シンフォギアAXZを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
臨海大決戦! 三幹部というカードを伏せ、持久戦を強いるパヴァリア光明結社に対し、SONGはマリアの精神世界を突破し、リンカーを完成させて数的不利を覆せるか!! という回。
戦術の押し引きだけではなく、過去作の要素を拾ってアンサーを返す展開に満足感大。
先週から引き続き、マリアの精神世界と現実世界ので戦闘、二正面で展開する今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
マリアルートでの自我確立→リンカー領域確定→FIS組奏者復帰→数的不利の覆しと、二つの戦いがしっかりドミノ倒しを起こし、勝ちが勝ちにつながって展開する辺り、満足度が高い。やっぱ繋がらんと面白くない。
直近二話はGで拾いきれなかった『孤児としてのマリア』の再話でもあって、マムにDVされてたトラウマに物理的に分け入って、キャラを前進させる話になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
今回フォローアップを入れるのならば、腐れDVアマとして描いてたのも納得がいく。というか、トラウマに囚われていたマリアの視界の反映か
大いなる善のために悪を任じ、悪を貫く。結局FISは善人のおポンチ人間ばっかだったので完遂はできなかったが、かつて信じた理想ではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
殴った側の痛む拳を隠し、拉致ったガキをなんとか使い捨てしないよう頑張ったマムは、世界反逆者・マリアの先達でもある。ストックホルム症候群ぽいけども。
基本勢いで押し流しつつ、『味方っぽくなってるけども結局、ガキ拉致って人体実験してたんでしょ?』という当然のリアクションを拾い直して、問題を無視するのではなく作中で答えを言っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
AXZは過去作への批評という側面が強くあり、かつそれが非常に良く機能していると思う。
道を違えた同志たるウェル博士の導きで、今回マリアはマムと和解する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
メインがマムなので見落としがちだが、瓦解した理想の前景として、FISで共有した日常全体を肯定する形になったのはなかなか良い。トンチキ英雄志願者だったけど、博士だって仲間ではあったのだ。
今回の語り直しは、マリアが失敗した過去、虐げられた思い出、父母的存在へのコンプレックスを肯定する話であると同時に、色々迷走もしたGをそれでもシンフォギアが肯定するエピソードだった気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
正確には、それでもシンフォギアが好きな僕が、Gの拾いきれなかった部分を拾い直す、か。
精神世界へのダイレクトダイブという力技で解決しつつ、『伸ばした手』というモチーフを細かく使って、マリアの弱い部分を繊細に見せたり、『振りほどかれたらどうしよう』という恐れを既に乗り越えていることを、エルフナインに伸ばした手で示したり、細かい表現が光るエピソードでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
リンカーが作用する領域が『愛』なのは、Gの名セリフ「何故そこで愛ッ!?」への自己言及だろう。再び出てきたバラルの呪詛といい、やっぱAXZはシンフォギア・サーガ全体を語り直し、再調整する意図が強く感じられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
長く続くと色々無理も出てくるので、正しくありがたい運び方だと思う。
リンカーが爆速で完成し、最高のタイミングで復活のFIS組がカバーに間に合う。ここらへんは『熱い展開のためのご都合』というやつだが、一応『作用領域さえわかればOKってとこまで、作業は終わってる』という描写はこれまでやってある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
無茶を通すためのロジックを頑張るのも、AXZの強さか。
設定上『弱くて穴がある』キャラとして作られたFIS組は、シンフォギアが長く続く内、戦いを続ける必要とキャラ設定の縛りがぶつかり続け、なかなか難しい立ち位置にいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
今回のリンカー完成に至るまでの道のりは、創作の都合と作中の事実をすり合わせるために必要だったのだろう。
凡人としてウロウロした結果、『ヒーローに必要なのは、敵を倒す圧倒的な異能ではない』『凡人でも、心の力を振り絞り誰かを守る強さは持てる』という、ベーシックなテーマをFIS組が体現することも出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
復帰戦が仲間を、リディアンという日常の象徴を守る戦いになったのは、いい総括だった。
結果としてリディアンはマリアがカバーしたわけだが、一番縁が深い響が行ってもおかしくない局面。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
しかしそこで大義に踏みとどまり、エゴを抑えることで成長を見せたのも、良い描写だった。『行っていいんだぞ?』と、否定されることで決意を示させるためにいいトスを上げたクリスの技量が光る。
流石に三期やって、前期ではさんざん個人的なエゴイズムに悩んだ響。あそこでグダグダされても『またかよ』感がハンパなかったので、信じて踏みとどまったのは良かった。構えたミットにズバンと、欲しい球が来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
未来さんカットインが入ることで、心を完全に殺しているわけではないと判るのも良い。
基本的に英雄の物語は倫理の優劣、精神の強度を比べ合うものなのだが、だからといって物理的戦闘をないがしろにしていいわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
ハードで油断のない戦いがあればこそ、試練は試練として機能する。
なので、今回三幹部が徹底して奏者のスタミナを削ぎ、分断して数で押したのは良かった。
何しろ物語的蓄積が多いので、アルカノイズ風情が奏者を圧倒するのは違和感がある。なのでしぶとさに極振りし、強みである連携を分断して追い込んでいく使い方は、『おお、こういうのがあるか!』という感じだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
数で押される不利を、FIS組復活という『数の追加』で跳ね返すのも良い。
陸のマシンサキモリ、海のホバーサキモリに続き、空のサキモリコプター。三領域制覇の万能ユニットと化した翼センパイとか、クスグリも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
毎回フレッシュなアクションを頑張って入れて、新鮮味を維持しようと努力してくれるのがありがたい。やっぱそこ大事だよなぁ…アクション作品なんだから
三幹部戦も、敵ながら見事な連携でお互いの死角を補い戦う姿が印象的で、ただの悪役とは違う印象を強くした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
響が対話モードに入ったので、その足場となる共通項をちゃんと見せるのは大事だ。
通じる部分もあれば、譲れない部分もある。命を燃料に理想を追うか、背中に背負った命を守り抜くか。
色々トンチキやりつつも、過去作への言及と再話とか、テーマ性のブラッシュアップとか、敵さんの事情の見せ方とか、物語の土台を組んできたAXZ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月5日
FIS組も無事復活。非常にいい燃料消費具合で、三幹部との正面決戦と相成った。整った舞台でどんなケレンが舞い踊り、正義が歌われるか。楽しみだ。