地縛少年花子くん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
”放送室”が用意した罠から、辛くも脱出した寧々。
今日も今日とてのんきな日常を、怪異と送る…と思いきや、七不思議の三”カガミジゴク”に一人囚われ、孤軍奮闘の大ピンチ。
境界で出会った少年幽霊は頼りにならないし…って、ミツバお前!?
という感じの、恐らくアニメ放送ラストエピソード開始。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
第8話が良い刺さり方したので、ミツバ再登場は嬉しくも危なっかしく、どんな地獄が待ってるか今から恐ろしい。
花子くんは生者の願いを叶え、つかさは死者の祈りを聴く。
片方は冷厳公正に、もう一方は己の望みを交えて混沌の色に。
つかさと行き逢ったせいで制御不能の怪物に落ち、一回死んで何故か蘇ったミツバ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
その裏に、今回の出会いにどういう謎と意味が込められているか。つかさのドス黒さが、更に強調されそうな出だしとなった。
鏡に映らない死者、失われた記憶。いやー…絶対ロクデモナイでしょ。
ポップで明るいところから、一気に深い闇まで急転直下するのが花子くんスタイル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
葵ちゃんの噂話(まただよ!)を入り口に、不思議な手と触れ合う流れは一転、鏡の向こうに寧々が連れ去られるピンチへと変わる。
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強制的に命を取るのではなく、未練を満足させ成仏させる。光くんがコミカルに演じる退魔劇には、ミツバを救えなかった無念が煌めく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
寧々がミツバのこと覚えていないのは、彼女の浅はかさ、他人への興味の無さを考えると納得は行く。
初めて、真摯に向き合える”他者”が花子くんなんだろうし。
”手”に眼だの口だの付いていたところを見ると、放送室経由で歪んだ怪異なのだとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
トラウマをえぐり倒す悪辣も、カガミジゴク本来の性質であり、ミサキ階段のように悪意で捻じ曲げられた側面もあるのだろう。
つくづく、寧々はこの世ならざるものに好かれる、霊媒体質であるな…。
鏡の向こうには水があり、人魚の形質を顕にした寧々は二度死んだ死者と出会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
寧々はミツバと二度(一度は写真を撮ってもらった時、二度目は亡霊になったあと)遭遇しているが、相変わらず他人の顔を見ない彼女は、出会いを思い出せない。
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浅薄極まるロマンスへの予感を打ち砕くように、相変わらず毒舌なミツバ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
しかし光くんと出会ったときのような、過剰な勢いはもう無い。人が変わったような…というか、実際”変わった”んだろうなと思わせる小林大紀の演技がなかなか良い。
死は人にとっても、亡霊にとっても冷厳なものだ。
そこから這い出して、”三葉惣助”の未練を背負っていたミツバは、光くんと交流する中で価値のあるものを見つけ、歪まず消えれそうだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
しかし微かな願いを聞き届け、歪めて増幅するつかさに目をつけられて、首折の怪物になってしまった。
人に仇なす怪異、生死の境界を危うくする亡霊は、絶つ。
そういう花子くんのルールにぶった切られたはずなのに、”ミツバ”はぼんやりカガミジゴクを歩き回り、寧々とコメディまで演じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
その再生の裏に、一体何があるのか。かつてあった『三葉惣助』の残り香が、死臭でくすむ。
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今回は花子くんも光くんもいないので、寧々のクソアマっぷりが存分に発揮されて、そういう顔も結構好きな自分としては満足度が高かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
後輩相手に、境界知識でマウント取ろうとするところとか最高に最悪で良かったよ…本当にお前は、目の前三センチの価値観だけで生きてるねぇ…。
寧々は”ミツバ”の表面しか見れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
二度の出会いも思い出せないし、鏡に映らない亡霊のカラクリも深くは考えない。
それは物語が始まった時からの宿命で、ここから少しずつ出ていくことが、彼女の旅路だ。今回は、一人で頑張らないといけない。
人のトラウマをあぶり出す、鏡の地獄。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
花子くんは鏡に写った自分を見れるが、”ミツバ”は鏡に映らない。何が自分の傷で、何が損なわれているかを確認できない。
二人の亡霊(つかさも加えれば三人か)を分けるのは、精神のどこの部分なのか
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そもそも、”ミツバ”の何が失われ、何が奪われているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
かなりエグい境界バトルの裏で、そんな疑問が頭をもたげてくる。
いつものパターンなら王子様が怪異をやっつけてくれるところだが、今回は悪魔が来りて笛を吹く。
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つかさは、自己を反射する鏡自体を割ってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
欲望を思い切りぶん回し、噂も世界も願うまま塗り替えてしまう混沌の申し子は、自分の顔も他人の顔も見る必要がない。
記憶とアイデンティティを失った”ミツバ”も、”そういう”存在になっていくのだろうか?
ここまで来ると、寧々がミツバを覚えていないのにも納得がいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
白紙の亡霊は、名前を呼ばれれば起源を思い出す。自分が誰なのか定められれば、悪しき影響も跳ね除けられる。
だが寧々にそういう、誰かを導く強さは(まだ)ないし、ミツバも己を取り戻し亡霊でなくなるには早い。
多分ミツバを”人間”に戻す(歪められた亡霊を払う)のは光くんの領分で、寧々は無力な傍観者として、今回は何も出来ないのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
何もかもなくしても、やっぱり優しかった少年を前に、名前を思い出せなかったこと。
あなたが誰であるか示す、照魔鏡の仕事ができなかったこと。
この後悔が、寧々の幼さをまた少し削って、ちょっと変えていくのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
まぁその前に、性悪亡霊少年の相手しなきゃだけどね…。花子くんがスパッと、必要なだけ刃を振るうのに対し、つかさの暴力は粘着質だよなぁ…。
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生者だったころも、普にこういうネットリ暴力押し付けて、不変の未来が変わるほどの因縁生んじゃったのかなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
柚木兄弟の過去が完全に表になってないので、ここらへんは推察するしか無い。
存外、ミステリ仕立ての作品よね…全部アニメで見れないのは惜しい限り。
割れた鏡の只中で、悪意の王は白紙の亡霊に、赤い暴力を塗りたくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
何者でもなく、何者にもなりえないキミの願いを吸い上げて、特別な存在にしてあげよう。だから、墨の色に染まれ。
つかさは支配願望とエゴが、とにかく強いな…。
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花子くんが自分に言い聞かせるように、生死の境界、怪異と人間の境目をしっかり定めようとしているのに対し、その双子は境界を侵す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
死人に生を与え、白紙の記憶を都合よく塗る。その擾乱が、何に由来し、何をもたらすのか。
既に壊れた、三つ目の七不思議。そこに花子くんが踏み込んだ時、話は動く。
『七不思議の境界に分け入り、依代を暴いて秩序を回復する』という基本パターンが、大きく揺らぐ話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
噂を使って七不思議をクラックしてくるつかさは、”王子様”っていう花子くんの役割も、逆しまに歪めて乗っ取ってくる。
双子というフェティッシュを上手く使った、良いシャドウの書き方だ。
花子くんは人間と怪異の境界線の上で迷ってて、つかさはとっとと一線超えちゃった、という言い方も出来るか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
かつてその腕に引きずられて、怪物となり殺された”ミツバ”。頬に塗りたくられる赤い血が、白い記憶を染めていく。
始まる前から敗色濃厚だが、花子くんチームはどう立ち向かうかなぁ。
あ、鏡怪談と白雪姫を重ねて、ほのかなアクセントに使ってたのは好みでした。人魚姫にシンデレラ、結構顔を出すよね、童話モチーフ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月13日
お姫様を夢見る寧々に、まーた冷たい現実が突きつけられそうですが、さてカガミジゴク第二章、どう転ぶか。
来週も楽しみですね。