huke×鈴木小波、角川書店。ロックとロンの地獄旅行、最終巻でございます。中ボスデッドさんと、ラスボスのゴミクズことラムさんのバトルをきっちり決め、コンパクトながら過不足のない良作として終了しました。ロックちゃんの因縁は二巻までで消化していたので、エモーショナルな部分のメインはデッドさんが担当。ラムさんもいろいろあったが、やはり三巻の主役はデッドさん。
面倒くさいレズだと思っていたが、なんと人妻。旦那はいるが、ローティーン女子の裸は楽しむし、髪の毛は食う。そういう事だ。なんか恋に恋する、冥界女殺油地獄みたいなめんどくささはさすがのデッドさん。面倒くさいだけではなく、最後の最後で綺麗に消えるあたり、やっぱりヒロインというか第二の主役というか、美味しい位置だった。いいキャラだったなぁ。
三巻という紙幅をしっかり使いきり、主役も世界もちゃんと描写して、一人のキャラクターを完結させる。簡単なようでいて、とても難しいそのことを、この漫画はちゃんとやっていたと思います。BRSというキャラの強さもありますが、小波先生の丁寧な漫画力がやはり主力だったと、終わってみると思います。
ちょっとおしゃれな感じの世界デザイン、ややメッシーなエピソード、死人の話という叙情性。要所要所でしっかり働くパーツを、一話ごとに成長し前に進む主人公ロックと、ロックの髪の毛食べたい系女子デッドが繋いでいく。纏まりがよく、かと言って広がりがないわけでもなく、非常に良く出来た中編漫画だったと思います。個人的にベストキャラは、やっぱりデッドでごたる。