シュタインズ・ゲート ゼロを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
かくして世界線は収束し、全ては元に戻る。牧瀬紅莉栖渾身のキスしてグッバイ! により、絶望の中に一縷の光を見つけた岡部くんは、鈴羽と正面から対峙し、FBから情報を集め、一歩ずつ一歩ずつ未来へ進んでいく。
未だ、不穏なる火種は見え隠れしつつ。
そんな感じの、何も変わってはいないが何かが変わったお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
あんだけ衝撃的な別れをしたら、ガン凹みして動けなくなってもおかしくないと思うのだが、重ねた唇から牧瀬エナジーチャージ!して脳内牧瀬を住まわせ、ガンガン状況を進める岡部くんはタフだ。…幻覚見てるのはタフって言えるのか?
とまれ、オカリンは主人公なので、彼が進めば話も進む。そういう推進力を、α世界線への寄り道は与えてくれた、ということだ。つくづく、牧瀬紅莉栖のヒロイン力は凄い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
エモいお話をしっかり叩きつけ、パワーをタメて話を先に進める。製作者の都合と視聴者の感覚が、巧くシンクロしてる感じ。
お話の軸は鈴羽との対峙、そこからの前進にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
これまで戦士の仮面で涙を覆っていた鈴羽だが、岡部くんがようやく彼女の思いに向き合い、弾丸を頬に受けても揺るがなかったことで、氏名の奥にある感情を表に出せた。
抱え込んだものを共有できない辛さは、岡部くんだけのものではないわけだ。
鈴羽の使命感と岡部くんの決断は、ここまでずっとすれ違ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
リーディングシュタイナー能力者として、リセットと選択を繰り返した果てを既に知っている岡部くんの世界認識と、タイムマシンによるリセットに希望を託すしかない鈴羽の世界認識は、どうやっても噛み合わない。
だから鈴羽も焦る。
お互い痛みや悲しみを込めて、だからこそ頑なになりすれ違いもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
構図に気を使った遠景を巧く使い、心理的距離を可視化するのはシュタゲアニメの得意技だが、今回も鈴羽と岡部くんの対峙は、良い緊張感を持って描かれていた。
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柱が鈴羽を覆い隠す構図は、彼女が背負った十字架も暗喩する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
押し潰されそうなほど重たい、未来への希望。夕刻の光と影が交錯する屋上は、これまでも様々な交流とすれ違いを写し、ラボメンの孤独と融和を演出してきた。
今後も多分、大事なことは屋上で起きるのだろう。ロケーションの使い方が上手い
α世界線で、岡部くんは自分の決断の重たさと出会い直した。過去を改変する重たさ、世界を切り捨てる痛みを、牧瀬紅莉栖という最愛の人をもう一度殺すことで、嫌というほど思い知った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
そこに温もりと甘さと優しさが、ちゃんと宿っていることも唇で確認した。
なので、今の岡部くんには後悔だけではなく、ある種の誇りもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
間違いだらけの傷だらけだが、それでも様々な人の物語を背負い、自分なりに決断してこのルートを選択した。紅莉栖との再開は、そんな自負を蘇生させる心理治療でもあったのだろう。
幻覚出すほど依存するのも無理ねーなこりゃ…。
ただただ苦しく痛ましかった物語開始時から、岡部くんはようやくここまで来た。α世界線の紅莉栖が決定打だが、彼女の代わりにオカリンを見守ったまゆり、ダル、その他色んな人のケアあってのことだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
失われたものに背中を支えられて、岡部くんは鈴羽の銃弾を、本気の告発を受け止める。
お互い譲れないものがありすぎて、鈴羽もオカリンも拳を下ろせない。そこで仲介役をやってくれるのがダルである。お前ホンマ…ホンマ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
ダルが介入する前はすれ違いの位置にいる二人が、発砲(とその受容)を経て正対出来るのも、ダルあってだ。
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強すぎる思いは、時に人を傷つける。銃弾は自分に跳ね返る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
ダルのナードで優しい態度は、奇縁で結ばれた娘を受け止め、仮面を剥がす。そんな姿勢は、岡部くんの怯えも受け止める。
あまりにも人間力、ヒロイン力が高すぎて心配になるムーブであった。お前…お前ホンマ…。
鈴羽はダルがマンツーマンで受け止め、安定性を取り戻した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
しかし話の主役として、運命石に選ばれた特別な存在として、岡部くんは簡単に安定する訳にはいかない。
頬の傷もそのままに、かつての敵の懐に入り、あるいは新しい仲間と対話をしていく。やっぱ主役が動いて話がうねるのは、見てて楽しいな
CERN関係者から手渡される、新たな敵の情報。オカリンの頬の傷、決意の表情を見て、FBもある種の信頼を覚えたんじゃないかと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
偽りの日常に溺れているだけでなく、決意を込めて『こっち側』に踏み込んできた同志なんだと、納得したというか。頬の傷は、非日常に飛び込む戦化粧なわけだ。
これまで細かく巻かれていた、タイムマシン謀略戦のタネもいろいろ回収され、複数組織が蠢く第三次世界大戦前夜の輪郭が見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
そんな断片をつなぎ合わせる岡部くんの隣には、遂にAIすら不要になった牧瀬紅莉栖リアルブートがいる。いや判る…判るけどさぁ岡部くん…。
紅莉栖のキスは激励であり呪いでもあり、岡部くんは『牧瀬紅莉栖のいない世界』に適応するのではなく、いないはずの牧瀬紅莉栖をブートすることで世界に適応した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
正気でも健全でもないが、こんだけ追い込まれちゃうとそういう適応の仕方でしか、自分も世界も守れないよな…ほんと容赦ない。
今後助手の亡霊を突破して、岡部くんが『牧瀬紅莉栖のいない世界』を許容できるかは、大事なサスペンスだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
最終的に『牧瀬紅莉栖も、椎名まゆりも生きている世界』を掴み取るとしても、この岡部くんは『牧瀬紅莉栖のいない世界』から出れない。前に進むなら、死を前に開き直る必要がある。
思い出として吹っ切るか、それこそアマデウスのように超科学的な手段で再生させるか、女々しさを抱えたまま最後まで走り抜くか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
答えはいろいろ考えられるし、どれも正しいとは思う。どっちにしても、岡部くんが岡部くんなりの答えを出せると良いなと、ナチュラルに幻覚と会話してるの見て思った。
鈴羽やダル、FBとは信頼関係を作れたオカリンだが、まほ先輩とのコミュニケーションは頓挫する。頬の傷を覆い隠し、非日常ではなく日常のオーラで対話するのが、お互い全てを晒したわけではない関係を反映していて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
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それで国家や世界が動くほど重たい、タイムマシンのデータ。牧瀬紅莉栖の遺言でもあるそれを、全て預けれるほどの信頼関係が、まだオカまほの間にはない、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
となれば、今後そういうモノを作っていくこと…まほがラボメンになっていくのが、話の軸になるかな、と思う。楽しみだ。
まほ先輩が紅莉栖の遺言を預けられないのは、オカリンへの不信だけでなく、紅莉栖への愛情由来でもあるだろうしなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
ここでも『一人で抱え込む辛さ』は共通していて、それを乗り越えるためには葛藤の重たさ、決断の苛烈さ、受け止める強靭さを積み重ねる必要がある。ゼロ最大のテーマな気がする。
主筋はそんな感じだが、フブキさんの新型脳炎とか弱いリーディングシュタイナーとか、有能萌郁さんとか、頼れるものは地主と権力なフェイリスとか、サブの描写も多い回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
状況は予断を許さないながらも、ギャグ描写が挟まる余裕がチマチマ生まれて、変化を巧く見せていた。息抜きが嬉しい。
紅莉栖から貰ったエールで、歪みつつも再起動した岡部くん。その歩みが未来を切り開いていく姿が心地よい、新たな転換点でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
話が動く気持ちよさに身を任せつつ、『そうそう甘くないぞ…』というサインもみっしり出ていて、とても面白い。やっぱGN牧瀬との会話はオカリンヤベーよマジ…。
DARPAにストラス4にロシア陣営。未だ敵の顔は見えないながら、名前はついた、という回でもありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月6日
輪郭だけが不気味に蠢く敵を相手に、岡部倫太郎と仲間たちの戦いはどう進むか。そこで流れる魂の血は、どんな色をしているか。来週も楽しみですね。