Dr.STONEを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
遂にその凶猛をむき出しにした、霊長類最強の高校生・司。
選別か、再生か。人類の未来を決める智力戦を制するべく、千空一行は箱根を目指す。
500万年分の科学チートで、黒色火薬錬成！ なるか一発逆転大勝負！！
そんな感じの第3話、相変わらずの剛速テンポで進む、覇王VS賢王の騙し合いである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
フツーのお話なら足を止めて悩んでしまいそうなところを、10週打ち切りの"圧"と戦うべく高速でぶっ飛ばして、アクションとサスペンスてんこ盛りで全力疾走している頃合いのお話である。濃度スゲーなやっぱこの頃。
箱根に行き着くまでの展開は『フツーここで止まるやろ』と『ここで止まったら面白くないやろ』のせめぎあいが、あらゆる場所で見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
例えば冒頭、泉の場所を秘密にしたい千空の思惑を、バカの大樹がベラベラ喋って無駄にする。おかげでソッコー杠を蘇生し、箱根を目指すことになる。
それは『善良すぎて人を疑わない』『思いついたことは全て言葉にする』大樹のキャラ性を利して、物語の停滞を防ぐ工夫である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
ここで知るか知られるか、ドキドキ引っ掛け合いバトルしてても…それはそれで面白そうではあるし、情報戦はこのお話の大事な養素なんだがね。
とまれ作者は状況を高速で転がし、追いつ追われつのハードアクションを始動させる方向に舵を切る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
大樹は千空を信頼し、余計な言い合いはしない。杠はサックリ蘇生し、手弱女の面倒くささで足を引っ張ることもしない。とにかく話が逗まらず、怒涛の勢いで流れていく。
このペースとテンポは、高度に圧縮された漫画力（を的確に演出するアニメ力）で下支えされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
ネームが良く、コマあたりの情報量が多いうえによく整理されているので、展開は早いが説明不足、キャラ性の取りこぼしは非常に少ない。物語内部のロジックはスルスルと流れていく。
例えば司の本性を、大樹に説明するシーン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
千空のセリフを引き受けるように、司は闇の中から家族連れを見つけ、少女に貝殻を、大人に死をプレゼントする。そして闇の中に再び沈む。
©米スタジオ・Boichi／集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/cuR42fTPiM
千空チームが立ち向かうべき司の"暴"が、どういう理屈で動いて、どこから出てどこに向かっていくのか、非常に上手く見せるシーンだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
彼は微笑みながら闇から出て、闇に帰る。殺人の基準はただただ年齢、選別の傲慢を隠そうともしない。
そう云う人間だから立ち向かわなきゃいけないし、しかし彼が背負う"暴"の闇は異常に強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
ストーンワールド奥義、二指真空把でクロスボウボルト止めるところのインチキっぷりは、いいアニメを貰って印象的だった。弩通じないことで、火薬までレベルアップする必要よく判るしねぇ…。
石化した死体を司が突きつけることで、千空への信頼感だけで飲み込んでいた状況は、差し迫った危機として三人に共有される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
ここら辺の情報圧縮も、己の傲慢を一切恥じることのない司の覇道を鑑みると、結構自然な行動に見える。
狐のように騙すより、獅子のように荒れ狂う生き物なのだ。獅子王だから
こうして圧縮した時間を適切に使うのも、24分と尺が定まってるアニメらしい楽しさだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
今回は箱根までの道のりがやや膨らまされていて、冒険の楽しさがみっしりと詰まっていた。紅一点・杠が加わって、少し色気が増えたな！
過去シーンをカットアップして、大樹万感の思いを結構丁寧に見せてくれたのも、あの二人が好きな自分としてはありがたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
大樹はとにかくまっすぐな男なんスよ、恋も活き方も…その熱いパワーを受け取るだけの、穏やかな強さを杠もしっかり持ってて、いい女なんスよ…似合いの二人なんスよ…。
専守防衛マン大樹をエンジンに、三人の長い遠足はストーンワールドを駆けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
決死の逃避行であり、必勝の反撃開始でもあるのだが、同時に青年らしい瑞々しさが満ちた旅でもあり、妙に心が弾む。
硫黄を目指す旅が暗い感じにならないのは、その先にある逆転を期待させていい。
染井吉野から山桜へ。人の手を借りなければ生きられない種が亡び、ワイルダネスを原種が闊歩する世界は、それでも美しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
やっぱ美術の強さが良い詩情を生んで、ストーンワールドの魅力を伝えれているのは非常にグッド。旅モノとしても楽しい
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文明の残滓に、目覚めたばかりの杠が涙する。それをさり気なく止めるべく、小狡い盗掘者の顔で千空がはしゃぐ所が、優しくて好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
スゲー分かりにくい形でツンデレなんだよなアイツ…「泣くんじゃねぇ…」みたいな湿ったリアクションは、ダサいのでしない。涙は道化を演じて止めるタイプ。
鎌倉を超えて箱根、強羅へ。神奈川横断の旅路をサクサク進めつつ、蘇生液＝回復液でもある伏線なんぞ張りつつ、一先ずは千空チームのアドバンテージである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
これを掴むべく、千空が小賢しいマインド・ゲームを全領域で貼っているのが、健気でいい。やれることは全部やって、勝ちの確率を上げるのだ。
司は体力と智力を兼ね備えているので、その策略に振り回されつつも、完全に騙されもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
知性派二人のマインド・ゲームは、お互いの株を下げることなく決戦を盛り上げていく。やるべきことをやりきっている充足感も、お話の足場をしっかり固める。
とはいえ智力（と人徳）に特化した千空が、一旦はアドを取った形で今回は終わり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
千空チームにない"暴"というカードを、どのタイミングでどう使うか。お互いの手札を探り、騙し合うコンゲームの味わいが、サバイバルアクションと上手く混ざっている。
少年漫画らしい『友情・努力・勝利』と、青年誌テイストのある騙し合いのスリル、教養漫画の面白さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
色んな面白さが渾然一体となっているところに、このお話の大きな魅力があるし、アニメはそれを貪欲に"アニメ"にしてくれていると思う。うーむ、面白い。
順調に見える科学リベンジだけども、相手はひとり北斗の拳。誰よりも早い足で追いつき、チート暴力をぶん回してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月19日
そこで三人が土雨力を合わせ、対抗していくか。はずみの付いた物語は止まることなく、面白さは加速していく。
いいアニメだ…来週も楽しみ！
