イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

おすすめスポーツアニメ・ショートレビュー10選 -質問箱から-

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ご質問ありがとうございます。そう言われてみると、確かにスポーツアニメは最近、あんまり感想をかけていませんね。『競技』へのリスペクトがドラマの都合で蒸発した瞬間、何かがキレて見れなくなるんですよね…不思議なもんだ。以下、紹介です。

・ピンポン 漫画、実写映画、アニメ。全てのメディアで独特の魅力を発揮した傑作。 才能の残酷さ、選ばれた者の恍惚、勝敗の苦さとそこを超えた甘美。少年たちの青春と、そこに夢を託すかつての少年少女の群像としても、圧倒的な輝きを放つ。俺の佐久間が特に好き。

大正野球娘。 『けいおん!』の後にやってきたガールズスポーツ大正ロマン。女たちのプライドの物語であり、支え会い前に進むチームの物語であり、練習して上手くなる野球アニメでもある。一二塁間のゴロ処理を、おそらく最も精密に書いたアニメ。

SLAM DUNK アニメっつうか漫画ね。百年たっても、百万年たっても、バスケ漫画、スポーツ漫画、人間の物語として脈をうち続けるだろうエバーグリーン。 勝ちたいという思い、仲間であるという意味、高校生という時代。全てがコートの中にある。今でも、セリフはだいたいエミュ出来るぜ。

ユーリ!!! on ICE 秀英・山本沙代がそのセンスを全開にした、美の化身が氷上に踊るスポ根物語。ホモセクシュアルを大真面目にやってて良し。 神様に出会っちまった男の泥臭いあがき、自分自身が神話となる瞬間の魅惑。底辺からのし上がるのではなく、基本トップを走る視座が独特だったりする。

プリティーリズムオーロラドリーム 『アイドルアニメじゃないの?』と言われそうだが、表現のムード、思いを伝える場面の作り方、どれをとってもベースはスポ根である。 採点競技としてのアイスダンスに、かなり真摯に向き合った最終決戦が白眉。あいらの才覚とりずむの非才の対比が凄まじい。

あしたのジョー2 出崎の最高傑作をどこに置くかは、色んな意見があろう。自分は『おにいさまへ…』だと思うけども、それと同じ高峰に、当然ジョー2はある。 先鋭な表現技法、スタイリッシュな映像、溢れる情念。出崎の前に出崎無し、出崎の後に出崎無し。

Free! まず最初に。そこに秘められている腐敗の気配、公益に背を向けて閉じた関係に飛び込み、私利を煮込み続ける狭い地獄を解毒できないなら、このアニメはオススメではない。 男の麗しい肉体、そこに宿る脆弱な精神。『競技』を踏みつけにしてでもたどり着きたい場所がある、アンチスポーツアニメ

Free!-Eternal Summer- 一期の閉鎖的な結論を、内海監督の権限を切開していくことで強制的に腑分けし、風通しを良くした続編。そこで混ざった清廉な水が、はたして『Free!』足り得るのか。輝く世界へ飛び立つまでの歩みの中で、『競泳』は何を果たすのか。キミの眼で確かめろ

ボールルームへようこそ 競技ダンスの身体性、匂い立つエロティシズムを、見事な作画カロリーコントロールでアニメーションに仕上げた傑作。 原作を追い越してなお、『この終わり方しか無い』という必然性にたどり着けてしまう、圧倒的な真摯さと思考。フォルムとラインがすんごくエロい。

ワルキューレ ロマンツェ かなーりエグいエロゲ原作を、すんげぇ本気でスポ根アホバカコメディに仕上げきった怪作。 揺るぎのない馬作画で、架空競技”ジュスト”のリアリティを生み出し。トンチキな運びに背骨を入れている。キャラの可愛げ、展開のぶっ飛び方も魅力。

以上十作、おもいつくままに、って感じです。なんかスポーツモノを見る時は、『スポーツ』を別の価値の踏み台にしてほしくない感じがあるんですよね。 真摯さへのある種のファンタジーが自分のなかにあって、それが『スポーツ』と結合して聖域化されてるのかもしれません。