ボールルームへようこそを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
まこちゃんとカップルを組むこととなった多々良だが、いまいち熱が入らない。主役が色んな人の導きで、『何故ダンスなのか』という問に確信を持つまでのお話。
地味な修行回だが、その分多々良の内面を巧く掘る回だった。『見る/見られる』ことへの執着が良い軸に。
多々良は優しいシャイ・ガイで、その優しさ故にまこちゃんをゲット出来ている。のだが、優しいだけではダンスは踊りきれない。タフでなければステージからはじき出されてしまうし、他者の視界に割り込む図々しさも生まれてこない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
今回は優しさを保ったまま、多々良がタフになるまでのお話である。
新しいルーチーンや内部情報のリークなど、形のはっきりした『勝つための階段』も入れているものの、メインは内面的なものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
LoDを学習したり、フロアへの執着を自覚するようになるのは、あくまで心の変化の反映。ここら辺のメンタル重点が正調スポ根という感じで、熱くて楽しい。
仙石さんの大雑把なラフさを注入される形で、多々良は強さを学んでいくわけだが、他人をよく見る多々良の優しさ/臆病者を否定して書き換えるのではなく、長所を肯定しながら補強していくのが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
弾き飛ばされたまこちゃんをしっかりカバーするシーンは、彼の良い部分をアニメが見落とさない証明だ
良かれ悪しかれ、過剰に『見て』しまうのは多々良の個性だ。それでダンスのモーションを見取り稽古もするし、見すぎて弾き飛ばされもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
その源流が母親との離別にあることを、今回の話は示唆する。一番見てほしかった人に、見てもらえなかった寂しさ。自己評価がどん底まで低いのは、それが理由だ
ダンスに出会い、仙石さんという頼れる兄貴分に出会って、多々良が自分を誇れるようになるまでの物語。そういう目線でこのアニメを見直すと、問題(というほど派手ではないが、確かに壊れている)家庭から少年が自立するまでのお話でもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
それは色んな人の支えで、ようやく可能になる。
ダンスという『己を見せる』表現に出会うことで、多々良を世界が知った。見てほしいと願いつつ、誰も/母が見てくれない現実に押しつぶされていた自我は、ダンスと出会い愛するようになった現状を正しく認識することで、真っ直ぐ立つ力を手に入れる
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
そうさせてくれた存在への感謝を、多々良は忘れない
面倒見よくダンスの技術と精神を教える仙石さん、迷いの底にいるときに言葉をかけてくれるまこちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
多々良は一人で踊っているわけではない。他人に見られるためには、他人をしっかり見ることが必要だ。そういう相互作用が少年に道を開く真っ直ぐなお話は、見ていて気持ちがいい。
仙石さんが多々良とまこの側につくのは、ガジュにとってもしずくにとっても、組結成は良くないと考えているからでもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
仙石さん、子供世代全体を幸せにはしたいのだ。やってることはメチャクチャだし、面倒見もむちゃくちゃの後始末ではあるんだけども。それもまた、捨てられない個性か。
多々良が過剰に他人を見すぎているのとは裏腹に、ガジュは自分を見すぎている。しずくへの恋慕は本物なんだが、しずくを鏡/トロフィーにして輝く自分を見る、過剰なエゴイズムが溢れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
ダンス表現においては、それは圧倒的な存在感になるのだから難しい。バランス大事はペアだけではないのだ。
多々良がまこちゃんと踊り、話すことで自分を見つけた/パートナーに自信をつけさせたのに対し、ガジュはしずくと対話していないし、向かい合うことでパートナーに幸福を与えてもいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
本心では『ガジュと踊りたい』のではなく、『清春と踊りたくない」のだから、しずくが幸せになるのも難しいが。
モヤモヤこんがらがった気持ちを、取り返しのつかない組結成という形でしか収められないしずくも、過剰なエゴに支配されている。それはダンサーとしては強力な武器だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
一つと一つ、圧倒的に巨大な存在感を練磨してきたダンサー相手に、ようやく誇れる自分を見つけた引っ込み思案ペアはどう踊るのか。
来週から始まる天平杯の焦点はそこだ。ダンス競技の比べ合いに見えて、ダンスを踊る自分自身、それを支えてくれるパートナーとの距離感を掴めるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
巨大なエゴと、他人を見る優しさをオンバランスで躍らせるか、片方を暴走させて強引に踊りきるか。まだまだ揺れそうな気配がある。
まこちゃんを背負うことで、多々良はダンスに必要な執着や強さを学習した。それは急に空から降ってきたのではなく、元々多々良にあった資質だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
決定的に方向が決まる前から、多々良はガジュに言い返しているし、身体も張っている。強さの種が芽を出すためには、自発的な気付きと周囲の支えがいる。
しかしそれは、まだ弱々しい芽だ。何しろ多々良にはダンス経験が足らなすぎる。関係性に問題はあれど、技術も身体も仕上がったガジュ&しずくペアを相手に、どう戦い、どう迷い、どう学んでいくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月13日
ダンスフロアでの本番を前に、課題と強みをしっかりまとめる回だった。来週の作画爆発が楽しみ。