3月のライオンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
一つの嵐が終わり、次の嵐がやって来る。中学生地獄天国日記に一区切りつき、さぁ将棋アニメだ! とその前に、将棋の周辺についてのいろいろ。
屋上を取り巻くペンキ塗りのような青、白いスーツに飛び散る赤。色彩の鮮明さが印象的な回。
というわけで、新展開の3月のライオンである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
ジジイとオッサンの棋匠戦に向けて描写を積み立てつつ、主人公にとって大きな転機となる名人戦がスイスイと進む。
いじめの荒波を乗り越えて、ちょっと人格が太くなった零くんの眼に、少し広くなった世界が見える。
今回は先輩・後輩の関係が色んなキャラ、色んな形で描かれるエピソードだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
大人気なくギャーギャー騒ぎ立てる柳原棋匠と島田さん。何も言わずとも、零くんを見抜く林田先生。遠い場所で異形に輝く宗谷名人をおののきながら見る零ちゃん。
年が遠いことで遠近感が生まれ、先週までと違う景色が見える。
零くんにとって、大人の世界は遠くて広い。全部見抜いてクリティカルな言葉をかけてくれる林田先生も、盤外に広がる激務をこなす名人も。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
意識してガキっぽく振る舞い、戦に向けて自分と世間を温めていく柳原さんと、そこら辺理解して苦笑いしつつ乗っかる島田さんとの距離とは、また違う距離感だ。
タイトル戦を前にガチャガチャ騒ぎ立てつつ、慣れない社交の波に揉まれる弟弟子を心配出来る島田さん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
ホテルの部屋だの初めてのパーティーだのでテンパってる零くんとは、精神の足場が全く違うわけだが、しかし盤面を前にした緊張と苦しみは同じだ。辛いからこそ、見苦しくてもしがみついて打つ。
コメディチックに運びつつ、将匠戦も真剣勝負。その苛烈さに飲み込まれていても、どっかで他人を思いやる余裕が、島田さんにはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
いっぱいいっぱいな零くんと、彼を取り巻く沢山の人を描いた今回。これまであまりなかった対比を使ってきて、ちょっと面白い。
林田先生もまた『余裕のある大人』。彼と零くんが話す屋上は魔法のような青に染まっていて、非常に印象的だ。雲が全く動かない、張り付いたような青空。時間が静止したような印象を与えて、凄く良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
前衛的な絵をポップなアニメに入れ込んで、異化作用で眼を引っ張るパワー。やっぱシャフト強いな。
ひなちゃんを見守り支える零くんを、見守り支える林田先生。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
『お前は頑張った』とちゃんと言葉にして伝える態度は、案外自分にも向いていたのかなぁ、とおもう。大人はなかなか他人に褒めてもらえないので、零くんを褒めることである意味、自分で自分を褒めていたのかな、と。脇役だし。
しかし零くんが成し遂げたことが立派な過程なら、そんな彼を教え諭し導いた林田先生も、また立派な過程を歩んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
零くんは先生から受け取ったものを蔑ろにはしないし、それが一番の褒め言葉なのだろうが、画面の外側から僕も褒めたい。林田先生は、相変わらず立派だ。
そして3人目の大人、将棋の鬼・宗谷冬司。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
強くなり、勝ち続け、上に上がったからこそ付随してくる勝負の外側。彼を追うことは、盤面に向かい合うしんどさを描いてきたこのアニメがあんまり切り取らなかったけど、確実に存在している場所に、目をやる機会にもなる。
余計と言えば余計、不順と言えば不順。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
でも、ああいう社交の中に将棋は組み込まれ、勝負は流通している。そういうことを書くことで作品世界の土台が広がって、より大きなものを支えられるとも思うし、結構好きな寄り道である。
零くんの、いつもと違うリアクションが見えるし。
そういう状況に、零くんより早く目を向けていた二海堂。やっぱキミは人格成熟度が高いなぁ…零ちゃんを思う存分迷わせるためには、そういう立場になるわな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
相変わらずどう考えても死んでる演出だったが、ちゃんと生きておるワイ。早く生身で登場しねーかなぁ~。
難しい『大人の仕事』に当惑し、それを完璧にこなす宗谷名人に、零くんは憧れの視線を向ける…のだが、インタビューで歯車が狂いだす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
世間とズレても、勝てば官軍。それもまた、将棋の一つの顔である。壊れた人形めいた異物感を、石田彰がさすがの好演。
色がついてみると、白いスーツに散った赤がとても鮮明で、眼に刺さった。屋上の青からホールの赤へ。今回は色に脳髄をかき回されるエピソードだったなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
血まみれのまま微笑み、噛み合わない答えを返す怪物。勝負を前に、いい具合に異物感が沸き立ってきた。
ここで与えた印象を、上手く裏切って対局は進む。その透明感を、色を鮮やかに使ってくるこのアニメがどう切り取ってくるかは、とても楽しみだ。その先にある嵐と出会いも、いい具合に描いてくれるだろう。アニメ化の醍醐味だなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
全体的に静かな運びだったが、見るものの多い回だった。来週も楽しみ