アイカツフレンズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
蝶のように舞い、花のように咲く。情熱のアイドル、蝶之舞花。
そんな彼女もスターハーモニーカップの敗北を引きずり、自分の光を見失っていた。
ミューズとしての輝き、誰かの笑顔を引き出す力。それを取り戻すための鍵は、家族とボクシングと鳥人間ッ!!
そんな感じの、超絶てんこ盛り剛速変化球回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
演出、構成、作画に芝居。いろんなモノがフレンズの規範から離れているのだが、一発一発のパンチが圧倒的に強く、グッと見るものを引き寄せる。
圧倒的な腕力勝負を押し切るのは、さすが京極"ラブライブ"監督(あるいはDMF副監督)というべきか。
今回のお話は色んな所が特殊で、フレンズっぽくなく、しかし効果的である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
例えば基本、フレンズの仲良し力で押し切ってどうにかするフレンズルール。エマのサポートはとても良い位置につけているものの、あくまで悩み答えを見つけるのは舞華…と家族の支援である。
諏訪部順一、山口由里子、小野賢章と豪華キャストが並んだ家族は、良い感じのボクシング作画(二段影と肩の筋肉を動かすパンチの作画が、非常にかっこいい)を貰って、存在感が凄い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
オヤジが娘LOVEに吹き上がる天丼の演出も良いし、お兄ちゃんの寡黙なキャラも良い。
コメディ色を全面に押し出しつつ、舞花がなかなか言い出せない敗北をちゃんと察し、血縁だろうとしっかり謝って応援できる心遣いも見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
ここまで家族描写が薄かったのを一気に補う、良い親父さんだった。むっつり武道家なのに、妹LOVEなお兄ちゃんも良い。ママンも可愛い。
ここまでフレンズはロマンスの文脈を借りつつ、"フレンズ"という関係の特別さ、強い力を強調する方針で進んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
ここで家族の支えを重視し、舞花が独力で道を見つける展開は結構な変化球だが、それは作品世界を巧く広げ、既存の魅力を更に強めたと言える。
エマちゃんも巧く後ろに下がりつつ、舞花の成長を後押しし見守る良いフレンズ、いいお姉さん、良い戦友っぷりで、非常にバランスが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
やや引いたカメラで細かい表情の変化、全身で元気な芝居を切り取るアングルが生きて、今週女の子がとにかく可愛い。伊達や酔狂でラブライブ当ててないね。
舞花もエマちゃんも、表情がコロコロと変わって活き活きしていて、凄く瑞々しく青春しているのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
それは舞花一人が悩まなきゃいけない問題だし、エマが助けてあげなきゃいけない問題でもある。孤独と友情が両立する特別な時間が、凄くビカっと光る瞬間を、逃さず捉える眼の良さ。
それが勢いで押し切る展開に魂を宿し、載せ過ぎなのにコーナリングのキレがいい、満足度の高い視聴体験を生んでいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
今回すごくいろんな事が起きてんだけど、食い足りねぇ、って感じがないんだよね。コミカルにシリアスにしろ、Ⅰカットごとのカロリーが高くて味付けが的確。
フレンズらしいSE芸なんかも活用して、コミカルなシーンをとにかく元気に、楽しく走っていたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
笑えるシーンでしっかり笑うと、明暗の区別がはっきりしたシリアスなシーンの重さも、しっかり食べれれるわけで。とにかくメリハリのよく付いたエピソードだった。
舞花の心を反映するように、今回のライティングは強い。光は過剰に画面にあふれて、影を濃く落とす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
心にダメージを負ったり、ドラマティックに状況が変化するシーンは、劇的なライティングで。コミカルでライトなシーンは、ややフラットな照明で。ここら辺の切り分けもハッキリしていて効果的だった
道を見失った舞花に呼応して、天が涙する。家族とフレンズの支えで飛ぶべき空を見つけたときは、一気に空は晴れ渡る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
ここら辺の心理第一主義も、アイドルスポ根の王道といえる。というか、京極監督が第一人者として、道を付けた演出ロジックであったりする。
アイドルが本気になれば、雨は止むのだ。
バードガールの着地地点から、ステージまではどう考えてもむちゃくちゃ遠い。あの大飛行を終えて全力疾走して、すぐさまステージはキツいだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
だがそういう面白くないツッコミは、アガる演出で速度を上げたドラマに押し流され、気にならなくなる。そういうパワーがちゃんとある。
勢いで押し切るためには細かいエモーションの描写が大事。バードスーツを着込んでエマに背中を任せ、飛び立つまでのキャッツ仲良しシーケンスの可愛らしさ、ガーリィな活力の繊細な描写は、やっぱり凄い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
仕草一つ、表情一つの際が立ってて、パワーがあんだよねやっぱ。それを足場に、無茶も押せる。
掟破りのWステージも、2D作画での飛行シーンを挟むタイミングがドンピシャで、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
誰かへの応援歌である"おけまる"を歌ってるエマちゃんは『みんなのアイドル』なんだけども、フレンズの飛行シーンとかぶせることで『舞花だけのアイドル』でもあることを、一発で納得させるんだよなぁ…。
それは『ミューズにならなきゃ』という義務意識に固くなってた舞花、ノアさんがNOをだした舞花とは、間逆な姿。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
"アイドル"として全力で務めることが、特別な誰かの背中を押す。その輝きが、特定の誰かを飛び越え、"みんな"に届いていく。
そういう幸福な共犯は、フレンズでは特に大事にされている。
アイドルカツドウとは、少し離れたバードガールのお仕事。ミューズともグランプリとも関係のない、眼の前の一瞬。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
それをかけがえのないフレンズとやりきり、自分らしく全力疾走することで生まれた輝きが、舞花をミューズに戻す。大事なのはあくまで、自分らしく輝くこと。
そういうキラッとした輝きを、ズバッと刺さる魔球を乱打して描ききる良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
アイカツフレンズが何をするアニメか、2クール終わるこの頃合い、だいたい染み込んできてる。だからこそ、パワーのある才能に脚本も演出も任せ、独自の味を出して逸脱する試みは、大成功だったと思います。
今回の話があることで、舞花が結構暗い部分もある女の子で、キレのあるダンスが家業に関わるもので、家族関係がトンチキだけど良好で、迷ったりもするけど自分の道を全力疾走できるチャーミングな女の子だということが、ズバッと胸に突き刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
ツナギを脱ぎ捨て疾走のシーン、マジ青春の風吹いてた
そこで終わらず、フレンズに頼るだけではなく、かといってフレンズを欠いて成立するわけでもないフレンズ世界を、大きく拡張するお話でもありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
こういうエピソードがあると、シリーズが縮こまらずいろんな冒険ができるようになるので、とても大事だし、素晴らしかったと思います。
独自色を振り回すだけでなく、運命が動き出す瞬間に鳩と鐘のモチーフを出したり、白百合姉妹とキャットの顔合わせが凄くいい感じに進んだり、フレンズらしさ、今後のフレンズを見据えた演出も随所に見えんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
尺自体は少ないのに、ピュアパレもムーンも可愛く存在感があったのは、さすがの魔法。
ハチャメチャに見える話なんだけども、明暗や目線、レイアウトや境界線で心理を画面に焼き付けていく手腕が圧倒的に上手くて、少女の繊細な心がブワッと迫ってくんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
そのことが、パワーで押す展開に細やかさを与えて、効果的に心を動かしてくる。やっぱ京極監督スゲーなホント…。
というわけで、舞花の個別エピとしても、フレンズ全体の今後にとっても、凄くいいエピソードだったと思います。ボクシング作画、気合はいってたなぁ…ウェートシフトと肩関節の描写、良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月13日
次週は、月と流星が現場で出会うようです。怖いもの知らずのRMに、LMはどう対峙するか。楽しみですね