続・刀剣乱舞花丸を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
間にUFO謹製のシリアス風味を挟み、帰ってきました『とある本丸』!
49振の大所帯、雪深き日常と激しき闘争は背中合わせに過ぎゆく。
簡単な設定説明あり、刀剣男子の間に漂う情感あり、戦人としての真剣な表情あり。今回も色々足しませてくれそうな、期待の出だしである。
というわけで、ちょっと座組を切り替えての刀剣乱舞・花丸である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
活劇の想い出も未だ鮮明であるが、あの狭く尖ったシリアスな空気とはまた別の、ほのぼのと日常を摂取する付喪神達の日常を見ていく内に、『ああ、こういうアニメであった』という懐かしさが蘇ってきた。風味が同じなのがありがたい。
活劇は『戦士としての刀剣男子、その背景にある日々の暮らし』であったけども、花丸はやはり『人間としての刀剣男子、その一側面としての闘争』を描いていると感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
重点的に切り取るものは違えど、両方共刀剣男子のあり方なのであり、二つの視点から切り取るのはなかなかリッチだ。
基本ゆったりと、季節の息吹を感じながら進んでいく花丸。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
しかし彼らは『殺人武器の付喪神』であり、『異形の存在と頂上の戦いを繰り広げる戦士』である。
ゆるっと進めつつ、ちゃんと良い殺陣を入れて戦士の滾りを、あるいは『正月を演じる本丸』を描いて異物性を見せてくれたのは、とても良かった。
僕は刀剣男子の怪物性がとても好きであり、何かとイベントを起こして『自分たちは人間の体を与えられた、人間に似た存在なのだ』と実感したがる彼らの足掻きも、また好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
それは偽物でしかないが、本気で演じ本気で楽しむことで、闘うだけの道具に堕ちない大事な足場になっている。
社会と隔絶された彼らは、座っていればただの武器だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
彼らがおせち料理と御神籤を作り、『正月』を自分たちで作り上げるのは、どこか遠くで当たり前に『正月』を過ごしている人間を、少しでも身近に感じ、自分たちが守るものに接近していこうという、彼らなりの努力でもあろう。
ともすれば、魑魅に刻まれた過去に支配され、生き方を変えられない刀剣男子たち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
しかし使命を帯びて顕現し、器物とは違う形でヒトと寄り添うことになった彼らは、自分たちの努力で自分たちを再定義し、幾度も再確認する。明るく楽しく決死に、人間の形を真似ようと頑張っている。
ゆるふわな日常を描きつつ、戦場とはまた別の形である種の『戦い』としても捉えている視座が、『続』でも生きていたのは、なんとも嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
怪物殺しの道具として、意志も願いも喜びもなく転がされててもおかしくない存在が、手足を使って『正月』を本気で捏造する。日々の喜びを共有しようとする
(人に交わり、その中で存在意義を求めていった活劇と異なり)人間のいない隔絶された世界だからこそ、在りもしない『人間』をみんなで創り上げ、生き方を変えようとする彼らの足掻きが、なんだか尊く見えたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
彼らの健気さは、やっぱ彼らが怪物であることを忘れないから描けると思う。
『刀に刻まれた生き方を変える』という物語は今回、にっかり青江がメインで担当していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
幼子を切った以上、神職は真似事でも出来ないと拒む彼を、生まれついての御神刀・石切丸が気にかけ、他の連中も働きかけ、幣を握らせる。
そういう変化は、この本丸でこそ可能だと、ジジイが最後にまとめてた。
戦場に出ることで変わる思いもあれば、日常を繰り返す中で生まれる変化もある。花丸は後者をメインで追いかけていて、横幅広いカメラは色んな刀の背負った過去と、それが『本丸』の喧騒の中で変化していく様子をじわっと見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
そのテストケースとして、青江の小さな変化はとても良かった。
青江に安定の着物を貸し出した加州くんの、穏やかなる純愛もとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
『沖田総司の佩刀』という宿命を刻まれた二人は、前作でそのカルマを乗り越え、自分を変えた。(あるいは、変えるために度に出た)
離れてこそ募る愛おしさを抱きしめるように、相棒の衣を晴れ舞台に担ぎ出す加州。
細かく細かく、旅立った安貞の不在と、そこに積もっていく加州の溜息を描いたからこそ、あそこで服を貸し出すことで加州が何を振り切ったかが、鮮明に見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
生き方を変えるのは、青江だけの特権ではなく、彼の背中を押した加州もまた、そのことで一つの想いを振り切ったわけだ。
何かと兄弟で固まりがちだった小夜が台所に入って、料理が得意なにーちゃん達と静かに触れ合っていたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
今回は固定された関係性からちょっとはみ出して、『花丸な本丸』でこそ生まれる変化の兆しを、丁寧に捕まえていくアニメになるのだろうか。楽しそうだなぁ。
超絶ズボラな側面ばかりが目立っていた明石くんが戦場に出て、ピリッと尖った顔を見せてくれたのも良かったし、前半ボケボケの殿上人ムーブを見せていた源氏の重宝達が、傷を負い野獣のような戦人の熱気を見せてくれたのも、良い見せ方だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
ホンワカだけだと、どうしても甘くなりすぎるからねぇ。
舞台を3-3に分けて敵を追い込んだり、足止め役とトドメ役をちゃんと役割分担したり、獅子王くんにまとわりつく謎の生き物が活躍したり、殺陣の組み方が結構良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
本丸では見せない尖った目線が前に出て、戦士の表情が細かく確認できたのが嬉しかったな。それもまた、刀剣男子の素顔なわけで。
というわけで、ファンが見たいだろう要素を丁寧に横幅広く描きつつ、『刀剣男子』を構成する複雑さにもちゃんと目配せした、とても良い第1話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
続編とはいえ、やっぱり出だしでは『この話はこういうお話で、主役はこういう奴らだ』という看板は、明瞭に掲げて欲しいわけですよ。
日常を本気で演じ、人間に親しいものとなった新しい自分を肯定していく怪物たち。その戦士としての表情と、積み重なる思いと優しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
雪の日の穏やかな景色の中で、小さく確かな声で芯のある描写がしっかり切り取られていて、今後への期待が高まりました。来週も楽しみですね。