裏世界ピクニックを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
裏世界からの帰還を阻む姦姦蛇螺を、空魚は視殺し、射殺す。
認識と変化の先にあるもの。
霧の向こうに見える心。
掴めそうで掴めない、でも確かにそこにあるものを追いかけて、少女たちのピクニックは続く。
さぁ、不気味な不思議を探しに行こう。
そんな感じの裏ピアニメ最終回ッ! 怪異は横に置いて女と女でフィニッシュだ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
鳴り物入りで登場した姦姦蛇螺さんが、騒音バステばらまくだけで退場していったのは正直膝カックンだったが、これまでも明らかにクリーチャー・ホラーとしては作ってなかったからな。
そうして作った尺をAP-1くんの引っ越し、なんかエモい情景に女と女の思いが重なる時間に使ったのは、僕は凄く良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
空魚が裏世界に沈めようとしたもの、鳥子が追いかけていたもの。
それぞれの欠落がお互いを埋めて、可能性を殺しながら間合いが近づく。
しかしそれでも重なりきらないものがあって、むしろその断絶こそが心地いい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
人間社会のスタンダードから元々はみ出していた二人が、裏世界と出会い、お互いの手を繋ぎ、逸脱したなりに居場所を手に入れていく。
だから裏世界の旅は、死と危険に満ちていながら楽しいピクニックなのだろう。
そんな危うい二人が、ギリギリ”人間”やれている理由も、ヒロイックな救出劇、アンカーとしての小桜・ザ・善人の存在感を描いて、上手く確認できる最終回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
幽界に二人きり解けていくような危うさを、ガツガツ貪って祓う。どんなに取り澄ましても、異界ハンターは酒を飲んで肉を食う動物なのだ。
つーわけで、前回颯爽登場したラスボス、姦姦蛇螺さんとの一戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
それは直接的な暴力というよりは、手に入れてしまった認識から逃げず、相手の本質を睨み殺す視殺戦の様相を呈する。
ガンの付け合いに勝ったほうが、このバトルの勝者だ!
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裏世界は認識と心境がダイレクトに反映されるルールで動くので、空魚が目をそらさず、怪異に対する明確な殺意(これは米軍を助ける意思と裏腹)を叩きつけることが勝利につながっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
常に”視るもの”として描かれた空魚の、ある意味卒業試験とも言えるか。
それに呼応する形で、”触れるもの”である鳥子の物理攻撃もスケールが上がり、重機特攻でメコメコに殴り倒す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
『怪異がなんぼのもんじゃい! 見て殴れば死ぬんじゃい!!』というこの作品の暴力主義、身も蓋もなく力強くて僕好きなので、最後に一番強い形で暴れたの良かった。
怪異存在をガッコンガッコンに殴り倒す、荒ぶる車。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
それがAP-1という、長閑なスピードで足代わりになってくれる新しい相棒と同時に描かれたのは、ちょっと面白い並走だった。
同じ車でありながら、破壊と自由、それぞれ司るものは異なる。そして両方とも。裏世界を拡張するツールとして有能だ。
銃とか、車とか、色んな使い方が出来る無機物をメディアと掴んで、二人は裏世界のことを、お互いのことを、変化していく自分たちのことを把握し、操作していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
自分の身体でありながら異質化した、青い目と手も含めて。
結構”モノ”と”ヒト”の話でもあったかな。そういう話を、僕が好きなだけか。
鋼鉄製の殺意をガソリンで燃やし、バッキンバッキンに叩いて砕く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
それは米軍が出会い、囚われ、認識の外側に追い出していた恐怖を、彼らの稼業で対処可能な形に収めていく行為でもある。
現代の巫女を集団に取り込むことで、米軍は本来の機能を獲得し直し、現世に返る。
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鳥子に引きずられる形で挑んだ英雄譚は、一人の死者も生み出さず、たくさんの感謝を届けて終わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
たった二人の気ままなピクニックで、出会った存在とどう触れ合うか。怪異は殺し、人は救う。
そういう一線を鳥子と空魚は引き、完遂し得た。
それでも、軍隊と個人、立つ岸は異なる。
異界でも理性的だった男性は正気の領域に戻っていって、通常任務に戻るだろう。政治と暴力の絡み合う、当たり前でハードな人間の世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
そういうスタンダードの裏側にある、独特のルールで動く世界。
もはやそこにこそ、鳥子と空魚のホームはある。逸脱こそが、彼女たちの常態だ。
ドレイクが背負う沖縄の星空と、空魚達が背負う裏世界の森。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
片方から見れば四角く切り取られた異界が、もう一方にとっては帰るべきホームでもある。
そんな差異と断絶が色濃く見える終局だが、しかし二人が成し遂げたことの価値は変わらない。
彼女たちは人を助けた。そういう人間であると選んだ。
空魚はそれが、鳥子の優しいヒロイズムに引っ張られただけの空疎だと告白する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
自分は、他人なんてどうでもいいのだと。
後にわかるように鳥子もまた、そういう孤立の危うさを抱えているのだけど、お互いが反射板となってなんとか彼女たちは、人を助ける人でいられる。
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『よっし! 百合に挟まる怪物も米軍も消えたな!!』とばかり、濃厚に感情と接触をやり取りする二人のやりたい放題に、軽く笑ったが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
この親密な間合いこそが、二人がたどり着いた場所である。
お互いの空疎を埋め、倫理を混じり合わせる共犯者。認識と行動を分担しつつ、和合させていく比翼の鳥。
広い裏世界に立った二人、馴染めぬ現世から追い立てられるように迷う中で、二人は消え入りそうな自分を確立するための鏡を、お互いの中に見出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
それは柔らかく、暖かく、肉の感触が確かにする。触れられた上がる体温と、溢れて流れる涙。
生きてる、って感じ。
そういうもんをしみじみと感じて、お話の幕が下りていくのはなかなか良いなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
真人間ではありえない。異能も価値観も、人間のスタンダードからはぶっ飛んでいる。
そんな彼女たちも、世界の片隅から広がる大きな場所では”人間”でいられる。
裏世界でアイデンティティを確認して、表でも。
米軍救出のヒロイズムと、その裏にあった虚無の吐露を、空魚が素直に完遂せしめたのは、手応えのある終わりでとても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
結局、空魚は壊れている。真っ直ぐヒーローになって、米軍が帰った場所に同列するのは無理だ。
でも、群れに一時混じり、その命と価値を守ることは出来た。
何も動かない虚しさに捕らわれているようで、惚れ込んだ女が前のめり望む救いに、寄り添って成し遂げることも出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
非常にややこしい手段だが、そういう形で空魚は”マトモ”な自分を再確認して、米軍とは違う場所から、同じ世界に帰ってくる。
その距離と親しさが、僕は結構好き。
というわけで残り15分!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
鎮座ましましてた謎の車両をあるべき場所に戻し、全体のスケッチを詩情豊かに描いていくぞ!!
改めて言われると『いや、キレるっしょ。説教っしょ』としか言いようがない、他人の庭先占拠。
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とっとと退かさないと小桜の雷が落ちる状況で、二人はのんきに石神井を散歩し、身近にあるゲートを探す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
青い鳥よろしく、目指すものは間近にこそあって、でも歩いてみなければそれは見えない。
物語の基本構造が表世界の小さな怪異探しに重なり、妙な奥行きが生まれていく。
鳥子は飲めば”終わっちゃう”ビールを、空魚の制止でなんとか堪える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
それは裏世界で積み重なるとのはまた違う、逸脱への抵抗だ。
自分では見えないものを掴み取り、異界への門を開ける。そんな行為を重ねるほどに、鳥子はマトモでなくなっていく。
真っ昼間からの飲酒を回避して、二人は見つけ旅立つ
小桜のマトモな教説に、頬膨らまして仲良く反発する二人は、まぁダメである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
人名や恐怖に関する受け取り方、行動を社会規範に沿わせる意識の欠如。
凹み方が似通ってるから、上手く重なり補い合う。ほんとに超えてはダメな境界線で、ギリギリお互い踏みとどまれる。
小桜はそんな仲良し二人に、常に現世に置き去りにされる。二人にとってピクニックである歩みが、彼女にとっては恐怖の旅でしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
『楽しんでる場合じゃねーだろ!』というマトモな意見は、しかし異界ハンター達には実感できない。
この先に、広がるものこそが。
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あるいは隣にいる貴方こそが、私が私になれる喜びをくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
そんな1+1の構図から、小桜は常にはじき出されている。
冴月にも同行者には選ばれず、2にはなれない観察者として、境界の向こう側に置き去りにされる存在。
異界の外から見つめればこそ、魂の灯台ともなれる存在。
”外部”あるいは”他者”としての属性と仕事を、小桜は常に背負い続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
可愛らしい外見に似合わぬその寂しさ、だからこそのありがたさが、色濃く滲む見送りだったと思う。
ホンマ小桜さんがいてくださるから、お前らクズ人間も、なんとかヒューマンでいられるんやぞ…。焼き肉奢れ!(奢ります)
美しくもおぞましく、懐かしくも異質な裏世界の情景に身を浸しながら、鳥子と空魚はここまでの歩みを思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
あの時の出会いは、そこからの旅は、その中で見えてきたあなたと私と私達は、一体どんな意味を持つのか。
言の葉が絡むほど霧が出てきて、お互いよく見えなくなる
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小高い丘に分断された二人は、海に住む”空魚”と空に泳ぐ”鳥子”として、それぞれの心象、資質、そこから広がる世界認識が断絶している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
それは当然で、どれだけ親しく愛おしく思えたとしても、他人は他人なのだ。
知らないこと、分からないことは沢山あって、霧が世界を満たす。
しかし霧とは粒子化した水分、空と混じり合う水とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
分断されているはずの二人が、お互いを混ぜ合わせる触媒が世界に満ちる。
二人は心のなかにあるものを素直に差し出し、異質な自分たちをお互いに取り込み、生まれた変化を確認していく。
霧の中にあればこそ、貴方は愛おしい。
鳥子の視線が月を探る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
特別だった過去、取り残された自分。
偶然の出会いから始まったふたり旅は、そんな自分を満たしていった。
誰かの特別であること、誰かを特別に選ぶことが可能性を狭め、世界を殺すとしても。
それでも、共にありたい貴方。
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空魚は可能性を狭める鳥子との接触/選択を好ましく引き寄せ、鳥子は充実した外見の内側にある虚無…空魚的な”陰”を言葉にして差し出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
お互い欠けたものを埋め、混ぜ合わせ、相手から剥奪しながら進んできた場所は、未だ霧の中だ。
だが、お互いの顔は認識できる。貴方はそこにいると判る。
それさえあれば、この危機に満ちた場所でもピクニックは出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
そういう特別さをお互いの指に絡ませながら、二人の旅は続く。
野辺に躯を晒すのか、あるいは聖杯を見つけ持ち帰るのか。
物語の果てもまた、霧に隠れ見えない。
だが、多分旅は楽しい。
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ガブガブ酒飲むダメ人間の癖に、孤独で美しい廃墟に二人まどろみ、そのまま消えていっても悔いがないような閉じた詩情を、確かに匂わせる二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
退路を断った異界心中の薫りが軽く漂うが、それは図々しい生命力に満ちた焼き肉で、ドカンと弾き飛ばされる。
あんま雰囲気出してんじゃねぇぞ…!
多分小桜や茜理という、”マトモ”な人の観察とお節介がなければ、二人はどんどん異界にハマって帰ってこないのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
閉鎖したエコーチャンバーのように、あまりに呼応し合う魂はお互いを充足しすぎて、可能性を殺し殺し、満たされた終局に迷わず飛び込んでいく。
それはそれで幸福なのだろうけど、しかしワイワイガヤガヤ文句もたれつつ、肉食って酒飲む生き方もまた、悪くはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
ある意味情感台無しな肉食エンドは、二人の美麗な危うさを誰が、どんなふうに弾き飛ばして、彼女たちも心の何処かまだ居たいと願っている場所に繋ぐかを、よく教える。
そんな儚さと逞しさの同居が、なかなか面白い作品であったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
そういうモノをしっかり概観し、女と女が出会い魂を混ぜ合わせて生まれた絆を。美しい景色の中確認できた最終回になったのは、大変良かった。
やっぱこういう、強い情景が見れると嬉しいね。
というわけで、裏世界ピクニックのアニメも無事終了である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
途中軸がブレた…というより、作品が重点したいポイントにチューニングを合わせるのに手間取った頃合いもあったが、総じて楽しく見ることが出来た。
酒と銭と暴力に溺れ、どんどんダメになっていく主役を見るのは、大変面白かった。
割りとパワー勝負でなんとかなってしまい、不条理を銃弾で叩き潰して書き直される実話怪談達にも、独自の味わいがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
既にある筋書きをなぞりつつも、作品独自の主役たちが己の意思と異能で塗りつぶしていくのは、僕は結構好きな運びである。
それは謎めいた裏世界も同じで、最初迷い込み翻弄される場所だった”そこ”は、二人が特別な関係を育む唯一の宿り木にもなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
危険と死には満ちているのだが、それでも…あるいはだからこそ、表世界からははみ出してしまう異質さを受け入れ、より良く発揮させてくれる場所。
そこで編まれるピクニックは、何処かズレていてでも心に響く、独特の面白さがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
鳥子に惚れた空魚の心の動きが、テンプレートをほぼ使わず、空魚独自のインクで描かれていくよう気が使われていたのは、とても良かったと思う。
空魚はそれに、恋と名付けはしない。
それは多分、文字で名付け認識で腑分けするにはあまりに複雑で、シンプルに強い感情なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
それと戯れ、翻弄されながら歩んでいく空魚から見た鳥子は、常に大きな謎であり、しかし完全な断絶に阻まれてはいない。
壁を超えて心に滑り込み、自分を変える…その変化こそ愛おしいような、特別な人
顔のいい変人と出会い、手を繋いで歩いていく日々を重ねる中で、そんな心情がゆっくり縁取られ、確かな手触りで僕に届いたのは、なかなか良い視聴だったと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
まぁこれは僕と作風が噛み合った結果で、一般的にはよく判らないアニメだとは思う。そこが好きなの俺はッ!
僕は美術に重点してアニメを見る人なので、裏世界の寂しい美麗のみならず、表世界のおどろおどろしさ、ふてぶてしい生命力をちゃんと背景に宿していたのは、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
当たり前の風景の中にフッと宿る、異界への門。不気味で不思議な情景に、実在感と詩情があった。
鳥子と空魚の特別な距離感、それを揺藍する裏世界の妖しい魅力を軸にしつつ、そこに交われない小さな常識人、小桜がいてくれたことが作品に奥行きを出していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
可愛く可愛そうな彼女がいることで、二人の危うい道行きを全肯定しきらない、いいバランスと風通しが宿っていたと思う。
色々フラフラ彷徨いつつ、その滅茶苦茶が面白くもあり、惑わされもして。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
『コイツラ、人間としてどうなんだ…』と、見れてば湧き上がる主役への疑念を、米軍救出作戦でしっかり回収し、ヒロイズムある終わり方でまとめる構成も、なかなか良かったと思う。
そこから二枚、更に情景があるのも。
ぶっちゃけ見る人が持つ文脈や物語によって、結構評価の変わるアニメだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
自分はアニメから作品に入り、あえて原作を食わずに最終回まで見切った視聴者であるが、自分なりの補助線を食わつつ、描写を噛み砕いて消化していく視聴は結構楽しかった。
不親切で不格好な所は、当然ある。
しかし描かんとしているものは感じ取れるし、それに成功もしている、いいアニメだったと僕は感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
裏世界に二人ぼっち、彷徨いつつ何かを求める訴える女達の歩み、大変良かったです。
彼女たちの旅の続きをみたい気持ちもありつつ、今は”お疲れ様”と”ありがとう”を。
面白かったです!
追記 彼女とは、遥か彼方の女と書く。女という属性が、無条件に断絶を埋めるわけではないのだ。
裏ピ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
鳥子と向き合う時出てくる霧は、空魚にとっての不鮮明、他者性の断絶を具象するのと同時に、”空(から)”でしかない彼女が受け入れられる潤いが、鳥子から出てくる…彼女とともにいる裏世界を満たしている描写でもあると思う。
海に住めない魚のように、寄る辺のない空魚。
彼女の渇きは水そのものでは癒やされない。第1話で描かれたように、それは彼女を吸い込み窒息させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
泳げない魚に潤いと呼吸を与えるもの、致死性の水から引っ張り上げる存在。
これも第1話で描かれていた出会いが、作品に定位するスタンスを再演しながら、鳥子は世界を霧で満たす。
むしろそれが不鮮明な潤いに満ちているからこそ、何もかもが鮮明でマトモな世界では得られない足場を、空魚は鳥子と裏世界に見ているのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
どうにもならずネジ曲がって、表世界からはみ出すしか無いこの身が、安らぐ居場所。
それは、いつでも遠く不鮮明な貴方のそばだ。
かけがえのない相棒、運命の共犯者として同質化しながらも、そういう分断に敬意をもって距離を保ち、自分を照らす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月25日
そういう視線が作品に、恋の書き方にあるのは、僕は凄く良いことだったと思う。
全ては霧の中だから、お願い、この手を離さなないで。
ロマンチックだね。