イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

初恋モンスター:第7話『届けたい思い・・・・・(トイレに)』感想

純愛(ピュアラブ)と下ネタがゴロッと交わるハイテンションコメディ、今週は不審者と探偵団。
頭の弱い流れで奏と夏歩が別れ、バカガキ共はツッコミ不在で少年探偵団ごっこをはじめ、メインヒロインは不審なストーカーとして臭い飯を食うお話でした。
こうして書き出してみると本当にヒドいな……制御できそうな大学生は、面白がって状況をヒドくする方向に情熱燃やすし……。
まあキャラクターに搭載されてるニトロを燃やしきるまで止まれないタイプの話なので、思う存分暴走するのが笑い的にもOKでしょう。
その結果小学館とトムスに怒られたとしても、それはそれだ!!

つー訳で、Aパートは流れで別れる(?)ことになったメインカップルの整理。
別れるって言ってもギャグの一貫というか、奏自身は真剣なんだけどあまりにバカ過ぎるせいで引き起こされている事態であり、戻そうと思えば一瞬で戻りそうなので安心というか。
どんなにトンチキでも、バカ小学生とストーカーのカップルでも、お互い好きあってるのは事実なわけで、その気持ちが消えてないならまぁなんとかなるだろうと、ヤキモキしつつ安心もしている、不思議な感じだ。
俺はあのカップル好きなので、『まぁバカだけど、大丈夫だろう』と安心できるのは、個人的にすげー大事。

奏と夏歩の恋心のギャップは、コメディの源泉であると同時にお話の核心でもあるなかなか難しい題材で、復帰する可能性をポジティブに保持しつつ、宙ぶらりんな状態で話を引っ張る捌き方はなかなか良いと思う。
ココらへんをガチに踏み込みすぎると、下ネタキチガイコメディの勢いが落ちるわけで、なかなか難しい。
クソ小学生である奏のアホさを笑うだけではなく、メインヒロインを犯罪者に落とすことをためらわず、汚れ役の道化として使い倒す姿勢は、コメディシーンでも夏歩の存在感を消さない、良い使い方よな。
汚れる覚悟のなかった同級生の眼鏡、ツッコミ役として弱すぎてフェードアウトしてったからな……夏歩がヒロインと言うにはあまりにドギツイキャラしているのも、このお話においては大事だろう。

ドタバタと状況を進めつつ、耕太が誠実なこと言ったり、奏にとっての母親の存在感を確認したり、大事なことをちゃんとやっているのは流石。
キチガイギャグの勢いで忘れがちなんだが、一応このアニメ『イイハナシ』でもあって、ネタとネタの合間にこういう地ならしをしっかりやっておかないと、人情味でキメるシーンが刺さらなくなるからね。
『奏は死んだお母さんの操り人形じゃん。マザコンじゃん』という視聴者のツッコミを、敦史の口を借りてキャラクターに叩きつけ、ちゃんと答えを出して今後に備えておくところとか、非常にしっかりしている。
ここら辺の地ならしが効いてくるのは、まぁ先の事になるんだけどさ。


たまにいいこと言う敦史だが、Bパートは暴走するバカどもを制御するどころか薪をくべる仕事に精を出して、ブレーキとハンドルの壊れたガキどもが延々暴れる展開。
一男の執事と名乗るタチの悪い変態も追加され、ルパンとコナンと金田一の合わせ技で笑いを取ってきました。
ホントこのスタッフは、原型わからなくなるくらいに混ぜたパロディを、矢継ぎ早に叩きつけるのが好きだな。
『関西弁』という共通点を活かし、譲二に服部役を振っているのが、パロディとしては小憎らしいところだ。

一男は恋で頭がおかしくなってるし、敦史は煽って楽しむことしか考えていないし、耕太は主導権握れるほど自己主張できない。
バカ小学生を制御する役がいないので、『一男の恋を成就させよう!』という目的は気づけばどっかに行って、ノリと勢いだけで突き進み気づけばよくわかんない場所で立ちすくむ展開になってました。
まぁ12歳男子とかマジノリと勢いだけで脳髄構成されてるんで、奴らに任せればこうなるって話であり、コメディはこれで良いという話でもある。

笑いにはメリハリが必要なので、今回のような話一本で進むより、合間合間に(一応)ガチ恋を挟むというのは、お話の構成という意味でも大事なのだろう。
ハイテンションに暴れ尽くした後は、夏歩が話に絡んでキュッと〆てくるし、シリアスが続いたらバカガキどもを暴走させる。
緩急の聞いた話づくりを達成するためにも、この話の『大人』担当で何かと真顔になりがちな夏歩を小学生から引き離して、バカを思う存分暴れさせるフェイズがここで来た……のかなぁ。
俺はこのお話、天然に見えてかなりコントロールされている(しまぁ商業ベースにアガる物語は九分九厘そうだけど)と感じているので、大暴れな話がここで来るのは狙った配球だと思うけども。


そんなわけで、メインカップルが別れた裏で、バカガキどもが元気に弾むエピソードでした。
小学生が浅はかな小学生マインドで大暴れするのはこのアニメのメインエンジンなわけで、ブレーキぶっ壊して走りぬいた今回は、作品のポテンシャルを確認する良い回だったと思います。
ほんとアイツら、保護者がいないと頭弱いことしか言わないな……そこが面白いんだが。

んでもって現状は、別れても心は繋がっていて、しかし12歳のバカさを乗り越えるにはシリアス力が足らない感じ。
このままコメディが走り回る状況をしばらく維持するのか、はたまた夏歩にシリアスな行動させてラブコメ方面に舵を切り直すのか。
今後の話運びも気になる、初恋モンスター折り返しでした。