Re:CREATORSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
創作が現実に逆流する異常現象はさらに加速、原作者と魔法少女とスタンド使いが場面に出てきて、それぞれのリアリティが衝突を引き起こしてさぁ、どうなる、つー第2話。
メテオラ殿の解説なども交えつつ、混沌が勢いを増していくお話だった。
『創作物が現実にブートされる』という基本ルールだけは理解したが、各キャラの目的やら話の根源やらは未だマスクデータのままで、イマイチ飲み込めない現状。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
解説役のメテオラ殿が口調分かりにくいので、説明してるのにさらに頭がこんがらがるのがスゲーと思うが、狙ってやってんだろうか。
メテオラ殿の言語を翻訳すると、『創作世界は現実に存在していて、作者はある意味巫女としてその物語を受信し、現実に描き出している』というロジックもあるけども、『現実世界はリアリティが高いので、創作世界にそれが溢れ出して世界が創設されている』というロジックを支持、というところか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
作中の創作世界(なんてややこしい言い回しだ)が実際存在しているか否か、デリートキー一発で消せるか否かってのは、キャラクターの尊厳に関わる大事なところだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
登場人物の要請で物語を書き換えたら、簡単に書き換わる世界に尊厳はあるのか。そこで展開される生き死には? そういう疑問。
それはさておき、最上階層に位置する『現実』はぶっ壊れたものは戻らず、死人は死人のままの世界である。都合の良さが排除されたルールで展開する、大して面白いこともないが絶望的過ぎもしない、緩やかな現代日本。それがこのお話の支配するルールだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
凄まじい文字量のメテオラ語りは正直言葉で言い過ぎだと思うが、その裏で展開している『創作人間二人と現実人一人、東京を歩く』の絵はとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
作画に力を入れ、美麗でキメの細かい『ありきたりの現実』のなかを、フィクショナルな存在が歩いている浮遊感と接地感。良い目眩を感じた。
その後、リアリティのもう一つの顔を魔法少女を使って表現することも含めて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
散歩の中で切り取られた、創作物とは質の違う生々しい美しさ。放っておいても世界の裏の裏まで描画されている、圧倒的に作り込まれた創作物としての『現実』
その美しさは、死と破壊がリセットされない都合の悪さと直結だ
まみかは下層である"マジカルスレイヤー・まみか"のルールを書き換えないまま、そのルールが通用しない上層構造"現実"でハート型の暴力を乱発し、傷をつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
その無知は、いいタイミングで乱入してきた弥勒寺がレイヤー構造を理解していることと、良い対比を為している。
様々な創作世界から選び取られたキャラクターたちは、それぞれ世界の多層構造への理解、それを支配するルール(とメタルール。なぜ創作世界からキャラクターが飛び出したのか? などの)への理解が異なっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
そのギャップが暴力とアクションを呼び起こすのだろうし、話の軸にもなるのだろう。
セレジアと松原さんの邂逅はその一環だろうし。思わず『"ウルフガイ"かよ!』とツッコんでしまったが、この道具立てならそら『作者』はださんといかんよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
『創作物は何故創作されるのか』というところに突っ込むことが、キャラクターの存在意義への問いかけにもなるだろうし。
この話は転がしていくうち、自己言及も含めて『何故わざわざ、人はモノを作るの?』という問いかけに答えないといけないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
わざわざ悲惨な世界やら、楽しい世界やら、ワクワクする世界やらを想起し、共有し、消費し、完結させる人間の業は、そのままキャラクターが生まれた意味に直結する。
その時、借り物やありきたりの結論ではなく、Re:CREATORSのみの答えを出せるか、否か。自分たちがわざわざ作り出した『創作が現実に溢れ出した世界』に、納得行く答えを返せるか、否か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
多元世界の面白さ、色んなキャラの群像劇的楽しさ以外に、ここに太い答えがほしい。
そういう目線から見ると、作品ルールの根本を語り、創作物へのスタンスを示すだろうメテオラの言語がかなり理解しにくかったことは、ちと惜しいかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
それがメテオラのキャラだとしても、コアの部分を簡勁にまとめ、『この話はこういう話です』とシンプルに打ち出して欲しかった。
加えていうと、まみかが背負う""魔法少女""児童向け"というジャンルをどう扱うかも、正直少々不安である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
今回のまみかの描かれ方は『現実』が認識できていないバーサーカー、身勝手なルールを他人に押し付ける狂人(もしくは子供)ってところだと思うが、その立ち位置からいつ抜け出すのか。
現実と違うルール。血が流れず、対話が可能なルール。創作にそれを持ち込む理由は、一つには辛い現実から創作世界を逃避、もしくは保護し、現実からかけ離れた桃源郷を作るためだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
それと同時に、創作だからこそ可能な『こうあって欲しいなぁ』という祈りもまた、込められているはずだ。
そういう祈りをどう拾い上げるか。まみかというキャラクターをどう変化させるか。それは祈りと逃避の織物として作られる『女児向け魔法少女』というジャンルを、このお話がどう語るかにも直結してくると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
女児アニというジャンルを好む人間としてはそこに怜悧な視点と、誠実さが欲しくもなる。
まみかはこのまま、ルールとレイヤー構造を認識できない愚者として描かれ続けるかもしれないし、ジャンルに込められた祈りを背負い、現実に魔法を持ち込むキャラクターに成長するかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
その変化はこの物語内部での一キャラクターを超え、ジャンル全体に波及する。そういう構造のお話だ。
これはまみかだけではなく、他の全キャラクターに言えると思う。背レジアの行動はファンタジーロボアニメの、メテオラの言動はMMOの、少なくとも一部を代表する形になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
このお話は、そういう構図を選び取った。キャラの書き方・使い方は相当に面倒くさいだろうな、と思う。
無論、まみかは『どこにもいない』キャラだ。メタ構造特有の濃縮化が起きて、彼女は""女児向け魔法少女"の極端な一側面を背負う形になっていう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
具体的にいうと、愛と勇気のお伽噺は、実際見てみると案外都合が悪いし、対話不可能性に対して大概よく考えている。
『女児アニ魔法少女ってまぁ、ボコボコ殴ってるのにその痛みは被害には都合よく目をつぶって、反省もしないもんなんでしょ?』みたいなステレオタイプを、おそらくあえて背負ったまみかが、その戯画とどう戦うのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
製作者があんま意図していないかもしれないその戦いが、個人的には非常に気になる。
僕の目がまみかに引き寄せられるのは、背負うジャンルが興味領域だというだけではなく、目的が明瞭だからかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
『作者に文句をいって、創作世界から悲惨を消す』というまみかの目的はクリアだが、他のメンバーはそこがよく見えない。この現実に放り出されて何がしたいか、まだ判らない。
無論、巻き込まれた無力な一般人である颯太少年にとって、状況は自分の力を超えて進展し、流されるしかないものだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
セレジアやメテオラにしても、自分をこの世界に押し出したルールはさっぱり分からないまま、出来る範囲で色々やっている段階なのだと思う。
しかしま、作中の『現実』を外から眺めている側としては、各キャラクターが何をしたいのか、何が許せないのかは、早めにクリアにして欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
それは設定や世界観で溺れさせる以上に、物語に入っていく上で大事な手がかりだと僕は思うので。
そこ詰めれそうな状況になると戦闘始まるからなぁ現状…。
創作物中の創作が、創作物中の現実に溢れ出す様子を、現実から見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
ねじれたメタ構造の中で、各キャラクターの理解と行動がズレていて、その軋みが物語の原動力になるということが判るお話でした。
見取り図は見えたのでそろそろテンポを落とし、キャラの根っこをズドンと叩きつけて欲しいところ。