あまんちゅ! ~あどばんす~を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
永遠に思えた学園祭前夜も、遂に開ける時が来る。ドリームダイブ熟練者の力を借り、伝えるべき思いを背負って飛ぶ愛。時を超えた夢での出会いは、甘くて少し苦い涙で終わる。
たくさん泣いたその後で、紙パックのピーターが待ってるぞ! というお話。
というわけで、主役二人を背景に展開してきたピーター三部作も遂にフィニッシュ、姉ちゃん先輩の初恋が切なく終わる第9話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
なまじっか夢で繋がってしまった結果、現実の因果に帰還するとまとちゃんに絶対先手を取られ、年齢アドを取られと、シチュエーション自体が負け戦であったか…。
まぁ少年誌ラブコメ的な勝った負けたのお話ではなく、むしろ愛がピーターの産婆役をしっかり努めたことが大事な話なんだろうな、とは思う。そのためのサポート(サポートのサポート)を、後輩Sが務める構図含めて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
誰かが誰かを助け、誰かが誰かを求める。それでようやく、荒海に潜れるのだ。
第4話、第6話の補強を受け、ドリームマスターと化したてこ&ぴかり。原作にはないアシスト仕事は、『ダイブはバディでやるもの』という原則を夢潜りでも維持するためかと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
溺れてしまいそうな場所には、一人で潜ってはいけない。それは海も夢も同じなのだ。
まとちゃんが『一緒に沈んであげる』と伝えたのに対し、愛は『浮上しよう。必ず見つけてあげる』と伝える。それは彼女のダイビング経験が導いた言葉なのかなぁ、と感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
沈みそうになっても、誰かが受け止めてくれる。危ない場所でも見つけてくれる。体重を預けて海に潜る実体験からの言葉。
これを追いかけるように、正しくピーターとまとちゃんの背中を押し、恋路に送り出した愛の悲しみを、誠が黙って受け止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
夢に潜って無防備な体を見守り、泣いてる姉を抱きしめる。普段は目立たん殴られ役だが、やはりタフでシャープな男である。心方面でもバディという。
ピーターが夢の世界で自分を守れたのも、ケットシーの助けがあって。そんなバディにちゃんと『大丈夫だよ』と告げて開放してあげるのが、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
尻尾で自分をくるんでくれる守護天使(であり代理母でもある)にさよなら言えたのは、やっぱ愛の後押しあってのことだよな。
そんな感じで、色んなバディが繋がり、背中を押し、受け止め、あるいは手を離す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
ピーターを巡る不思議な事件は、角度を変えて『あまんちゅ!』でいちばん大事なものを書き直す、良い外伝であったと思う。いや、急に別の話始まってはいるんだがな…。
ツナガリを色濃く描くべく、『手』の作画が繊細で美麗だったのは、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
離れようとする指先、引き止める手先。感情は掌に宿って交換され、勇気や愛や夢を心の中に結晶させる。そこら辺の細やかさを、指の作画に委ねて描ききっていた。
『愛は永遠先生にもうちょい拘泥して、恋愛戦線に踏みとどまってよかったのでは?』と思わなくもない。『すっぱり綺麗に都合よく、全てが丸く収まる最善手を打ちすぎでは?』と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
引っ張っちゃうと、『日常ときどきダイビング』どころではない、痴情のもつれが話の軸になっちゃう、てのはある。
ネオ熱海は現実を遥かに超えて麗しく、そこで紡がれる言葉も想いも純粋な、こう言って良ければ綺麗事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
愛すればこそしがみつく物分りの悪さは、そんな作品世界にそぐわない。そういう判断を背中に受け、愛が恋愛サレンダーしまくるのはある程度納得する。
加えて、愛自身がまとちゃん好きなんで、恩師であり同志でもある彼女と争いたくなかったという心情。そして恋愛初心者として、争う痛みにブルってバックステップしてしまう純情な弱さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
そこら辺が噛み合って、恋を争うより人として正しい生き様を貫くことを選んだのかなと、見終わって考えた。
愛は偉い。身長だけ伸びたベイビーなピーターが心に抱える感情が、『恋』なのだとしっかり教える年長者の努め。泣いてる赤子に『世界は怖くない。大丈夫、生まれておいで』と伝えてあげる人間の責務。夢の冒険を同じくした仲間の、背中を押す勇気。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
果たすべき仕事を、しっかり泳ぎきった。
その選択に後悔はないのだろうが、しかし失われてしまったものはそういう正当性に関係なく痛い。ナイーブな乙女心を、無言で抱きしめ前を向かせてやる誠もまた、偉い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
泣かないのも嘘だろうし、泣いたままなのも嘘なのだろう。そういう繊細な場所に踏み込めるのは、家族の特権か。
誠のレスキューで現実に浮上した愛は、ようやく長い夜が明けた祝祭を見る。壁には紙パックのピーター・パン。夢の冒険は、流動する感情の渦ではなく、綺麗な思い出として心に刻まれたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
あの終わり方は要素をしっかり活かして、綺麗にまとめ上げた良いエンドマークだった。学園祭には詩情がある。
あの壁画を心に刻んで、愛は学園祭を精一杯楽しむのだろう。そしてその先に、もっと楽しいことが待っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
海に潜ったり、夢に潜んだり、現実を泳いだり。その全てが驚きと喜びと少しの痛みに満ちていて、でもバディが支えてくれるなら、溺れず楽しむことが出来る。
そんな青春の一幕、涙のネバーランドを出た後に続くもう一つの現実(ネバーランド)を描く、ピーター三部作でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
アニメの再構築があまりに的確で、非常に収まりよく進めまとめたと感心しました。やっぱアニメ化は再編集だなぁ、と思う。コアを捉えた上で、時に大胆に攻める誠実さ。
そんなシリーズ構成の妙味を楽しみつつ、次回は年末。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
黒髪重力女がピーカン天然女に出会い、ズブズブ沈んでガツガツ学んだ時間に、一つの区切りがつくタイミングであります。
三部作で出番が少なかった主役は、一体どんなポエム爆弾を落とすか。来週も楽しみですね。