イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

機動戦士ガンダムUC RE0096:第2話『最初の血』感想

ガンダム? 1話のアバンでちゃんと出たでしょ!! 今回は難しい顔のオジサンたちが難しい話する回よ!!』とばかりに、早起きキッズのロボ欲求を見事にぶん殴る系アニメ、第2話であります。
姫様好き好き病にかかったバナージくんは見事に袖にされ、『箱』とやらを巡って様々な勢力が動き出し、コロニーの人達は一瞬で地獄に叩き落とされるという、どっちかっつーとクライマックスへの繋ぎなお話でした。
モビルスーツ戦もビシバシやってたけど、オジサンたちの難しいお話に集中するには、あんま見れないからなぁ……二回見よう。

前半はバナージくんと姫様の甘酸っぱい出会いが思う存分演出され、主人公がややこしい自体に首を突っ込む理由が醸造されていました。
『理屈はよくわからねぇが、姫さまは可愛いし健気だし気高いんで惚れたッ! 助けるッ!!』というバナージ君の真っ直ぐさが、俺にはとても眩しい。
デート自体の尺はあんま長くないんだけど、庶民の暮らしをさっぱり知らない姫様のチョロ蔵っぷりと、建造途中のコロニーというセッティングが良い。
クッソめんどくさい因縁に捕らわれた大人に対し、若い二人には(まぁ色々重たいもんはありそうだけど)苦難と希望と真っ白な未来が待っている。
そんな二人が心を通わせる背景として、同じく未来に向かって日常を胚胎して伸びるコロニーを配置したのは、良い象徴だなぁと思いました。

姫様はバナージくんを素気無くフッてたけど、それも『箱』を巡るややこしい事情に巻き込みたくない高貴さ故だろうし、『ふざくんな! 金貨貰って家帰るパズーじゃねぇんだぞ!!』とばかりにバナージくんが奮起する前フリだと思うので、必要なツンだと飲み込める。
『箱』の正体は全然わかんねーとぶっちゃけつつ、それはさておき戦争はヤバいので控えたままにしろ! と身を呈して説得に来る辺り、姫様はノブリス・オブリージュを理解している存在だと思う。
可愛いしね、ホットドッグ食べてぽわ~むする所とかね。
追手を捌くシーンで仗助ばりの冷静さを魅せつけたバナージくんとは良いカップルになると思うので、今後も仲良く大人たちのエゴイズムに飛び込んでいって欲しいです。


んで、難しい大人達は利益と因縁と秘密と暴力で雁字搦めになって、一般人の人生巻き込んで喧嘩を始めた。
いろんな人達がワッと出てきて状況を把握しきれていないが

・『箱』を実際に握っているカーディアスとビスト財団
・謎に包まれた『箱』の力でジオンを再興したい残党テロリスト『袖付き』
・それを追いかけてきた連邦(ロンドベル隊?)
・巻き込まれた市民(バナージくんはこれ代表か)

という勢力が、今表に出ている感じか。
MSの残骸が人間押し潰すのも厭わず、コロニー内部に先端広げる連邦のクズっぷりは最悪だし、一見物分りの良い印象も受ける『袖付き』だってテロリストだし、正義も大義もなんにもねぇ武力衝突だな……。

青いメタスと武骨な新型ザクとの戦闘は泥臭くてよかったが、戦火がコロニーに広がるに従い、どんどん笑ってられない感じに。
この『ジオンも連邦もマジクソだな! 人間殺す言い訳に大義使うな!!』という感じは、正しくガンダムしていて良い……生々しい虐殺見てっと、あんま良いとはいえないけど。
かっこいいメカ戦一本で綺麗に収めるのではなく、生々しい犠牲をちゃんと描いて『なんかおかしくねーかこの状況』と視聴者に感じさせることは、その気持ちを共有してくれるだろう主人公たちを頼もしく思う足場にもなるので、大事なことだと思う。
今後のお話の生臭く展開するだろうしね……組織も既得権益もイヤってほど山盛りで用意されてるしさ……。

『箱』はその中身が重要ではなく、それを追いかける運動それ自体が物語の骨格になるマクガフィンだと思うので、現状中身に関しては気にしていない。
バナージ&姫様の主人公コンビの知識レベルはちゃんと視聴者と同じ所に据えられているので、お話で必要になったら、必要なだけ情報が開示されるであろう。(どっしり構えて次の球を待つ)
ビスト財団が『連邦さんイイんかワレ、『箱』開けるで』という脅迫稼業でのし上がり、そのシノギを捨ててまでカーディアスさんは何かを変えようとしている、ということは把握したし。
ジオン再興という大義を『一つごと』と切って捨てられる辺り、箱の中身は案外空疎ではなく、相当なヤクネタが詰まってんのかも知んねぇな……。

露骨に『これから薄暗い仕事します。劇エヴァの戦自みたいな虐殺します』と宣言してた、潜入用ガンタンクも写ってたけど、隠す気がない大規模包囲戦を展開しているロンドベル隊とは、如実に狙いが違う感じ。
髭のオジサンがツッコミ入れてたように、『箱』を手放しちゃったらビストのシノギがやべーことになるので、既得権益を守りたい連中が色々やってんのかね。
カーディアスおじさんが死んでボーボー燃え、バナージくんが因縁を背負ってユニコーンで立ち上がる未来はもう確定しているので、おじさんの大義を理解できなかった連中が横槍入れてくる感じかねぇ。


というわけで、主人公たちのモチベーションを整理しつつ、混乱した状況が無辜の血を流しながら加速する回でした。
現場かなり状況がこんがらがっていますが、バナージくんと姫様への好感度は高いし、地獄めいた市街戦の混乱自体が興味深く描かれているので、視聴意欲はいや増していく。
来週さらなる勢力が横殴りをかけ、混乱した状況はさらに加速しそうな予感ですが、さてはてどうなることか。
このアニメホント面白いなぁ……みんなも見ようね!!(八年間周回遅れマン、しつこく挨拶)