アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
そして、翼が飛び立っていく。桜庭ローラの旅立ちを、最後の日常を、散りばめられた耀きを、名残の中に押し込めつつ。
ここまで描いてきたもの全てを俎上に載せた、圧縮率の高い最終回。独特ながら可愛さと動きのある作画に助けられ、溌剌と元気な終わりだった。
というわけで、二年のアイカツスターズも最終回である。正直、何を書いていいのかよく分からないけども、いつもそうしてきたように、書きながら見つけていこう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
今回は久々のオフタイム描写から入り、皆の『その先』を語って祝福へと漕ぎ出していく展開ではじまる。
女の子たちの可愛さを詰め込んだオフ描写は活力があり、チャーミングだった。ああいう生き生きした表情を久々に見た感じもしたが、それもまたスターズの真実の顔の、一つの表情なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
あの場にハルカルカがいないのも含めて、だ。まぁ、ずっといなかったのに、最後だけいても困るか。
三年目への未練も含めて、相当に詰め込んだ展開で、電車から全てのキャラクターを見せる作りは少し重たくも感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
世界全てに祝福されて旅立っていくローラを、『終わりよければ』と見送ればいいのか、その幸福を分散配置しなかった恨み言を書き連ねればいいのかも、よく判らない。
作品世明があそこまでローラを愛し、主人公にも似た光を最後に浴びせかけるなら、それは陰りの多い展開の中でも一欠片の救いとして、事前に見せておいてほしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
個別に強い展開があっても、その接合点に弱さがある。スターズの作りを思うと、非常に『らしい』最終回である。
ゆめの到達点はエルザとひめ、二つの天井(というには薄いが)を超えた先週で見せたので、ローラと全体を描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
見切りとしては間違っておらず、嘘も付いていない。しかし連動が薄く、結論につながる過程が弱い。
スターズ全体を貫く弱点(と僕が思うもの)と強さが、両方出る最終回だった。
物語が伝えたいものをモノローグでダイレクトに語ってしまう無骨さもまぁ、ぶっちゃけ作品から心が離れたこの段階では、弱点と映る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
そのデカい題目を支えるだけの描写の土台を、一つ一つ無意識に切り崩して来たのなら、綺麗で規範的な言い回しは空言と響く。そう言えるだけの地力、積んでないだろと
そういう場所を目指したいなら、積み上げるべきものがあったろうし、蔑ろにしてはいけないものがあったと、僕は思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
そういう自分の中で大事にして欲しかったものが、話数一つ、描写一つ、セリフ一つ、押し寄せる波のように何かを削って二年間。エモくて綺麗な最終回が、やっぱりそぞろに響く。
感情をたっぷり載せた砂浜での芝居とか、EDテーマに乗っけて描かれる『その後』のモンタージュとか、感情を掻き立てる演出のパワーは、やっぱ強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
その強さが、大きくて強いものに結びつかなかった感覚、キャラクターをそういうものに到達し得なかった感覚は、当然ながら消えなかった。
彼女たちが何にたどり着いて、世界を競う最終幕の幕が開くのか。形で見せられているもの、見せたいだろうものは判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
しかし、そこに実感を宿す回路はいつの間にか切れてしまっていて、作品が描いているものと自分の心の中に作られるものに、乖離がある。だから、結末として出されたものを飲めない。
そういう切断面を実感させられる、盛りだくさんの最終話であった。たくさんいるからこその祭りの寂しさ、不都合な粗雑さみたいなものを勝手に見て取ってしまって、最終回に相応しいキラキラと可愛さと熱を、素直に受け止めきれなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
そういう良くない客として、特に二期中盤以降は見続けた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
とっとと、見るのを止めて感想も止めれば良かったなぁ、と後知恵で思う。自分も言葉を探すのに苦しいばかりで、作品に接続できている方には見苦しいばかりで、あまり幸福な感想では、けしてなかったろう。
そういうものからは撤退するに限る。
それでも見続けて、感想を書き続けた。愚かな行為だなぁと、つくづく思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
でもまぁ、そうしたくて、そうした。そこには『何か』があったのだろう。
一つには、熱いなり時間なり、ただの視聴者なりにかけたコストを空転させたくない、掛けがねに似合うリターンがあるはずだという錯誤があろう。
また、『アイカツ』というあまりに巨大な幻影に引きづられ、その名前を継承する作品に、『アイカツ』の最も大事なコア(だと僕が思ったもの)を取り戻して欲しい、という気持ちもあったはずだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
スターズとアイカツは別なのに、同じものを見つけたいという願い。あるいは呪い。
一期ラストで描いた(描かざるを得なかった)惨めさや未熟、何かを背負う重みは、結局膨らむことはなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
勝利して赤服を来て、それを脱いで挑戦者としてVAに挑む。一年目に重きをおいて描かれた(と僕は思った)『導く存在』としてのS4は、教育機関としての組と四ツ星は、二年目では描かれない。
勝つこと。溢れ出る才覚を振り回し、残酷に勝敗を切断していくこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
虹野ゆめが『敗北』の泥臭い実感から遠ざけられ、そのハネを食らうように特定キャラクターが負け続けるあたりで、スターズは僕にとって、遠い星の話になっていった。
思い描いていた星座が、実は別の線で結ばれた全く違う像なのだと理解っても、星を見るのを止められなかったのは。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
僕の好みで色づいた、身勝手な理想形をずっと求め続ける、エゴイスティックな片思いの結果であろう。僕は僕の見たいものが見たかったが、スターズはそれではなかったわけだ。
それでもまぁ、幻影をおいたくなる光が、やっぱりスターズの子たちにはあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
彼女たちに、僕が良いと思う(その気持こそが身勝手なわけだけども)変化と交流を、作中で果たしてほしいもんだという願い(押し付け)があればこそ、ここまで見続けたわけだ。
それが叶ったのは、ほぼあこときららだけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
エルザは母子の呪いを拡大再生産したまま、物分り良く和解した。レイちゃんも、自分のエゴイズムにもナルシシズムにも気づくことなく、王子の檻から出ることはなかった。
ゆりちゃんも扱いは悪かったなぁ…展開にすり潰された感じだ。
真昼は一期序盤で解消してしまった『姉』に縛り付けられつつ、ギリギリアリアと少し新しい家式を見て、でもそれが膨らんでいく感じはなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
ゆめは勝つべくしてかつ、世界に保護された空疎な主人公になってしまった。遠くで輝く、冷たい星だ。僕の感じるスターズ自体の質感を映して、嘘がない。
その光に、熱量を感じられる視聴者も、当然いるのだろう。そう思えるように、製作者は物語を積み上げたのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
しかし、僕はそうは思えない。
そういう気持ちで、『アイカツ』を冠する作品と繋がっていることを、ずっと認めたくなかったんだと思う。それは世界の真実を映す鏡だと、思っていたかった
でもまあ、当然そんなことはない。無謬の神話なんてものは当然なくて、色んな不都合や未接続が、バロックな星座を空に描くことだってある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
好きになりたいと思ったものが、好きになれないことだってある。
世の中にいくらでも転がっているそういう事実に、蹴躓いて転びかけた。
まぁ、そういうことだ
アイカツスターズが善い物語だったか、悪い物語だったか。その客観的な判断を下すことなく、感想を終えようと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
僕に見えるのは僕の気持ちだけで、それは『アイカツスターズは、僕には向かない物語だった』と言っている。
多分、それが結論だ。向いている話であってほしかったと、今でも思う。
そういうものに向き合い続けたことが、何か意味のあることだったのか。それとも、辛いだけだったのか。僕にとって、作品にとって、あるいは貴方にとって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
それはもうしばらくしないと、答え(あるいは幻想)をつかめない気もする。笑い飛ばすか、膝を叩くか。先のことはわからない。
そういう、曖昧で不確かな存在としての自分が、世間様に向けて感想を描いているのだ、という事実を見つけ直すことが出来たのは、いいことなのかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
でもまあ、それはあくまで副産物だ。
僕はアニメ作品として、アイドルの物語として、アイカツスターズを好きになりたかった。
だが出来なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
心の底から、『お疲れ様、楽しかったです』とは書けない。
それは嘘になる。一応、自分たちの積んだものにはそこまで嘘のなかったスターズにかける言葉として、それは良くないだろう。
ありがとう、が良いのだろうか。
巧く繋がれず、好きにもなれず、でも二年共にあった。
そういう作品へのグダグダに一応のケリをつけて、一応の礼儀を守って終わるためにはそれが良いのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月29日
今後は、巨大過ぎるシリーズの影に過剰な期待を抱くことなく、適切な距離を保って視聴し、自分の見たいものではなく、今描かれているものを虚心に見て、去来を決めます
ありがとうございました。