
予想はしていたが全てが唐突に降って湧いて、それっぽい…ということになっている主人公とライバルの衝突と融和を経て敵味方一丸となっての最終決戦が行われ、最後はみんなで同じ湯を浸かって笑顔で大団円…となった。
シニカルとナンセンスを今持ち出すなら、自分が最低限保って欲しかった知性や矜持は、「ハイカラはハイカラであるがゆえにハイカラである」という思考停止したトートロジーに押し流され終わった。
そこには空っぽな自分たちへの徹底した内省も、それを嗤うがゆえ生まれる強さも感じられず、12話見たアニメがなんだったか、僕は言葉を持たない。
そういう油粘土を口にツッコまれたみたいな喉越しでアニメを見終わるのは、別に始めてでもないけど、望んで繰り返したいわけでもない。
僕はなんでも良いから、このお話だけの何かを受け取って終わりたかった。
ナンセンスにすら意味や意義を求めてしまう頭でっかちとしては、なんも考えてないノリと勢いで押し流すには全体的にセンスと可愛げがなく、記号だけで押し切るには記号論への思索が足りず、唐突さそれ自体をネタにするなら荒唐無稽さとケレンに欠けていて、やっぱハンパだなと思う。
狂うなら狂う、堕ちるなら堕ちる、遊ぶなら遊ぶで気合い入れてやってくれ…つうのが、最後まで見た感想になるだろうか。
お約束とそれっぽさで徹底的に安く上げていくつもりなら、それに相応しいガワを整える必要があったと思うが、まぁそういうのもないしな…。
何もかんもその場その場の取り繕いで、なんかまとまった感じの自己言及だけやって終わりまでたどり着いてみると、最後に叩きつけられたのは『白痴たれ』という極めて終わってる諦観であり、覚悟はしてたが実際叩きつけられると厳しかった。
自分たちが看板に貼り付けた「ハイカラ」が、なんでもないからこそなんにでもなってしまう、可能性と呼ぶにはあまりに尻軽なキャッチフレーズになる。
そういう玩弄と嘲笑へ狙ってたどり着いたのか、結果として流れ着いてしまったかは、僕には分からない。
でもまぁ、まがりなりとも自分たちの物語を乗っけるフレームとして選んだモノに、向き合うお話だったかというと、そうは判断できないだろう。
自分たちがすごくグロテスクな結論にたどり着いたことには自覚的で、それを男の裸身でぺらりと覆ってなんかまとまった風味を出しつつ、しかし全てを騙し切る道化の矜持より、「なんちゃって~」で八方破れな風呂敷の中身をチラ見せさせるフィナーレは、自分にはちとナメすぎ(あるいは必要十分にはナメれてなさすぎ)と感じられた。
シニカルで薄っぺらで記号的で、話数ごと全てが消し飛ぶ白痴性を最後まで貫いた…というには露悪と嘲弄への熱がなく、なんとはなしにそういう方向に流れていってしまった、(この作品の使用法で言うところの)とても「ハイカラ」な話だったなと思う。
そういう意味では、自分を貫ききった…とはいえるのかな?
このお話が誰に向けて、何を宿して綴られているのか。
シリーズの熱心なファンではなく、雲仙くん達を可愛いと思える受容体もない下戸の身では、なかなか解らない。
感想を続けることで、このお話を楽しめたファンの方には不快な思いをさせたと思うし、今後はこういう距離感になったら視聴も感想執筆もやめようと改めて思う。
だがこんだけ「解んない」アニメ視聴もひさかたで、そうやって混乱し翻弄されるのは、思いの外心地よかったのかもしれない。
自分が「こうやって楽しめば良いのかな?」と構えた手のひらから、作中の描写、一話一話のエピソードが軒並み滑り落ちていく徒労を、あんま怒る気にもならない、不思議な腰砕け感。
それが、僕とこのアニメの距離感になってしまった。
なにか意味や意図が作品の背筋を支えてくれると、思い込んで見始めたこっちが的外れだったのかもしれない。
だがそれでもなんらか、作品なり手渡してくれるものがあってくれたら良かったなぁ、と思う。
この白痴の最終話にたどり着くまでに、かすかに煌めくモノが何もなかったとは言わないが、こういう終わり方をさせられると、流石にそれもまた「ハイカラ」に押し流されていく。
とても寂しい。
向いてない作品を見続ける無理と非生産性を噛み締めつつ、今後を鑑みる材料とさせてもらいたい。
とまれ、お疲れ様でした。