宝石の国を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
優しき末っ子、緑のクソガキ・フォスフォフィライト学者先生の楽しい日々は続くッ!
キラキラキレイなダイヤの超重力に触れたり、ボルツのぶっきらぼうな優しさとぶつかったり、毎日ハッピーライフ! と思ってたら、唐突に月面カタツムリに丸呑みされて死んだ。
宝石の国、完ッ!
とはまぁいかないんだろうが、衝撃の展開までの土台詰みが結構丁寧で、感心しながら見てしまった。ボルツ無双で油断させておいて刺してくるの、巧いなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
圧倒的な奇想と美麗で殴り倒されて呆然としてた前回に比べると、色々足腰強いところとか、見逃してた楽しさとかを見つけられる回だったと思う。
冒頭世界の成り立ちが語られるが、それをお伽噺の言語から語り直した場合、人類は六回の攻撃により海底微生物に取り込まれ、それと鉱物が融合した結果生まれたニンゲンモドキが宝石人、ということになるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
ならば人間の形をした宝石の鞘ではなく、そこに含まれるインクルージョンこそが本質となる
フォス復活の足場もそこら辺にあると思うが、ともあれ美しすぎる彼らは人間ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
ダイヤの砕けた腕がするりと出てくる瞬間の、まばゆい光。あれは定命が出していい輝きではないと、絵で理解できる強さがこの作品にはある。人間の常識を超えたモノで殴り続ける、慮外の戦闘法が成立している。
しかし彼らは人間を模して、滅びていった人間のお葬式を続けている。制服が黒いのはそれが喪服であり、金剛先生は永遠に人類鎮魂の読経を続けているわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
あまりに人間ではないのに、人間が経年劣化で捨てされる情念を永遠に抱え続けなければいけない。人形特有の業である。
闇の中孤独に苛まれていたシンシャも印象的だったが、ダイヤとボルツの捻れた関係性も宝石人の特殊な心をよく見せてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
妖精のごとく可憐で、愛らしいダイヤ。語尾全てに♡がついているかのような転生の媚態の奥に、か弱い姫でい続けなければいけない自分への苛立ち、騎士への憎悪が潤んでいる。
ダイヤの心が捻くれているのは、宝石としての性質-硬度と靭性-のミスマッチによるものだ。事前に明るく楽しいコメディの中で、サラリとその性質に触れている所が巧い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
ジェイドとルチルのおもしろ漫才では笑い話だった特性は、戦場においては致命的な危うさとなり、ダイヤの心を蝕んでいる。
先生がいること、制服があること、似た背格好の個性が一箇所にうごめいていること、個性ごとに役割があること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
この物語自体が『寄宿舎学園モノ』のミミクリーなのだと思うが、冒頭見えた島の小ささ、海のデカさから、宝石人の学び舎が廃墟の中の模造品であることはよく分かる。
同じように、茅野さんの好演でとても人間らしい可愛さが際立っていても、徹底的に脚を攻めるカメラアングルがスラッとしたセクシーさを強調しても、ダイヤは人間に似ていて、人間ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
そして愛と憎悪の間で悩み、守られているだけでは我慢できない歪みを抱えた彼/女は、あまりに人間的だ。
ボルツもまた、愛すればこそ固くて脆いダイヤを守りたいのに、その気持を素直には表現できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
荒々しく腕を掴み、隠した傷を白日に晒すことでしか、兄/姉を守ることが出来ない一本気。お兄ちゃん好き好き病患者過ぎて、好感度ガン上がりですね。
宝石人は寿命がなく、劣化がないので、諦めることが出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
ルチルが一話でサラッと語っていた特質が、二つのダイヤに重くのしかかっている。
ダイヤが自分の無力を諦め、姫に徹しられていたら。あるいはボルツが最強の兵器から、柔軟な存在へと変質できていたら。でもそれは、叶わない夢だ。
誰よりも愛しているのに、いなくなってくれたらとふと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
誰よりも守りたいのに、壊すことでしか守ることが出来ない。
そんなギクシャクしたダイヤ兄弟の関係性をもっと見たいが、それをぶっ飛ばすような大事件が置きてしまって、残念であり衝撃である。
まさか二話で主役がドロドロ(物理)とは
ダイヤとボルツの捻れは、作品内部だけではなくメタ領域にも漏れ出している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
硬度と靭性を兼ね備えたボルツを、ダイヤは『真のダイヤモンド』という。だが透明度に欠けるカーボナードは、宝飾品としてはダイヤに遠く及ばない。そしてそれは、作中では月人が持っている価値観なのだ。
意志と尊厳を持ち、仲間を守るために戦いたいと願う宝石人は、己を戦闘兵器の価値観で見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
それを砕き、移動の自由を奪って飾ろうとする月人だけが、あの世界で人類である僕らの価値観-宝石-を彼らに投影する。人類の滅んだ世界で、僕らはいないどころか主役の敵なのだ。
ここら辺の捻れを(おそらく意図して)作品に取り込んでいるあたり、凄くSFであり頭蓋が開いていく心持ちであるが、ダイヤの自虐に『えっ?』と驚くのは、老いたる霊長類の感傷なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
人の消えた世界で、その後継者は人間らしく、あまりに異質な価値観の中で生き延びている。面白い。
緊張感と重量、花の如き可憐さと刃の如き剣呑さを孕んだダイヤ兄弟に比べ、フォスはバカで気楽だ。そののんきな末っ子加減が、見ているこっちとしては救いでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
第1話では気づききれなかったんだが、ダイアログが軽妙洒脱で、聞いているだけで気持ちいい作品だ。会話にセンスと活気がある。
学者先生の仕事もとっととほっぽり出し、ジェイドとおもしろ漫才したり、ダイヤの股ぐらから顔出したり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
フォスは宝石人の重たさにあんまり囚われない。何者でもなかった300年間の屈折はあろうが、全体的にのんきだ。それもドロドロに溶けて再構築されたとき、失ってしまうのかな。
たった28人の仲間と、いつ終わるとも知らない永遠の戦いを繰り返す。時間で癒やされない心の傷を抱えたまま、なんと話に共同体を維持し続け、人間の真似ごとを続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
宝石人が置かれた状況は、冷静に考えてみると結構悲惨なのだが、その暗さを感じないのはフォスの幼さ、元気さ所以だろう。
フォスが世界を楽しんでくれるから、みんなに優しくしてくれるから。人間誰しも持つ怠け心、ダメな部分を表に出してくれるから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
あの異質で美しい、人間を寄せ付けない特殊な世界に視聴者が入っていける部分は、かなりあったと思う。黒沢ともよの好演も、当然素晴らしい仕事をしている。
そんなフォスだからこそ、巨大カタツムリにVoreされてドロドロ溶かされたときの『え? マジ』感が凄い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
背景が美麗なので、青空が夕暮れになるまで延々戦っていたこと、それでもフォスを救出できていないことが、スッと胸に入ってくる。人間、キレイなものからは目を背けられないのだ。
無敵のボルツ様でも断ち切れない、新種の強敵。これをどう仕留めるかも気になるが、死体通り越して液体になってしまった主役をどう再生させるかも、気になってしょうがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
彼らが人類以上であることはさんざん描写されてきたので、なんとか復帰するんだろうけども。ふーむ、凄いアニメだ。
あと少年と少女の淡いに漂うエロティズムが封印されたボディラインと、合法的に切り取れる性器として徹底的に脚を攻める京極アングルが今週も元気で、眼福眼福って感じだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
さすがμ'sとPURETTYの脚をナメてナメてナメまくってキャリアを積んだ監督、徹底的に下から攻める。ありがとう。
ダイヤとボルツの関係性。その緊張感と無縁の、フォスの気楽な心地よさ。そっからぶっ飛ばされ、ドロドロ(物理)に囚われた主人公。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月15日
いろんなものが掘り下げ宙吊りにされつつ、困惑すらも楽しく飲める第2話でした。来週からは『カタツムリの国』が始まるようですが、さてはてどうなるか。楽しみです