーションがなかなか良かったですね。
既に開始ってるイズシザ、ようやくリングに上った帝人と紀田くん、とりあえずぶっ飛ばせばいい相手を見つけた池袋・オブ・ザ・デッドは良いとして、セルティと新羅が接触してねぇからなぁ。
まだ息を潜めている鯨木さんの物語含めて、残り話数でどう転がしてくるのか、楽しみですね。