いつからこのアニメが人間は無力なクリーチャーホラーだと錯覚してた……? なアニメーション、今週は奇獣狩り内紛。
往年のヒロイン力を一気に取り戻した番場先生が8分間寝っぱなしになるなか、新キャラの少女と1stシーズン以来の登場となった片腕ババアの激戦が繰り広げられました。
猿楽も内紛してるし、どこもかしこもゴタツイてるなぁ……その嵐の中心から微妙に主人公が外れているのが、影鰐らしさ(つーか番場先生らしさ)かもしれんな。
劇メーションという手法を選んでいる関係上、『動かす』というのは影鰐のあまり得意な表現ではありません。
『動く/動かない』ではなく『見せる/見せない』で盛り上がりを作れるホラーという題材を選んだのも、そこら辺が理由だと思っているのですが、今回の影鰐は伝奇異能アクション(しかも人対人)
カット割りと作画の妙味を駆使し、スピード感と意外性ある殺陣を構築し、動かないものを動かして真っ向勝負を仕掛けてきたのは、本当に凄いなと思いました。
ババアの片腕をハンディとするのではなく、殺陣のバリエーションを増やす素材として使ってるのが凄く好き。
イカす戦闘は他人に任せて、番場先生は安定のヒロインムーブでしたが、因縁も恩義もあるババアが身を挺してかばってくれたおかげで、奇獣狩りの少女との因縁も深まりました。
奇獣絶対殺すウーマンである少女と、奇獣人間である番場先生は相容れぬ存在なのかもしれんが、ババアの命を捧げた以上、なんかポジティブな結論にたどり着いて欲しいね。
ババア言うところの『過ち』ってのがどういう意味合いなのかが、二人の間に橋をかける鍵になる気がする。
……影鰐でキャラ間の人間関係とか、ストーリーの今後とかを超気にしている現状に、驚きと喜びがムクムク湧いてくるぜ。
番場先生が屋上で寝込んでいる裏では、猿楽の暗い内情と木村の番場先生好き過ぎ病が暴露されていた。
まぁあんだけの事件が起きれば、木村も降格されるわな……。
木村が仲間ポジションに収まった以上、誰かが『話ができる悪いやつ』を担当しなければいけないわけで、本間さんは今作のラスボス候補になる感じか。
ここら辺は事情の説明だけしておいて、話を膨らませて刈り取るのは今後ッて感じだね。
一期は『正体不明の悪の組織』って感じが強かった猿楽だが、味方になってくれるとお空から助けに降ってきてくれるわ、情報は色々集めてくれるわ、頼もしくてしょうがない。
木村も色んな表情を見せるようになって、奥行きのあるキャラクターに育ったと思う……体はメカだけど、人間らしい反応が増えた。
今後も(少なくとも木村派は)協力的な関係で行くのか、はたまた最後のガラスをぶち破って自由を手に入れるのか。
人一人が希望を託して死んでいったので、いかに番場先生にヒロイン役が似合うとはいえ、己の両足で立ち上がって欲しいものよな。
逆襲への期待をキッチリ煽るべく、徹底的に番場先生に泥を舐めさせるスタンスは好きだな……木村も態度を軟化させとはいえ、実験動物扱いだしね。
そんなわけで、中盤の一大イベントとなる奇獣狩りVS奇獣狩りでした。
人間たちの『顔の見えるドラマ』が二期は非常に濃くなっていて、話が今後どう転がるのか、目が離せない感じですね。
影鰐もう一つの魅力である、奇獣を主役とした『顔の見えないホラー』もリキ入れて展開してくれると思うので、そっちも楽しみだ。
いろんなジャンルを横断し、様々な表現手段も的確に使いこなす、ショートアニメの怪物『影鰐』。
そのポテンシャルがどこまで花開くか、期待とともに見守りたいと思います。