からくりサーカスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
戦場に道化師が踊る。赤い血、白い血、生存の証明が飛沫く。
子どもたちの命を吸った、アクア・ウィターエの重さ。それを裏切らないために、鳴海は己を悪鬼(デーモン)へと変じた。
しろがねは化粧の奥で殺意を光らし、黒い死神に対峙する。去った愛しさに、口付を残して。
というわけでからくり編とサーカス編、行ったり来たりしながらガンガン進むからくりサーカスである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
今回は鳴海VSアンゼルムす&パウルマンの決着、”黒”のヴィルマ登場と闘争、和解までを一話に詰め込んだよくばりパックである。ふーむ、早い早い面白い。
アメリカと日本、戦場と日常。舞台は別れても共通するものは多く、そして道は別の方向へ繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
鳴海もしろがねも新しい仲間を手に入れるが、その歩みは機械を殺す機械と、人を笑わせる人形に別れている。
銀髪のババァに美形のニーちゃんと、抜群ボディの黒いねーちゃん。どっちの仲間も剣呑だ
しろがねは画面に映ると1話で三回くらい鳴海にーちゃんのことを思い出す、かなり重篤な鳴海好き好き病である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
命の価値を知れ。人間として生きろ。
その言葉が嬉しかったから、しろがねは変わりたいと願い、殺し屋の生き方を止める。勝も命を粗末にする生き方を止める。
そんな二人の情念は、強い視線と死闘を通じて共有され、ヴィルマの生き方も変えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
過去の悲しみ、自分の生き方に引きずられつつも、明日の方、笑いの方へ。そんなポジティブな歩みとは間逆な、悪鬼の童貞を鳴海は進んでいく。思い出すべき記憶が、鳴海にはない。
拳法VS自動人形はダイナミックなカメラワーク、荒々しい表現が冴え渡り、とても迫力があった。パウルマン先生とアンゼルムスのトンチキ攻撃も、自動人形の異形を上手く際立たせ、不気味でよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
アクションのカタルシスの奥に、血みどろの痛ましさ、裂けた心の痛みが、強く伝わってくる。
気をぶち込み、自動人形に死を与える鳴海の傷は、すぐさま癒える。しかし引き裂かれた心は血を流し、体が治ってもそれは癒えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
アクア・ウィターエに選ばれた特別な存在だからこそ、拳を奮って戦えるが、そこに高揚感はない。あるのは、救えたはずの命を背負ってしまった重たさと戦場の血生臭さだ
鳴海がしろがねに『人として生きろ。命を大事にしろ』という祝福を与えたことが、今回の戦いを生き残らせ、新しい仲間の手を取らせることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
その鳴海自身は記憶を失い、それでも胸の奥でうずく仁義の心の命じるままに、子どもたちを守るために拳を振るう。だがその血みどろは、笑えない。
日常編ではギャグだった『人を笑わせるのが下手な鳴海』という描写が、戦場で描かれると全くどシリアスな、とても悲しいシーンになるのが面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
鳴海は何も変わっていない。でも状況と運命は、残酷に変化を連れてくる。だから、鳴海も変わるしか無い。
白い血も赤い血も咲き乱れさせながら、鳴海は勝利する。だが守りたかったものは自分の手を離れ、人形殺しの人形としての生き方を、鳴海は受け入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
赤い血は人間の証明。涙を流せない悪鬼は、瞳からそれを流す。
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そんな鳴海を受け入れた、銀髪の戦士たちは一体どんな血の色をしているのか。やや駆け足気味の現状だとまだまだ見えてこないが、またカメラが”からくり”に寄ってきたら、よく見えるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
死を超越した怪物も、血の涙を流す。鳴海の証明した事実を、この戦士たちに適応できるか、否か。楽しみだ。
鳴海がどす黒い戦場に、道化の仮面を付けて深く踏み込む中、しろがねはホワイトフェイスで顔を飾り、人を笑わせていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
芸は身を助く。人付き合いが苦手なスパルタン女でも、ジャグリング回せばみんな楽しんでくれる。
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その笑顔が作りものなのか、というと、そうでもあるしそうでもない。鳴海が仮面の奥に血涙を封じ込めたように、笑顔の奥には冷酷な戦士の評定があり、その奥には人間の鼓動がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
いろいろ裏腹なものを抱え込んでいるからこそ、人間は人間なのだろう。
過酷な戦場から遠ざけられたからか、今週のしろがねはちょっと作画が丸っこくて、とても可愛かった。林原さんがオンオフ激しい内面を上手く演技し、メリハリが聞いてたのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
アニがねは完全萌えキャらだよな~…女にモテすぎるし…。やっぱ百合ヲタに媚びてるな…(アニメ統合失調症)
そんなしろがねに忍び寄る、黒の殺し屋。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
ヴィルマの”黒”としろがねの”白”が美麗に交錯し、日常の中に戦場が生まれ、戦場で魂が結びつく展開は、シャープでよかった。カラーリングの対比が良いよね、この二人。
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道化とナイフ投げ師。テントを家とするカンパニーとして出会った二人は、夜闇の中で殺し合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
ヴィルマは弟の面影を勝に見つつ、それを殺して刃を投げる。しろがねは己の体でそれを受け止めつつ、鳴海の約束を護り、人形だった過去を乗り越え始める。錯綜する”感情”の摩擦熱なんだよなぁ…。
ゾナハ病、弟のような存在、命の重さ、身につけた芸を殺しに使う矛盾。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
しろがねとヴィルマは勝と鳴海、二人の男を挟んで鏡合わせとなる。過去に縛られつつ、それでも先に進みたいと願う二人は、いつしか同じ赤い血を流し、人間の証明を行う。
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ヴィルマが情に負け、最後の一撃を勝にもしろがねにも届かせられない時、初めて血を流すのが印象的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
ヴィルマは己の中の優しさに負けた。弟を笑わせてやりたい、命を守りたいという感情に。
でもそれは、価値のある敗北だ。人形だったしろがねが、鳴海に完全敗北したように。惚れるが負けである。
かくしてヴィルマは殺しの技を芸に変えて、サーカス一座に潜り込む。しろがねと同じく、殺人兵器からの人間やり直しである。その道程は凸凹険しく、ワイワイ楽しい。仲間もいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
鳴海がしろがねのオファーを受け入れ、自動人形を殺戮する悪鬼になったのと同じ回にやるのが、なかなかにシビアだ。
ヴィルマとしろがねの接触がちょっとエッチなのが、ほんと良いんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
鳴海とのプラトニックな魂のふれあいとは、ちょっと違う黒いコンタクト。そこにある誂いと滑らかなボディラインが、なんつうのかな…”生きてる”って感じを強くしてくれる。
さて、そんな白と黒の接触の間に立ち、ヒロインやってた勝くん。相変わらずアニ勝はセクシーだな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
しろがねや鳴海と違い、彼は自動人形由来の暴力を有しないけども、相変わらず”目”が良い。しろがねが気づけなかった、ヴィルマの傷。二発外したナイフの意味を、ちゃんと見抜く。
その鋭い眼光は破邪顕正の鏡となって、ヴィルマがまだ人間だった頃、ワイルドウエストナイフショーを夢見た時代を思い出させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
鳴海にーちゃんが記憶をなくした今、暴力に頼らない人格戦闘だと、勝が一番強いんだな。直接ダメージを稼ぐアタッカーではなく、人間性を回復させるヒーラーとしての強さ
鳴海もヴィルマも、ゾナハ病の子供のためにデーモンになる。鳴海は屍山血河の修羅道を進み。ヴィルマは勝としろがねの助けでそこから抜け出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
様々な運命が複雑に絡み合いながら、それぞれの道を準備する。強さの在り処、運命の落ち着く先は、どこになるのか。群像の大河を見ているのが楽しい。
かくして交わった白と黒、赤と銀であるが、まだまだ運命の再開は遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月23日
数奇な運命に翻弄されつつ、それぞれの戦場、それぞれの日常を歩む役者たちが、どんな物語を紡いでいくのか。来週も楽しみですね。
やっぱ大胆な再構築が、原作のポテンシャルを上げる方向に作用してる感じだな。おもろいわ。