イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/06/30

 

・ キャプテンアース
バクくんの孤闘、後編。
救いもなんにもねぇ、というか話が始まった段階で既にどうにもならないお話でしたが、バクくんをしっかり描写できていたので、ただただ趣味の悪い話で終わらず、どうにも切ない寂しいストーリーに仕上がっていました。
やっぱキャラクターは、このくらいのモチベーション描写が欲しいところ。

「鬱々する→ちゅーする→ヒャッハーする」というノルマをこなすのに手一杯で、キャラクターの掘り下げが不十分なまま人間やめちゃった他のデザイナーズチャイルドに比べっと、やっぱバクくんのお話には共感もできるし、興味も湧く。
「剣闘士に修理能力」というミスマッチも、居場所と守護対象を無骨に求め続けたバクくんのキャラクターとマッチしていて、かなりの叙情性だった。
「ヤクザのコロッセウムでも自分の国」という矛盾もそうなんだが、今回の話は表面と中身を一見矛盾する仕立てにしておいて、根っこで合一させる作りが上手い。

八話以降の"遊星歯車装置スタンプラリー編"に俺が感じていた不満点で一番デカいのは、「そんなに簡単に人間辞めんの?」という部分であり、「俺の街」「俺の守るべき人」にしがみついて、何もいいことない人生をサバイブしてたバクくんの描写は、ズバッと入るストレートだった。
「夢」というのはこの作品の重要なメタファーだと思うので、遊星歯車装置の異能を「人間で在り続けるための、大事な夢」の維持に使った今回の展開は、一話だけではない残響を感じさせて、なかなか良かったなぁ。
やっぱ二話分時間を使えると、キャラと世界の関わりや、一回の事件とシリーズ全体の見通しの対比なんかがクリアに見えてきて、とても面白い。
……他の遊星歯車装置にも、この尺があったらなぁ。
せんないか。

スズケンとまぁや夫妻の、楽しいデザイナーズチャイルド集めもそろそろ終わりだと思うのですが、最後のエピソードでずっしり刺さるの入れてきてくれて、有り難い限り。
敵さんの兵力も揃ったわけだけど、こっから話がどう回るのか。
さてはて、楽しみですね。

 

・ 彼女がフラグを折られたら
旗立颯太と知らないオッサンの希望が、世界を救うと信じて……(ドワオ!!!)つー感じで、世界は無事救済されみんなは再び出会うのであった。
地上を法規無視で好き勝手に爆走していたドラッグカーが、レース終盤で海に向かって突っ込んでモーターボートにトランスフォームしたようなアニメでしたが、無事大団円を迎えました。
知らないオッサンの義人っぷりといい、そーたが死亡フラグ背負うに至った経緯といい、最終的に世界を救済しているところといい、ジーザスの話でしたね。
……世界は生きるに値することを、ヒロインではなく知らないオッサンが証明する展開はむしろこのアニメらしいな。

最終回はまーエンドマークでございまして、今まで積み上がった問題点をボカーンと突破(物理的に)しーの、設定開示しーの、ヒロインレースは茜さんが大勝利しーのと、しっかりまとめてました。
綺麗にまとまったかは……途中の路線変更ぶっちゃけ急だからな……色々伏線は貼っていたが、やっぱアレは急だ……。
俺は好きだがね!!


話全体としてみると、トンチキなみんな仲良し甘やかしなギャルゲ展開が、そーたの背負った劫罰へのカウンターウェイトとして機能するという、かなりヘンテコな構造のお話でした。
萌えマトリックスをバックボーンに、オンナノコとのキャフフにある種の必然性をもたせるというのは中々のアクロバットであり、上手く行ってたかはさておき、僕は好きですね。
キャフフに情け容赦ない所がほんとよかったですね……皆仲良くなり、仲良くなりたい(後期型実篤発進)

シリアスターンの角度は急でしたけども、もともとそういう構造を持ってるお話だったので、どっかで舵は切らんといかん。
ギャーギャーワイワイとコメディしつつも、要所要所でシリアスな側面は見せてきたので、個人的には急な感じはそこまで……いやちょっと……難しいな。
ぶっちゃけ急だけど、そのキチガイっぷりも含めて俺は好きだ、でいいか。

そう、好きなんですよこのアニメ。
キャラたちは優しくて可愛いし、いきなり壮大になる世界観も昔っぽくて好みだし、そーたは掛け値なしの善人だったし、その善性がちゃんと報われて終わったし。
かなりポジティブで誠実で、ぶっちぎりにキチガイなアニメであり、つまり僕のアンテナにズバッと直撃ということなのですよ。
よく出来たアニメかどうかは知らねぇ……多分結構考えて作られたアニメ……だと思う。
好きなアニメかと聞かれたら、大好きです、とても。
良いアニメでした。

 


・ ハチャプリ
長く続いたいおなのターンも一区切り、夏だ新アイテムだ販促だっつーことで、フォーチュン正式加入でございます。
自分の願いを棚上げしてまで、ヒメが真っ向からの平謝りしており、贖罪って大変だなって思った。
後いおなちゃんが「私……自分の気持、判ってたのに……」みたいなこと言ってたので、俺の脳内で『ススメ→トゥモロウ』が流れだし、空港でいおなに抱きついたヒメが「フォーチュン……ごめん! 私、プリキュアやりたいの! フォーチュンとプリキュアやりたいの!! いつか、別の夢に向かう時が来るとしても……行かないで!」って言った
やっぱあの姫レズ小娘、百合フィクションの歴史に燦然と輝く仇星だと思う。(プリキュアの感想でラブライブ、しかも一期の話する男)

ヒメ渾身の謝罪はちゃんと受け入れられ、いおなちゃんが世の中の道理がよく判った子で良かった良かった。
「あらゆることが叶う願望機」を前に、色々悩みつつ即物的な解決を願わなかったのは、女児へのメッセージとしてもお話としても面白いと思う。
まぁ此処で正解選択してお話終わっても、まったくもって面白くねぇからな。(生臭い話をしてぶち壊しマン)

さておき、あまりにも幻影帝国が全ての悪の根源のような言われよう……のわりに、扱いとしては断罪以外の道を残す立ち回りをしているので、そこら辺は今後掘り下げていくのだろう。
クソ厄介ゴッドことブルー様が、具体的に何して敵のBOSSが厄介なことになったのか、説明されてねぇしな。
あのクソ神……害意のないヒメが元凶として矢面に立っているが、二兆倍くらい碌でもないことが隠されてると思うね、俺は。

あと『プリキュア墓場の場所は、神でも知らない。なんか奇跡起こさないと辿りつけない」という衝撃の事実が判明し、あそこでフリージングコフィンされてるプリキュアたちの親や友達全員、1000人規模の神隠しに巻き込まれてんだなという戦慄に襲われる。
多分あの世界では、駅前で「プリキュアしている時に消えてしまいました。探しています」というビラを手渡されたり、牛乳の側面広告に消えたプリキュアの姿が描かれていたり、すげー気まずい光景が日常的に描写されている。
つーかブルー様よー、スナック感覚でスーパーパワーばら撒くのはいいが、必死に戦った挙句負けて、変態に異次元ハイエースされて絶望のままに凍結刑され放題な少女たちの現状に対して、なんか思うところない?
知らない? ああそう。

来週はチームに加入したいおなの日常回っぽいですけど、歴代のクール系途中参加戦士は仲間になった瞬間フニャフニャになっており、いおなもそんな感じのオーラが予告からムンムン。
このへっぽこ重力に抵抗できたのはゆりさんだけなのですが、少しはへっぽこに為っておかないとラストでなんにも解決しないまま戦士から戦場が奪われるハメになるので、思う存分美しきナマクラしておけばいいと思います。
ハートキャッチは良いアニメやったんけどな……ホンマゆりさんの扱いだけは……ホンマ……。

 

・ 神々の悪戯
楽しい学園生活フェイズは終わり、クライマックスなので戦闘しますという最終回。
ぶっちゃけ唐突なバトルなのだが、一話アバンからAパートの構成と巧く被せることで、綺麗に落着するように作っていた。
ヘンテコ力に全振りしているように見えて、ホント堅実なところ堅実なアニメだったな。

バトルの方は神話級のエネルギーが唸り、ド派手な遠距離攻撃が炸裂する良い作画。
ここでオマケ程度の気合だとホントガッカリですが、超気合入れて煽り抜きで超かっこよく仕上げる辺り、製作陣は解ってる。
ココらへんも一話アバンの「???」感を逆手に取っていて、上手い作りだと感心。

ヒロインレースはユイちゃんロキちゃん、ダブルヒロイン体制でフィニッシュでした。
寝てるだけのヤンデレバルドルに、乙女ポーズで尽くすロキちゃんのヒロイン力は、最後までスカウター破壊クラスだった。
ユイちゃんも安易にゴッド力に目覚めるのではなく、今まで積んできた好感度を武器に、人間代表っぽい戦い方しててよかった。
頼れる主人公だったなぁユイちゃんは……。

トト様が宇宙一かっこいい壁ドンカバーリングを魅せつけてたり、日本組の変化が好ましかったり、細かいネタの拾い方も最後までしっかりしてた。
エンディングもラスト一分でハッピーエンドに引っ張って終わらせ、過不足のないアニメらしい、丁寧な最終回でした。
いやー良いアニメだった。


全体的に思い返すと、イケメン回転寿司としてネタを光らせ、好感の持てるグッドガイズとの学園生活を楽しく見せてくれました。
やっぱ、好感度低いところから関係作っていく乙女ゲーはいいなぁ……お話の盛り上がりが、巧く登場人物の心境とシンクロするのがいい。
男たちが一皮剥くと気持ちのいい奴らだったのも、凄くいいですね。
恋愛モノというよりは青春モノだったので、爽やかな男たちがキャッキャしているのは、ジャンルと噛み合ってて良かったのではないかと。

無論丁寧なだけではなく、ぶっ飛んだ部分は成層圏までかっ飛ばす火力で濃い目に味付けしていたのは、面白くてよかった。
「ウケは真顔で取れ」という鉄則に基づき、甘えないトンチキ描写で話を盛り上げてくれました。
ほんと乙女ゲーの発想力はすげぇよなぁ……ネジの外し方が尋常じゃねぇ。

神様というスパイスも丁寧に拾っていて、毎回の細かい神話ネタ探しとか楽しかったですね。
ラストのバトル展開も、「ラグナロクならしゃーなしだな!」って俺はなったし。
「神と人間の交流」というお題目も、結構真面目に拾っていて、いい背骨になっていたと思います。
全体的に強い所が沢山あって、それを振り回す足腰もしっかり鍛えてあって、よく出来た楽しいアニメだったと思います。
良いアニメでした。