サクラクエストを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
オーディションは落ちる! 給食カフェは誰もこない!! 加速する世知辛さの中で、ちゃんと終わらせるための最後の戦いが今始まる……。
このお話っぽい甘くなさをぶっ刺しつつ、そこで足を止めずに歩き直す不死鳥っぷりが意外、かつ心地よいエピソード。なるほどなー。
というわけで、開幕三分で真希ちゃんの夢があっさり終わる今回。いや意外だった。いや、その可能性を想定せず、夢の再起を軸に話を回すと考えてた自分がね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
2クール目になって上げ調子だったんで忘れてたが、まぁサクラクエストそういう話だったわ。そして『そこから』の話でもある。
廃校式にラストステージ。『終わっていないものを終わらせる』こと、一種の夢の葬式が今回のメインである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
他人の手であっさり夢を終わらされるのではなく、自分の手でしっかり夢を殺し、火に投げ込んで再生すること。シビアな現実を前に諦めず、何度でも再起すること。なるほどフェニックスである。
ざっくりオーディションが終わり東京と切れてしまったのは、真希ちゃんにとって(僕がそうであったように)ショックだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
しかしガテン大臣として過ごした日々は彼女にタフさを与え、一回死んだ程度では立ち止まらなくなっている。結果に愕然としている暇があったら、次の過程に歩くタフさ。
それはPTもおんなじで、給食カフェという球がハズレても、次の企画、次の次の企画へとどんどん投げ込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
それは一回一回の投球を疎かにする、ということではない。地域のイベントだからといって、真希ちゃんがラストステージの準備を怠けなかったのと同じだ。
過程をやりきって、結果を真摯に受け止め、次に繋げる。足を止めずに続け、終わるべきものをしっかり終わらせ、破滅の渦の中で少しでも足掻く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
今回真希ちゃんと国王PTが見えたタフさは、ここまでのお話の総ざらいを感じた。アニメ絵軍団は、雪の季節にようやく自分たちのスタイルを見つけたのだ。
そういうタフさは、ラストステージ自体にも現れていたように思う。少子化、過疎化。廃れ寂れていく間野山をニヒリズムではなくユーモアで笑い飛ばし、先に進もうとする意志。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
気づけば、『お前らの問題だろ』といってた地元民は舞台に足を運び、役者を演じてくれるようになった。
平気平気の空元気。スポットライトが当たる間、真希ちゃんはずっと笑っている。子供サンタを演じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
でもバックヤードに入った瞬間、真っ暗な世界で荒い息を付く。夢が壊れたこと。報われなかったことは、とんでもなくしんどい。でもそのしんどさに溺れても良いことないと、彼女は決めたのだろう
そういうウダウダに溺れる子供時代は第6.7話と前回で終わっていて、だから真希ちゃんの結末は冒頭でスパッと終わるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
終わりをどう終わらせるか。自分の力で夢を埋葬して、その屍の上に何を作っていくか。終わりの先にある始まり、冬の先の春こそが、このエピソードが睨んでいる要点だ。
間野山から出て、戻って、出て、また戻って。行ったり来たりを繰り返して、家族のありがたさ、仲間の頼もしさを思い知った真希ちゃんは、多分もう出ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
出ないことを自分で選び、出たいと願う自分を納得ずくで埋葬した彼女は、夢を欲しがる子供から、夢を配るサンタになったのだ。
そういう『善き諦め』のお話なんだが、『地元で劇団やる。役者も続ける』という諦めの悪い終わり方になっているのが、なんだかすごく良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
早々簡単に夢は殺せない。墓場に入れても頭をもたげてくるなら、押しつぶすのではなく芽が伸びる方へ、夢を導いてやろう。そういうタフさも手に入れた。
作品を飛び越えて現実でも、どんどん終わっていく領域をこのアニメは扱っている。御伽噺とリアリティ、ひどく難しいバランスを取らなきゃならんわけだが、真希ちゃんの夢の葬式、そこから芽吹く新しい夢を前向きに捉え続けた今回、かなり良いと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
そこに入れるしかないところに投げた、というか
先週グッとキャラを立てた緑川父が、最後の最後でお話を〆るサンタ役をやるのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
さんざん心の置き所の話をやって、『そういうや、太鼓って実態を探すクエストだったな』と思い出すタイミングで、パパンの優しさとシャイネスが話をまとめるのは、あの人好きな視聴者としてはいい終わりだ。
『映画館もライブハウスもねぇ!』って愚痴ってた街に劇団が出来たり、修復された太鼓が埋めるべき中身が既に整っていることを、和太鼓パフォーマンスで見せたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
細かいフェティッシュの重ね合わせも、相変わらず冴える。セリフではなくモノに喋らせるこのアニメのメソッド、俺は好き。
『真希ちゃんは『外』担当』という思い込みに支配されていたので、正直意外な展開であったが、打たれてみると盤上この一手。いかに夢を殺し再生させるかを、真希ちゃんの静かな奮戦に乗っけてしっかり描く、味わい深い回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
こうなると凛々ちゃんが『外』かなぁ…誰も出ないってのは無いと思うが
とまれ、大切なものを置き去りにし、さんざん都会で傷つけられた女の子は、仲間とどーでもいい歩みを積み重ねて、自分の道を見定めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月16日
敗北とも諦めとも取れる新しい道だけど、己の夢を己で殺せる勇気と、そこから立ち上がるタフさは、やっぱすごく立派だと思う。お疲れ、頑張れ、真希ちゃん。