GRANBLUE FANTASY The Animation Season2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
天を切り裂く稲妻は、重く抱えた思いの証。吠えても叫んでも届かない思いを、どこに預ければ良いのやら。
ヴィーラの激情は帝国艦隊を引き裂き、なお止まらない。カタリナのエゴと愛は、騎空団の絆は、朱い狂愛を受け止めきれるのか。
そんな感じの、アルビオン編完結ッ! なエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
相変わらずヴィーラさんの凶暴な純愛がビリビリ来るが、領主として、シュヴァリエの契約者として育んでいたものにしっかり目を向けて、かなり良いところに落着させてくれた。
”公”としてのヴィーラに、”私”としての彼女を引受させた、というか。
冒頭、星晶獣人間のインチキパワーをぶん回し、ベッコベコに壊れていくアルビオン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
”虫けら”と強い言葉を使いつつ、ヴィーラさんの視界には逃げ惑う市民がちゃんと入っている。ここは小さな描写なんだが、すごく大事だと思う。
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ヴィーラさん自身が領主として、自分がぶん回すパワーの犠牲をちゃんと見ているのも大事だけど、彼女の影響下にあるドラフくんが迷わず、子供のために身を投げだしたのが自分的にはデカくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
カタリナお姉さまの代理としてでも、溢れる才能の片手間であっても、彼女は立派に領主の仕事を果たしてきた
笑顔の仮面に何を隠していても、六年間都市のために尽くし、しっかり上に立つ責務を果たしてきた背中は、勇猛な精神を育んでいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
ヴィーラさんがちゃんと”公”をやれてきたからこそ、この窮地で名もなき人が、より弱いもののために戦える。そういう影響力が、彼女の生き方にはあった。
それが結局、領主としてアルビオンに残る結末をしっかり支えていて、とても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
カタリナさんとの時間は、当然重たくデカい。人格を決定づけ、強く歪ませるに足りる質量がある。
でもそれだけが、ヴィーラさんの全てではないのだと、序盤の救命描写は語っていた。
まぁその前に、シュヴァリエ人間の超パワーを奪い取り、カタリナさんはヴィーラさんの想いをちゃんと受け止めなきゃいけないんだがな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
マージで圧倒的なインチキパワー描写が気持ちよく、クライマックスに相応しい派手さだった。PT全員で、カタリナが一対一で向き合える場所を作る立ち回りも良い。
シュヴァリエの力を借りたヴィーラは、武器を”お姉さま”と同じ細剣に変える。かつて黄金の学生時代、自分とあの人が握っていた武器。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
鏡写し、二人きりの時間に戻りたいという願望が反映されているようで、なんとも哀しい武器チョイスだった。
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妄念に曇った目で、暴力をぶん回し感情を押し付けるヴィーラを、カタリナさんは受け止めきれない。膝を付いて、倒れないようにするのがやっとだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
これは星晶獣の圧倒的な力に、人間一人では向き合えない物理の表現であると同時に、一方通行な偏愛とどう向き合えばいいか、迷う心の現れだとも思う。
犠牲にしたという負い目もあるし、六年間発酵を続けた強すぎる想いに、どう返せばいいか解らないってのもあるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
犠牲の上に、成り立つ幸福はない。そう確信はしたけども、迫りくる盲愛にどう向き合えばいいかは、まだ分からない。ヴィーラ→カタリナの感情ベクトルが強すぎる…。
なので一旦撤退して、仲間に判断を預けることになる。今のカタリナは、一人ではないからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
『向き合いたい。力を貸して欲しい』
カタリナのエゴを団の意志として受け入れたとき、グランサイファーの影から光が覗くのが好きだ。希望は、そこにある。
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ここからのVS ヴィーラ・シュヴァリエは、星晶獣の有り余る力を団全員で奪い、”人間”ヴィーラ・リーリエとカタリナ・アルゼとを正対させるべく進行していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
イオちゃんの大魔法を成立させるために、戦士二人が前線に立ち、後衛が妨害射撃をぶち込み、みんなで闘ってる感じが良い。
相変わらず細かい仕草に情動を仕込むアニメで、アクションから伝わる感情が太い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
今の自分が何に依って立っているか確信を得たカタリナは、ヴィーラの鍔迫まりを受け止められるようになる。真正面から瞳を受け止め、その熱量を肌で感じる。
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グランくんも正当主人公として、屈折を知らない少年として、”今”のカタリナの仲間として真っ直ぐな言葉を届けるけども、それは”今”のヴィーラには届かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
結局この暴走はカタリナ恋しの激情が引き起こしてんだから、カタリナさんが決着つけるしかないのだ。そのための舞台を、仲間が整えていく。
身を削って時間を稼ぐ仲間を見て、ルリアの心が揺れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
この短時間で作戦と術式組み立てるイオちゃんの天才には惚れ惚れするが、いちばん大事なものを掴むために、ルリアの手を握りしめる心も強い。
その温もりが、術式の青い光を蘇らせていく。
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ここは一個もセリフがないんだけども、カタリナとグランが本当に心配なルリアの心と、それが判ればこそ仲間の動揺を受け止め、魔術師として術式を完成させきるイオちゃんの強さがしっかり伝わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
アクションシーンにこういう、ストレートな芝居がしっかり入っているのが、王道物語としての強みだね
後衛が前線を信じるように、前線も後衛をしっかり見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
術式完成を告げる青い光を見て、カタリナから預かった刃を振るうグラン。氷の魔力を、救命のために使うカタリナ。チームとしての信頼と強さが、魔人を追い詰めていく。
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一方ヴィーラは、向き合うべきカタリナを一瞥だにしないまま、その一刀を弾き飛ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
”今”の自分とお姉さまを見ないことが、妄執に歪んだヴィーラにとっては唯一の救済。
だから、思い出が生み出す蜃気楼だけをおい続けている。その瞳は、虚空を見ている。
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オイゲンの狙撃、ラカムの操船、ルリアの召喚、イオの大魔術。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
パーティー全員の総力で、一個ずつヴィーラ=シュヴァリエの力を削いでいく。リヴァイアサンVSシュヴァリエの怪獣大決戦で決着ではなく、あくまでイオちゃんの術式でフィニッシュなのは良い
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一瞬脱衣KOのまま続くと思い込んで『オイオイオイ、サービスは良いけどヴィーラさんの”尊厳”はどーなんだよ』と思ったが、シュヴァリエと契約した特殊な力を失っただけで、騎士の衣装にすぐさま戻った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
仲間が背負えるのは、対話の場を作るところまで。こっからは、カタリナさんの人間力勝負である。
ビットを足場に宙を舞うのではなく、人として地面に足をつける。崩壊したアルビオンが、二人のダンスホールだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
対等に切り結ぶうちに、むき出しになる心。
あの黄金の季節を、永遠に自分のものにする。溢れる激情を反射して、刀身は太く、朱い。
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カタリナさんはもう膝をつかないし、ヴィーラの視線から逃げもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
彼女が背負い、送り出してくれたもの。心から希い、掴み取った闇の中の光。六年間、咎人と追われることになっても貫きたかった、騎士としての生き様。
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ここでカタリナさんが、自分の一番としてルリアを思い出すのが、凄く残酷で誠実だな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
それはルリア個人であって、それを飛び越えた一つの概念なのだと思う。
弱者を犠牲にし、誰かが高笑いする歪みと抑圧。それを、カタリナ・アリゼは認めない。
カタリナさんは泣き笑いする一個人を超えた、凄く大きなものを、自分のエゴとして受け入れてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
ヴィーラが領主として、都市の重責を片手間に背負えるのが、カタリナ個人への愛なのとは正反対だ。
ルリア個人、グラン個人、ヴィーラ個人、自分自身。当然大事だ。善はいつでも、顔のある個人に宿る
それでも公私が天秤に乗ったとき、凄く抽象的なものに命を乗せれてしまうのが、カタリナ・アリゼという人なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
冷たい、人間味がない、正しすぎる。
そういう印象も受けよう。対比されるヴィーラが、余りに人間的な涙を深く突き刺してくっからね。
しかしそういう大きな正しさが、帝国という大きな不正義に立ち向かうときには絶対必要であるし、カタリナさんはそういう風にしか生きられないと知ればこそ、ヴィーラは己を犠牲に翼を与えたのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
その綺麗な公平さに、瞳を奪われたのではないか。
そんな事を考えながら、鍔迫まりを見た。
ヴィーラと離れている間に、”お姉さま”は騎士になった。より大きくてより大事なものを、その両手に掴み取った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
そんな時間の流れは、アルビオンに閉じ込められていたヴィーラにも平等に流れていたのではないか。
涙と狂気に塗りつぶされているように見えて、色んなものがそこにあったのではないか。
そんな無言の問いかけは、”今”のヴィーラには(まだ)届かない。一回行くところまでいかないと、この関係性は絶対収まらないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
歯車が狂う前の、愛するべき”お姉さま”。ヴィーラの理想を奪った、新しい変化の象徴。若き団長に、凶刃が伸びる。
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それをその身で受け止めることで、カタリナさんは六年間の成長を、”お姉さま”ではなく”騎士”になってしまった自分を、ヴィーラに理解させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
こういう、損な生き方しか出来ない。傷つけられても、恨むことなく理想を追う在り方しか出来ない。
キミと一緒に、朱い情念にまみれて沈むことは出来ないのだ
ヴィーラが捧げたものと抱えたものがあまりに大きいので、命一個は乗っけないとまぁ釣り合わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
加えて、私的感情を押しのけ理想に準じる生き方は、ヴィーラ自身が領主として、六年間やってきたことでもある。
腹をぶっ刺されたカタリナを鏡に、ヴィーラは過去の自分を、ようやく見れたんじゃないか
そんな気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
朱い刃を跳ね除けるのではなく、しっかりとその手を掴み、瞳を合わせる。
”騎士”カタリナの生き方は、激情に迷う幼子の想いをしっかり受け止めた。綺麗事に命を賭ける覚悟も、6年前に固めたのだ。
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ここで物言わぬシュヴァリエが、ヴィーラをちゃんと愛し見守ってた描写入れたのは凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
ぶっちゃけこのシーンがないと、人の身に余る力で不幸を生み出すだけの装置だからね、星晶獣…。そういう側面も、もちろんあるんだろうけど。
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シュヴァリエの力を一部引受け制御することで、ヴィーラの目に映るルリアが『お姉さまを奪った泥棒猫』から『過剰な力を制御してくれた恩人』になるのも、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
力を暴走させる不幸の運び手から、人と星を繋ぐ新しい祈りへ。ルリアもまた、徐々に成長しているってのはロゼッタさんが纏めた通り
かくして暴走していた感情は収まりどころを見つけ、ヴィーラは領主としてアルビオンにとどまる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
自由に羽ばたける権利を得てなお、あえて今いる場所で。自分が目を向けず、しかし確かにそこにあったものを、ヴィーラは見つめ直すことにする。
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蘇るアルビオンのタフさ、名も顔もなき民が楔となって、ヴィーラが六年前の”お姉さま”とは違う選択をするのが、僕は凄く良いな、と感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
例えそこに、赤く強い感情がなくても。領主様が守り育んできた場所は、彼女を愛し必要としている。
そのことを思い出せたのは、わだかまりを開放したからだ
ヴィーラが団に入る流れも勿論あったんだろうけども、主人公の闘いだけが唯一絶対ではない、という幅の広さを獲得する上でも、ヴィーラがアルビオンに残るのは良い展開だと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
まぁまだ、強い感情は残ってんだけどね。
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思い出のサンドウィッチは、”みなさんの”食事に変わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
きれいなお姉さんに至近距離に寄られて、頬を赤らめるグランくんの思春期と、『お姉さまに傷一つでも付いたらコロす!』と脅してくるヴィーラの情念。
そこのすれ違いも面白い。団がピンチになったら、再登場してくれんかなヴィーラさん…。
いつまでも、永遠に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
そんな願いを振り払って、騎士は青い空の向こうに飛び立っていく。その身勝手が、今は爽やかで嬉しい。
そういう心境に、明るく前向きな別れにヴィーラさんがたどり着けたのは、本当に良かったと思う。
さようなら、お姉さま。
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一方Cパート恒例、黒騎士帝国サイドでも、お互いの思いと視線が交錯していた。何か言いたげな人形少女の視線を、つれなく躱す黒騎士様がクール&スパイシーだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
金で雇われた身分ながら、道化を演じて場を明るくしようとするドランクが、善良で好き。
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というわけで、朱い感情の炸裂弾頭、ヴィーラさんが存分に暴れまわったアルビオン決着編でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
あまりにも強く純粋な感情をどう収めるか、ハラハラしながら見てたけども、カタリナさんの”公”たるエゴイズム、身体一つで捨てる覚悟をバチンとぶつけて、しっかり答えを出した。
それを支えるのは団の結束であり、パーティーの総力を結集したアクション描写にそれを焼き付けれていたのは、とても強かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
ヴィーラの願いが時を巻き戻し、自分だけの願いを押し付けるエゴでもあると、ハァハァ斬りでちゃんと見せたのも良かったな。”神無月の巫女”みてぇ(ジジイの感想)。
なにより、アルビオンに縛り付けられた六年間でヴィーラさんが果たした”公”に目を向け直し、『団に参加しない』という結末をポジティブに描いた終わりが、爽やかで良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
鎖を解かれてなお、”ここ”にいる。そういう選択の自由も、もちろん青い空にはあるのだ。作品の横幅がグッと広がった。
かくして一つの物語を終え、グランサイファーは新しい空に飛び立つ。ジリジリ積んだ帝国組と合流するのか、はたまた別の島で冒険が待つか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月3日
なかなか先が楽しみになる、良いエピソードでした。
アルビオン編、凄く良かったなぁ…。次回も楽しみ。