THE REFLECTIONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
閉ざされた館は心の迷宮。闇の誘いを受けてエレノアが彷徨い、己を語らないヒーローは少女に追いつけない。切れ味良いアクション、イカスBGM、幻惑感の強い演出と、作品の独自性が強みになって暴れまわる深層暴露回。
なるほどなー、情報出過ぎなのも納得だ
というわけで、レイスとエレノアの因縁が彷徨い、一つの答えにたどり着く回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
短距離瞬間移動を駆使したふわっとした移動が、いつしか精神領域の歩みに変わっている。現実と幻覚の合間がわかりにくい浮遊感が、キャラの心理を掘り下げる筋立てと噛み合ってなかなか心地よい。
今回はエレノアの見ている幻覚=心の闇を掘り進む主観的視界と、エクスオン(とスティールルーラー)が歩いている現実=エレノアの心理を知り得ない客観的視界が、同時並列的に描写される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
レイスとエレノアは生まれたときからの宿命の双子であり、エレノアが主役である理由もそこにある。
暗い炎に導かれ、エレノアはあまりに彼女の過去、心の欠乏を把握したレイスの誘惑に堕ちていく。短距離ワープを持たない(エレノアからコピーしなかった)エクスオンは、そんな彼女に追いつけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
言葉を使えば追いつける距離なのだが、沈黙の英雄はそこを踏み出すことだけは出来ない。不器用な男だ
エクスオンの過去はほのめかされるだけで、具体的には描写されない。なので、なぜエクスオンが自分の気持ちや正義を言葉にしないかは、なんとなく推測するしか無い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
レイス言うところの『裏切りの過去』が、安易な言語化を拒絶しているか。どちらにせよ、エクスオンはこれまで見たとおり、行動の男だ
対してエレノアは、ずっと言葉にして欲しかった少女で、レイスの誘惑に引き寄せられるのもそれが理由だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
心の欠落を埋める甘い囁き。何しろ欠落それ自体が語っているのだから、クリティカルに刺さる。そしてレイスの誘惑は、全ての差別されたリフに通じる魔力を持っている。
大きなものの一部になりたい。集団を構成し、異物を排除し、世界を光と影に切り分けたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
レイスの誘惑は人間性の根本に訴えかける、普遍的な囁きだ。だから危ういし、強力だし、抵抗もしなければいけない。そこに負ければ、死んでいった人の尊厳を忘れ、闇の仲間入りだ。
レイスの詭弁は、エレノアに差し伸べられた手を全て物理的に断ち切り、バンバン人殺ししまくった事実で否定できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
鏡合わせの悪の誘惑…というか、モロに魂の双子だったレイスの言葉にエレノアは抗えなかったが、神の視点で見ている視聴者にはアラが見える。
しかしエレノアの世界は、あの黒い炎が揺らめく洞窟が全てだ。そうなるようにレイスは誘導したし、エクスオンもスティールルーラーもそこを突破し得ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
結局人は一人で、ちょっと袖摺りあった程度では個人的なトラウマや欠落は共有できない、というシビアな目線が、追いつけない二人に見える。
しかし二人が闇の計画を超えて、エレノアの個人的心理領域に滑り込めたというのは、希望でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
助けてくれなかった世界への恨みから、助けを求め続けたエレノアに心を重ねるスティールルーラー。エクスオンに激しく当たるアクションには『なんでワタシを助けてくれなかった!』という叫びが交じる
『大きなものの一部になる』というレイスの誘惑から、スティールルーラーは離れつつあるように思う。他でもないワタシが救われず、苦しんでいる世界。ワタシに似たエレノアが、迷っている世界。まだ引き返し、救われることの可能なもう一人のワタシが、そこにいる世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
それは同質化の闇ではない。
エレノアと向き合うことで、スティールルーラーはレイスの胎盤から引き剥がされ、個人としての尊厳を再獲得しつつある。ここまでの描写を見るに、この作品の正義は常に、孤独な尊厳が地盤にあるので、スティールルーラーが正義に接近しつつある、とも言い換えれるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
エレノア自身が闇にとらわれる中、スティールルーラーの再浮上は一縷の望みだ。それを生み出したのは、『悪役』であるスティールルーラーと向き合い、言葉を使ったエレノアの行動だったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
ここら辺の因果の絡み合いが、スピリチュアルな絵作りと噛み合う今回、なかなか面白かった。
因果と言えば、すっかり復讐者の貫禄をつけたアイガイは、怒りを暴走させ初めての殺人へと至ってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
言葉を使うことは、必ずしも良い結果を導くだけではない。伝えるべきでない情報を伝達し、死に至る挑発を可能にもする。その結果が超絶愛外ビームでの蒸発だ。
”Sky Show”でエンターテインメント化されていた、ポップなアイガイの暴力。仲間を失い、剥き出しの悪意に晒され、死を撒き散らす今のアイガイから、あのおろかで楽しい日々は遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
彼がシリアスになってしまったことを喜ぶべきか、悲しむべきか。少なくともチームアイガイは喜んでいない。
鎧が漆黒になっても、ぼんくらスターが復讐鬼になっても、機械の鎧に閉じ込められたチームアイガイの亡霊たちは、イアンを気遣う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
『クールになれよ』『力を正しく使えよ』と言葉を使うが、それはアイガイの暴力への歩みを止めはしない。レイスの誘惑とはまた違う、言語の描写だ。
エレノアの堕落と、アイガイの血の洗礼。その二つを『言葉』が繋いでいるのは、なんとも陰惨で重たい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
それでしか私達は繋がれないのに、あまりにも危ういツール。今回は言語の闇が暴れまわったが、光の側面を口下手なアイガイ、レイスに未だつながっているスティールルーラーは使いこなせるのか。
とは言うものの、このアニメ根本的な部分でヒューマニスティックなので、そこまで心配はしていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
リサの陽性な前向きさ、暴走しつつもマイケルを守ったヴィーのヒロイズム。舞台袖に下がっている仲間たちが、何か逆転の秘策を出してくれるかもしれないし。やっぱヒーローは『守る』描写やらんとな
主役と悪の中枢が同一だったという、非常にヒーロフィクションらしい展開となった今回。光と闇、現実と心理の境界線があやふやになる中で、徹底的にマテリアルなリアルにしがみつく不器用男、エクスオンはどう動くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
エレノア好き好き病にかかったスティールルーラーの反応は。
おどけたスーパースター志願の負け犬から、漆黒の復讐者へ。あまりに極端な振れ幅でダークヒーロー街道を全力疾走しているアイガイの今後含めて、今後が非常に楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月24日
やっぱアクションにキレがあると、全体的に脂が乗るなぁ…非常に面白いエピソードでした。来週も楽しみ。