ドリフェスRを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
主人公にしてディアドリームのセンター・天宮奏。話の中心にいる彼が、一番話において行かれている状況でやってきた主役回は、ディアドリの仲間からではなく、先輩たちからのエールで道を見つけるまで。
自分を見つけるためには、揺るがない自分の芯と、他者の目が必要という話。
可愛いだけから一歩は見出し、アイドルとして一本立ちできる個性を見つける。Rの主軸から奏が意図的に遠ざけられているのは、これまで細かく描写されていた『眩しさを見つめる』視点からもよく分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
今回はようやくカメラが奏に回ってきて、彼が自分の道を見つけ…るために、先輩とサルが色々する話
最後に三神さんがまとめ(遺言し)ていたように、『自分の価値は、他人に決められるもんじゃない』から、今回の話は奏でが自分を見つけるまでの話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
でも、決めるまでの道のりは凄く沢山の人に助けられている。自尊しつつも独善に陥らないバランスの良さは、ドリフェス的だし奏的だと思う。
奏の迷走加減を描くのに、冒頭お猿と同居(しかも、お猿は全然懐いてない)する絵面が、上手く仕事をしていた。言葉すら失い、自失してサル語で喋る奏と、サル語すらスタイリッシュに使いこなしてしまう三神さんの対比。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
前回のチズの貧乏企画といい、生っぽい芸能ヤダ味を使いこなすのが上手いアニメ
『俺はお前に似てるよ』と、アイドルになる切っ掛けをくれた人に言われる。物語始まりたてだったら、それだけで走っていけただろう言葉に、今の奏は進んでいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
ちょっと大人になって、思いっきり走る活力が弱まる。それはACEや三貴子にも通じる、みんなの悩みだ。
いつも通りなら、純哉クンの安定感に体重を預け、シャワーを浴びて解決の糸口を掴むのだろうけども、分岐点で奏は新しい道を選ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
ACEのセンター、明日真に腹パンされ、そのままうずくまり、抱きとめられる方向に進むのだ。乱雑なコミュニケーションを取りつつ、相手がガチ凹むとちゃんと気付く明日真
今回のお話が、(前回の千鶴といつきのように)仲間内で解消されないのは、サブキャラクターに光を当てて話にバリエーションを出したり、身内で固まりきらない風通しの良さを入れる狙いがあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
同時に、ディアドリームにはセンターが一人しかいないからでもある。
真ん中の資質。グループを背負い、繋ぎ、矢面に立って戦うセンターだからこその悩みと共感が、三神さんと明日真と奏、三人のアイドルを繋いでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
こういう感じで、個人のドラマの中にとても抽象的でディープなアイドル論を入れ込んでくる所が、ドリフェスの強みだし好きなところだ。
明日真は乱雑でちょいワルな『いつもの』態度を維持しつつ、ひっそりと静まり返った資料室で奏に接近し、自分を見せていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
今奏が抱えている悩みを、俺だって抱えていたし、いるんだよと。俺はもう一人のお前で、同時に別々の存在なんだよと、仲間とは別の音色で囁いてくる。
明日真は照れとプライドから言わないけども、『なんで俺に構うんですか?』の答えは『楽しいから』と同時に『他人事だと思えないから』だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
禁制の資料室に飛び込んで、わざわざ探すほどに心に刺さっている、別れた仲間。ドリフェスがばらばらになって、同じ思いをさせたくないから手を貸した。
そういうロマンチックな感傷は、わざわざセンターに『なる』ことを選び取って演じ続けている彼には余計なんだろうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
そういうちょっと不器用で、でも男の子らしい繊細さに満ちた気配りが感じられて、資料室のナイティな雰囲気は好きだ。男と男が見つめ合うスペシャルな瞬間、切り取るの上手い。
『アイドルとしてデビューしたからといって、アイドルになれるわけじゃない』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
Rを貫通している三神さんの言葉は、センター『になる』ことを選択した明日真にも、その明日真に手助けされてセンター『である』ことを宣言した奏にも通じている。意思と選択が、未来を開くのだ。
そして選択にたどり着くためには、迷ったり学んだり、色々な道を歩かなきゃいけない。優等生の奏じゃ選ばないような、掟破りの逸脱がなければ、資料室には飛び込めなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
キィと重たい音を立てて閉まった扉は、男二人を親密にし、自分の気持ち、かけがえない過去に向き合わせる。
心理と具象の重ね合わせは、リッキーの描写にも見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
サル(人間に似ているけど、違うもの)として自由に暴れまわる彼は、奏が見つけられていない本心そのものだ。自分と向き合うのを嫌って、先輩にしがみつく。時々動作がシンクロするけど、基本溝がある。
ウテナにおけるアンシーとチュチュやな。
リッキーが鍵を持ち出し、ACEの二人に開けさせていたのは、『心の奥で見つけたものは、鍵を自分で使って開け閉めすると同時に、他人にも開放されていたほうが良いよ』という、より良い解決法への希求かな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
ルール違反も含めて、奏は多分、知って欲しかったのだ。
物質的な資料に閉じ込められた三貴子の過去を求めて、二人は資料室に入っていくわけだけども、結局答えを見つける鍵になったのは、顔が見えて声が届く明日真の告白だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
『判るかぁ…”ぶつかり合う心と心”なんだよ、結局さぁ…』という無印時代からずーっと続いてる語り口に忠実で、好きな運びだね。
明日真は『向かい合ってもらえる自分』を作り直して、ACEを繋ぎ止めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
奏では資料室で見つけた『センターとして、みんなを繋ぎ止めている自分』を胸を張って、憧れの人に告げた。
そして三上さんは、もう一人の自分に遺言を残し、永遠に続くはずだった青春…偶像を終わらせる決断を果たす。
始まったばかりのディアドリームが、これからも輝く道を模索する影に、花盛りを咲ききった三貴子最後の徒花を添える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
上手い対比だし、アイドルのライフサイクル全体を捉える見事な差配だ。残酷で綺麗で、嘘がない。
同じセンターでも、それぞれの個性も、想いも、立場も、歴史も、全部違う。全部違うのに、繋がるものがあって、全部違うからこそ、自分だけでは見つけられなかった道が見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
三者三様のセンターを重ねて描くことで、非常に豊かな物語が展開されていたと思います。ほんとドリフェス太いなぁ。
ACEや三貴子の陰りをちゃんと切り取ったことで、ディアドリームやKUROFUNEだけが選ばれて特別なわけではなく、世界全てが人間的なのだと、上手く宣言出来たとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
みんな色んな思いや陰りを抱えていて、それを覆い隠す仮面を付けている。その嘘は、人間としてアイドルとして大事な、優しい嘘だ。
乱暴な先輩。頼りになる憧れ。そんなペルソナを少しズラしてみることで、その奥にある素顔も、仮面が持っている誇りと強さも、両方かける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
そういう話でもあったと思います。
ただただ純粋であることが強さな奏たちも、そんな仮面を手に入れていくのかなぁ。少し寂しくて、とても尊いことだと思う。
悩める末っ子と、頼りになる次男と、終わりを見据えた長男。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
センター兄弟の絆を書くことで、アイドルに、男に、人間に流れる時の河の諸相、それを閉じ込めて共有できる『場』の不思議さとかも切り取る、非常に豊かな話だったと思います。
EDを三貴子の未発表曲として活かしたのも、素晴らしかった。
あれはどんなファンも知らない、仮面の奥の三貴子。アマテラスにもスサノオにもツクヨミにもなれなかった、愛されざる水蛭子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
そういうエグザイルの死骸を集めて、アイドルがファンに見せる輝きは成立している。でも、それでも。輝けるものは死なないし、あの時の思いは終わってなんかいない。
今回明日真に切り込んだ力強さで、去りゆく三神さんに奏でが踏み込む物語が必ず来ます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
憧れが去っていく苦しみ、託された希望、咲き続ける残酷と喜び。そういうものへの期待も膨らませて、奏の個別回としても素晴らしくて。名エピソードだと思います。
来週も、その先も、とても楽しみです。
あ、『アイドル』として立木冬彦の歌声を聞くことが出来たのは、二億兆点としか言いようがありませんでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月18日
須佐さんの激渋キャラを維持しつつ、艶と華やかさもあって…ドリフェス、ほんまありがとうって感じです。そういういい曲が、ある意味鎮魂曲でもあるってのがね、ホントドリフェスね。