ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
招待状に導かれ、乗り込んだ魔眼蒐集列車。有象無象が思惑と欲望を隠し、豪華な客車に揺られている。
伸びる探りの手、見透かされる過去と未来。言葉少なく、師弟はお互いを思う、
優しさを切り裂いて悲鳴が、汽笛のように鳴る。
というわけで、六話のオリジナルを経て動き出した魔眼蒐集列車、小説原作に六話構成で切り込んでいくエピソードの開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
車内の美術がゆったりと美麗で、旅番組としての事件簿アニメの魅力をたっぷり堪能できる仕上がりだった。
殺人事件は次回へのヒキに配置されるため、風景を見る余裕もあるし
同時に色々種を蒔くエピソードでもあり、意味深なカットが切り取る謎や秘密が、今後どう生きるかは楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
何かが起きそうな期待感は、重厚な列車の内装に詰め込まれた有象無象からも湧き上がる。何なんだ…あの和服の象…。
脅迫はされつつも、切迫した事件はない列車の旅。カメラはどっしりと、師弟が思いと視線を絡ませる様子を追う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
二世とグレイが身を置く魔術世界、時計塔の政治と魔術師の常識をシリーズ前半で描写しておいたのが、今回行きていたと思う。
ライネスもいないし、グレイちゃん独壇場!
と思いきや、恋愛ともまた違う繋がり、師弟と言い切れない距離感を乗り越えていくのはなかなか難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
ここらへんをはっきりさせるために、愛人志願のイヴェットがいい仕事していた。彼女の混乱したキャラ性を表現する、混沌てんこ盛りな花瓶が面白い。
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二世は大歓迎のイヴェットを避けて、グレイの隣を選ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
脂っこい色恋沙汰を嫌っているのか、個人的な相性が悪いのか。いやまぁ、雪華綺晶みてぇなカラーリングしたトンチキ娘、俺も滅法御免だけどさ…。
殺人事件が未だ走ってない今回、キャラクターはお互いを招き、テーブル越しに歓談する。
列車の中で、あるいは外で。軽い飲料を介した社交は行われ、しかし体重をお互い預けきらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
そんな中で、聖堂教会の優しいおじさんがくれたリンゴは、魔術関係なくグレイを癒やす。教会関係者が”林檎”かぁ…いい人そうだが、裏があるのかなぁ。
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列車の中で、あるいは外で。軽い飲料を介した社交は行われ、しかし体重をお互い預けきらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
そんな中で、聖堂教会の優しいおじさんがくれたリンゴは、魔術関係なくグレイを癒やす。教会関係者が”林檎”かぁ…いい人そうだが、裏があるのかなぁ。
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ウェイバー・ベルベット(ZERO)にカウレス、獅子劫(Apocrypha)、オルガマリー(FGO)、ルヴィア(SN)…Fateヴァースの接合点としても面白い、盛りだくさんの魔眼列車。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
色んな関係が錯綜しつつ、お互いを預ける信頼感はない。これまで描かれた魔術社会の政治と、似た匂いがする。
そこから半歩踏み出した人間味が、グレイの”吐き気”として表現されるのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
グレイは列車に酔って、体調を崩す。二世はその体を受け止めるけども、それは未来視によって捏造された気づかいであり、小さな政治の一端でもある。
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後に一時停車した時、オルガマリーもまた”吐き気”を堪えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
それを受け止めるべき家庭教師は斬首されてしまうわけだが、彼女もグレイと同じ側…魔術師より人間として優秀な岸の住人なのだろう。善人(あるいは常人)なのだ。
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外野としては『行け! そこだ! 勝て!』って感じであるが、グレイと二世の関係はなかなか複雑なので、『抱きとめられてトゥンク…』みたいな易い展開は訪れない。残念だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
密室の政治領域に背中を向けたグレイは、聖堂教会おじさんに林檎と真心をもらい、血の通った”人生経験”から助言される。
アーサー王の似姿。英雄伝説が終わった後の影たる英霊を、更に写し取る曖昧なフォルム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
グレイは自分が何であるか、確かな認識が持てていないのだろう。曖昧なグリザイユだからこそ、想い出に刻まれた自分、他人の仲の自分を強く気にかける。刻んでくれている二世を慕う。
二世も、ウェイバー・ベルベットとエルメロイ二世の間で揺れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
ロックグラスを鏡に使って、大人と子供、現在と過去を揺れ動く自我を描くのはなかなか面白かった。郷愁と願いに引き裂かれながら、二世はお酒が飲める歳になってしまった。
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未来視、過去視、感情視。見えざるものを掴む魔眼が多数描かれる今回だが、一番力強く表現されているのは何の力も持たない凡人の眼である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
お互いの心を思い、その傷を撫でながら、共感を寄せていく時の瞳。見えないものを、見えないからこそ見ようとする視線。
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それが二人の間で共有されているのなら、戸惑う人にプレゼントを差し出す優しさがあるのなら、待ち構える困難も乗り越えていける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
そういう予兆を静かに見せる、落ち着いた立ち上がりであったと思う。グレイちゃんは時々、二世のママみたいだねぇ…あるいは、二世が迷い子なのか。
二世も昔の男の名残に浸るだけでなく、けじめを付けて前に進みたいと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
だがそれは思うだけでは足らず、何か決定的な事象…例えば再召喚して覚えているのか、忘れているのか確認する、が必要な難事だ。
そのチャンスを奪われて、二世は列車に乗った。魔眼が欲しいわけじゃない。
オークションはお互いの欲望を隠して進行する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
伏せ札が当然の社交場だから、『二世が魔眼を欲していない』というズレに誰も気づかない。皆、(自分と同じように)魔眼を欲して列車に乗ったと思っている。
この情報アドバンテージを、探偵がどう活かすかは気になるところだ。
露骨に『怪しいですよ!』と現れた眼封じのオークショナーと車掌。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
列車内秩序から外れた場所で交流する、法制課の女ギツネと魔術師。
ワトスン役が見咎めた装飾品と、その主の死体。
色々、気になるポイントは多い。
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兎にも角にも、名探偵あるところに事件あり。オルガマリーはまーたブルブル震えんのか…災難だなぁ所長も。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日
義妹が用意した別働隊がどういう働きするかも、事件を追う中で二世とグレイの傷がどう変化するかも気になる。
うまい具合に興味の種を巻いた、エピソードの幕開けでした。来週も楽しみ。