イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第121話『めざめよ! 女神のドレスデザイン』感想

女の子の夢をたっぷり詰め込んだショウ・ケース、今週はドぎつい販促ノルマをこなすよ!!
ノンシュガー周りの話も一段落、児童向けアニ特有の販売促進回でした。
明るく楽しく賑やかにのプリパライズムを売り込むべきアイテムを楽しそうに見せるだけではなく、シオンとドロシーの反目、その間を繋ぐレオナの描写も隙なく織り込んで、ユニット&キャラ回としてもしっかり仕上げるのは、プリパラっぽいなぁと思いました。
やっぱドレパはイイなぁ……なんだかんだ、ドロシーがシオン好きすぎるのが良い。

つーわけで、今回は3DSソフトの販促を兼ねて、みんな自分でドレスをデザインする話。
自由と言ってもあくまで実際の商品に寄せたセレクタブルな作り方で、ゼロから鉛筆持って自分で仕上げるってわけじゃあないんだが、逆にそのお手軽な感じが、デジタルテーマパークとしてのプリパラっぽくもあり。
ここらへん、キャリアメイクの一環として生々しいネタも入れ込んで衣装を扱ってきた無印アイカツと、明確に違いがある部分だと思います。

基本的に今回のイベントは気楽な祝祭であり、ソラミを筆頭に各チーム仲良く楽しく自分たちらしく、笑顔で発表を迎える流れ。
まるでTV通販のようにドレスデザインの流れを解説し、的確に驚きの声を上げるソラミのディーラーっぷりは面白かったが、まぁプリリズ時代から販促回は露骨だったな。
あえてガァルマゲではなく、ラブデビデザイナーとしてのあろま&みかんと、こういう祝祭でしか制服を着ることが出来ないボーカロイド組に切り分けて料理する扱い方も、結構好きです。
レア衣装って意味では嬉しいんだが、その奥に秘められた文脈を考えると、制服コーデは両手を上げて大喜び、とはいかんわね。
肩の力が抜けたエピソードの中で、こういう針を仕込んでくるあたり気の抜けないアニメである。

順調に一つにまとまるチームもあれば、歩み寄りの気配が見えないノンシュガーとか、シンプル至上主義とゴテ盛りデコラティブが対立するソラミみたいなチームもあって、一様ではない。
ノンシュガーのギャップはこれから埋めるための、シオンとドロシーのじゃれ合いは間に立つレオナの器量を際だたせるためのものであり、ネガティブな要素をポップに調理して、作品独特の味に生まれ変わらせるのも、またプリパラらしさだと思う。
今週もドロシーの毒舌はキレッキレであり、あの子が手を緩めないからこそ、プリパラは新鮮であり続けられると思い知らされた。


とは言え、『みんなトモダチ』というピースな空気を取り戻すためには誰かが奮闘せねばならず、今回はレオナが目立つ話でした。
『天ざる』『めんつゆ』というトンチキな例えを使いつつ、強烈な個性の間を取り持ち、ユニットを成り立たせるサポーターを主役に引っ張り上げて、その魅力をちゃんと描くのは、レオナが好きなファンとしてはありがたい限り。
自分を強くする個性も、その間を取り持つケア担当も、それぞれいろんな個性が噛み合ってのユニットであり、プリパラであるという感じかな。

今回の話は誰かが良いトスを上げたというよりは、わりとレオナ個人の人徳で回っている話で、普通天ざる食べて『私が三人をまとめれば良いんだ!』という悟りにはならない。
あくまで販促回であり、キャラの押し引きにあまり時間を使えない事情もあってか、ネタの強さで押し込んだ感じもあるね。
でもレオナの凄まじい直感にコスモがやや引き気味だった所とか、パワーで押し込みつつ自然なリアクションをちゃんと盛り込んで運んでいくのは、良いぶっちゃけ方だったと思う。

あと地味に……というか露骨にレオそふぃ回でもあって、恋だと明言しないままなんとなくいい感じに仲良くなって、気づけば親族の後押しまで貰っている二人の関係が強くクローズアップされていた。
レオナは善人なので、コスモさんに気に入られて実家で飯食うようになってても納得行くし、むしろドンドン進展しろって感じだけどさ。
人当たりの柔らかい二人を見ていると幸せな気分になるってだけでなく、ドレパの問題を解決するヒントがユニット外から出てくる流れは、『みんな』に対して開かれているからこそ可能な展開で、非常に良かったです。


そんな感じで、販促とファンサービス、キャラの掘り下げを過不足なく盛り込んだ、ハッピーでピースフルなお話でした。
お商売の都合ってのは当然アニメにつきまとうんだけど、それを乗りこなしつつ、自分らしいテイストを随所に盛り込んで楽しませてくれるのは、やっぱプリパラ強いなと思います。
二年強積み上げてきた作品全体のトーン、キャラ個別の個性を組み上げてしっかり仕上げた、手堅いエピソードだったと思います。

んで来週は、我らが主人公・真中らぁらの誕生日エピソード。
去年は濃厚ななおらぁ友情エピソードをぶっ込みA子を完全敗北させていましたが、今年はメインに躍り出た妹・のんちゃんとぶつかり合う感じ。
のんちゃんが深く描写されると、ノンシュガー関係の話が進む足場が確保できるわけで、そういう意味でも気になりますね。