色づく世界の明日から を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
静かに降り積もる雪のように、時と思いは積み重なる。それを逆しまに戻す魔法は、果たして人を幸せにできるのか。
琥珀は『魔法で人を幸せにしたい』という始原の夢を置い、瞳美の回復を目指す。色を戻し、時を戻し、恋を後押しする。
それは本当に、幸福への道なのか
そんな感じの、ちょっと不穏な後半戦開始回。これまで積み上げてきたものが静かに、しかし確かに発火してきた感じがあって、非常に面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
もともとこのアニメ面白かったんだけども、じわじわと量を積み上げた結果、質的変化が起きた感じ。こういう変化を味わいたくて、物語を食べ続けてる感じもある
お話としては前回衝撃のカムアウト…をスルッと受け入れて、琥珀の人格を掘り下げていく展開に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
魔法とか未来人とかを自然に受け止めた連中が、視覚障害くらいでヒくわけないわな。将くんは自分の不甲斐なさ、瞳美の辛さを想像して曇ってたが…おめーどんだけイケメンよ。
琥珀は初めてワンドを握ったときから、魔法を他人の幸福のために使いたかった。星舞い散る可愛い魔法なのに、既に物理攻撃力が発生してふすまぶち破ってるのが、琥珀らしくていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
時を戻す魔法も、未来の自分がしでかした償いであり、瞳美の幸福を増進するためだ。
そんな琥珀は、瞳美の世界に色を取り戻す手伝いも、しっかり果たす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
条件調査を重ね、実験から法則を導き出そうとする科学者。あるいは、QOLを下げる問題に真摯に向き合う医療者。
琥珀の新しい顔が見える回だが、その賢さも優しさも彼女らしいと、素直に飲み込める。じわじわ描写を積んだおかげだね
焦ることなく当たり前の感情、柔らかな変化を積み重ねて、美しい世界を織っていく。派手さのない歩み、体温のあるキャラクター描写が、物語が佳境を迎えたこのタイミングで、非常にいい形で発露している気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
彼女たちがそこにいて、青春を嘘なく生きているという実感。
それはこの作品の、ともすれば弱点とも受け止められかねない地味さから生まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
魔法や時空操作という派手なネタを扱いつつも、全てを日常が静かに覆って、何も大きな音が立たない。ただただ静謐に、物語的音符を確かな場所に置いてきたことが、有機的な繋がりと実感を生んで今に至る。
これはとても勇気と腕がいる物語の運びで、ここまでこの亜に目を見てきてよかったなぁ、とつくづく思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
後半発火し始める恋の花火も含めて、作品が語りかけてくる幽き声に耳を傾け、ちゃんと見ていたことが、今意味を成す。視聴者冥利に尽きる体験だ。
静かな変化を積み重ねているのは瞳美も同じで、友達と青春を楽しみつつ、恋に友情に明るく微笑む瞳美ちゃんは、物語開始時の彼女と同じには見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
そんな変化が全く唐突ではなく、これまでこのアニメが描いてきた一瞬一瞬の結果なのだと思えるように、しっかりこの作品は作られている。
見せられた物語に嘘がないから、今の瞳美ちゃんの変化を心から喜べるし、とても可愛く、イキイキと見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
だから、それが運命によって唐突に奪われてしまう可能性、時間の修正力の怖さに震える琥珀にも、ちゃんと共感できる。描写の強さが、ドラマの中で生きる。
静かに進めていくことを選んだ物語の、ある種の理想形を穏やかに飲み込めていて、このアニメを食べる時間はとても幸福だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
気ぶりババアの琥珀に振り回され、唯翔くんとのドキドキタイムに顔を赤らめる瞳美ちゃんは、まるで本物の友達のように愛おしく、かわいい。幸せになってほしい。
しかしそうもいかないのが世界の恐ろしさであり、これまでこの物語があまり踏み込まなかった領域でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
幸福で優しい世界として、残酷さを排除して進めることもできただろうけど、この作品はそれを選ばない。時を操る魔法には代償が伴い、幸福がどんな形をしているか見抜くのは、いつだって難しい
そういう残酷さが無視されないからこそ、瞳美ちゃん達の恋と青春は嘘がないものだとも思えるし、ここでそこに踏み込んだのは正解だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
時間は、人の思いとは関係なく転がっていく。それをせき止める魔法は、思い通りの結果を出さない。一時奇跡を起こしても、薔薇はしおれ、カメラは壊れてしまう。
摂理に抗ってでも幸福を目指す琥珀だが、そもそも瞳美を未来に戻すことが幸福なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
賢く能力もあるだけに、まだ幸福な夢の中にいる仲間とは別の世界が、琥珀には見えてしまう。才気というものの幸と不幸も、琥珀がバリバリ頑張る今回、鮮明に見えたと思う。
彼女が真摯で優秀な魔法科学者であることは、ノートを見てもわかる。60年後の自分が見つけた、時間遡行の大魔法。その作動原理である”月光”に、この段階でたどり着いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
賢い人を賢く描くのはなかなか難しいけど、それをスマートにやってて偉い。
© 色づく世界の明日から製作委員会 pic.twitter.com/uEamz08GBN
アートマジックという、感覚的で実体がつかみにくいものを、科学的分析で扱う。原因を突き止め、理由を洗い出し、理論を探るクレバーさが、魔法の実在感を強めてもくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
エブリデイ・マジックとしてみても、非常に秀逸な描写だ。魔法に強い実在感がある。
みんなを幸せにする一瞬の幻影は、地道でリアルな調査と、冷静な観察眼で出来ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
持ち前の科学者気質で、幸福の裏腹なあり方もしっかり見据えてしまう琥珀は、果たして望む魔法にたどり着けるのか。
クライマックスを前に、恋や因果とはまた違う大事な問題が、琥珀に背負わされた感じもある。
琥珀は人格も能力も優秀で、曇りがないからこそみんなを答えに引っ張ってくれるキャラだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
それがある種の単調さ、陰影の弱さを生んでもいたんだが、今回才気溢れるからこその悩みが鮮明に描かれたことで、キャラに深みが増した感じもある。良い運び方だ。
キャラが別の顔(といっても、今まで描かれてきたものの延長線上にある表情だが)を見せるのは、将くんも同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
瞳美の事を気にかけ、優しく見守ってくれる表情はそのままに、自分を置いてけぼりに進んでいく恋への焦り、親友でありライバルでもある唯翔への牽制を見せてきた。
静かに編まれてきた恋のタピストリが、遂にその全容を見せてきた感じもあり、このメラメラした空気はとても面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
あさぎちゃんのナチュラルボーン負け犬っぷりも加速しており、全く目が離せない。胡桃が優しくおせっかい焼くところ良かったなー…『辛いんだ』はいいセリフ。
将くんはほんと良い男で、他人の痛みに心から共感して、なおかつ押し付けがましくなく想いを隣に置いて、瞳美と時間を共有してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
このさりげなく清純な空気を吸ったら、俺の肺は拒絶反応で破裂しちゃうんだろうなってくらい、清く尊い。ホンマピュアボーイ好き…。
そんな彼も『好き』と言い出せないもどかしさを背負って、親友をけしかけたりもする。無言で抜け駆けとか一切できないところが、マジピュアボーイである。親友だからこそ、真っ向勝負したいんだよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
唯翔くんも感情センサーが鈍いわけではないので、ここら辺の綱引きは大きく動きそうだ。
将くんの恋は今回突然発火したわけではなく、未来から来た美しい少女と出会った瞬間から、その火種はあった。映像はそれをちゃんと写し取って、こちらに見せてきていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
そういうサインの出し方が上手いアニメであるから、今回の発火を『待ちに待った』と思えるのだろう。https://t.co/d7Tv7jn96G
琥珀の夢、みんなの恋。様々なものが陰影を深め、新しい顔を見せるエピソードでした。しかしそれらは全て、静かな語り口の中で確かに描かれ、事前に予感させられてきたものです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
そういう要素を一つに繋いで、大きな物語を編む。青春が決定的にうねる瞬間へと、豊かに踏み出していく。
クライマックスへの第一歩を、このアニメらしく静かに、強く、大きく踏み出すエピソードであり、とても楽しかったです。こちらの期待通り、想定通り、予想以上に”化け”てくれて、非常に嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
来週も楽しみですね。
追記 マジカルSFとしての大ネタも、しっかり使ってくるのが偉い。小技も大技も、的確に使いこなせている。
色づく世界追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
蓄積を生かしてきてるのはキャラ描写だけでなく、物語を引っ張る大きな謎もそうだ。
60年の時間を越えて、運命に出会った少女。そんな彼女を、世界の摂理は未来に戻すだろう。だが、どうやって? そして、その結果どうなる?
時空転移をテーマにした段階で、視聴者みんなが気になっていたところ。緩やかな日常描写の中で、忘却されていたように見えていたもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
琥珀の陰りを描く中で、その問題が深く深く、物語の中心へと切り込まれていく。思っていたとおり、重大な問題なのだと見えてくる。
そういう期待感のすくい上げ方が今回の展開にはあり、非常にドキドキした。やっぱ60年時間飛ばすのは大事件だよな、そりゃ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
同時に、そういう大事を大事と扱わない自然さが、この作品の心地よさであり独自さであることも、僕らは知っている。両方とも、とても面白い。
大げさでパワフルなケレンと、静かで暖かい静けさの同居。そんな作品の強さが見えるところも、今回のお話が楽しかった理由だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月24日
地味なだけでもなく、派手さの使い方を間違えるわけでもない。自分なりの語り口をしっかり持ってるアニメは、やはり見ていて面白い。次回が楽しみだ。