トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
サンドアート大会を成功させたトロピカる部に、迫る風紀委員の影。
学園に噂される人魚を追い、秩序の使徒がローラを追い詰める。
果たしてプリキュアは、部室に漂う自由な風を守ることが出来るのか!
ローラの尊厳が、放課後の学舎に唸りを上げるッ!!
そういう血圧の高さはあんまりない、オカルト学園コメディなトロプリ第12話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
TAP特有の肩の力が抜けた作画もあり、凄くトロプリらしい楽しい回だった。
『噂に尾ひれが付く…人魚だけに…』とみのりん先輩が切り出す空気、それへの三人のリアクションとか、珠玉の呼吸だった。素晴らしい。
お話としてはマジで自由にやりすぎてるフーテン集団が、自分たちでバラまいた噂の種に対処していく感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
『俺達は、俺達のやりてぇことしかしねぇ…』というパンクス集団が、学園が風説に揺るがされた時イノイチ的にかけられるのは、当然ちゃあ当然である。
学園テイストが濃いのがトロプリの特色であるが、今回はあすか先輩が矢面に立って荒廃をかばいつつ、みのりん先輩が参謀になって書面を詰めていく”部”としての形がよく見えて、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
活動のダイナモはまなつなんだが、責任担当はあすか先輩だよなー。さんごちゃんはかわいい。
『今やりたいことを、今やる!』つう不定形の活動方針は、参加メンバーも関わった人も幸福にする良いものなんだが、定形の秩序を守る側にとっては相容れぬものでもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
校則を守って速歩きで不審者を追い詰める姿もおかしい委員長と対峙するのは、トピ部の宿命とも言える。
ちと極端な部分もありつつ、委員長が過度に教条的ってわけでなく、生徒の幸福を彼女なり考えて(つまり主役と同じモチベで)動いてる様子は、今っぽくて良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
生真面目だからこそ、オカルトに追い込まれて疲弊してくんだよなぁ…立ち位置的には”敵”なんだが、思わず同情してしまったよ。
頭ごなしに抑え込まれると、ついつい反骨の相が表に出るあすか先輩。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
持ち前の面倒見、”部”への熱い思いが知らず出ていることを、意味深アングルからぶっ刺してくる生徒会長との掛け合いも、大変良かった。
この地雷原…メインで回す時は”更地”ですよ、全てが…(破壊と再生への期待)
あとローラの放課後大冒険が良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
スケボーを車椅子代わりに、あるいは借り物の衣装で場を取り繕って、仲間のため、自分のプライドのために必死に進むローラは、相変わらずのクソアマでありながら”格”があった。
かなり有言実行な女(ひと)よな…。
やっぱローラの描写見てると、社会の隅っこに追いやられて好き勝手言われるのに我慢できず、思わず身を乗り出す場面が多いように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
それは人として当然の反応で、今ここにいる自分自身をありのまま見て欲しいという思いが、あの子は結構強いのだと思う。
”プライド”ってのは難しい言葉で、エゴを肥大させる傲慢も意味するし、苦境に折れない自尊にも通じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
ローラは凄くプライドのある人で、非日常のオカルトとしてイメージが独り歩きする現状は、そんな彼女の背骨を傷つける。
これを補ってくれるのが、非日常を共有するプリキュアだ。
部室というアジール、あるいはポッドの中の楽園で彼女の異質性とプライドは守られ、まなつを中心にしたプライベートな世界で、彼女の人格はまるごと受け止められている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
でも、そこだけが彼女の世界ではないし、そこで満足も出来ない。
面白いものが沢山ある世界を見たいし、それを守る手伝いもしたい
今回の放課後大冒険は、そんな彼女が人間世界と接していく、おかしくも切実な第一歩だったのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
異物として浮き上がるのではなく、生徒として馴染むのなら、借り物の制服も着なければならないし、気合を入れて尾びれで立たなければいけない。
ローラは、そういう事を一人で為し遂げた。
でもなぁ…その制服は借り物で、魔法が解けたら返さなきゃいけないんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
ローラを見る時の姿勢があからさまに前のめりにバランス崩してて、思い入れが強すぎるな自分。
見ているものが描かれているものの範疇を超えて、主観満載の妄想に突っ込んでる自覚はあるんだが、どうにも響きすぎる…。
俺はやっぱり、ローラが堂々水路から登校して、『怪物だ!』と怯えられたり尾ひれついた噂流されるんじゃなく、彼女が望むまま一人の学友として、あの場所を歩いて欲しいよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
俺のこの思い入れって、そう悪いもんじゃないって自分では思うんだけど、1年の長いシリーズで必ずしも報われるわけではない。
プリキュアが描かなければいけないものは多いし、忙しい一年の中で完成度の高い(と僕が感じる)物語を編み上げられるかは、色んな要素が絡む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
僕が作品の心臓だと感じたことが、必ずしも製作者のそれと≒にはならんものだ。特に、長尺のシリーズだと。
しかしそれでも、気づけばローラのプライドと寂しさ、異物としての個人とそれを受け入れ拒絶する社会の向き合い方ってのは、僕の柔らかい所に深く刺さってしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
それを無視はできない。自分だけが判る、自分だけの特別だかんね。
なので、今後も僕はローラキチです。サーセン。
それはさておき、自由な自己実現を体現してる主役が、秩序サイドからの当然の反発を食らう(そして、彼女たちらしく乗り越える)話でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
『いや、学校は黙って見てぇねだろまなつの瞬間主義…』つう視聴者のツッコミを、結構冷静に拾い上げてエピソードに仕上げてもいる。良い構成だと思う。
学校に書類を提出し、校則を読み込んで衝突なくやりたいことをやりきる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
完全なアウトサイダーってわけでも、自分のやりたいことを抑圧するでもなく、学校という社会と必要な対話を怠けず、時に衝突などもしながら、楽しく前に進んでいく。
そういうトピ部のあり方が、良く見える回でした。
学園テイストを強く出すことで、トロプリは『社会規範の中で、個人はどう振る舞うべきか』つうテーマに、面白く接近してる感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
ともすれば抑圧だけを押し付けてくるように見える大きなフレームは、しかし成員(学校なら生徒)の幸福を最大化するために存在している。
それはただの題目で終わらず、トピ部の活動にかなり寛容なんだよな、あおぞら中学。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
校則というルールと時にぶつかりながらも、自分たちらしいあり方がどうすれば成立するのか、活き活き青春弾ませながら話が進んでるのは、見ていて気分がいい。
結構、社会参画に前向きなプリキュアだ。
そういう『社会に役立つ私と、私の役に立つ社会』つう視点に、特に役割も果たさねぇ、マジで自由で可愛いだけのくるるんが同居してるのは、俺凄く良いと思うんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
くるるんは経済動物、あるいはコンパニオンアニマルとして、人間の役に立つわけじゃない。勝手に生きてるだけだ。
パクト取り返す役に立つわけじゃないし、変身する力をくれるわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
でもそこにいるだけで、ローラもみんなも(俺も)いい気持ちになる。
禽獣なりの気ままさで、勝手に生きていることが不思議と力をくれる。意識しない可愛さに、心が暖かくもなる。
くるるんのあり方は『そういうやつだって、世界にいても良いじゃねぇか』と作品が言ってくれているようで、スゲートロプリらしい描写だな、と思うのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
僕は動物が人の思惑なんぞ蹴飛ばして勝手にやってる姿が好きだから、そういう存在として描いてくれてるのは嬉しい。人に寄せすぎない、つうか。
というわけで人魚騒動も無事収まり、校則を逆手にパクトを持ち込む自由を手に入れた学生闘士たち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
『学校のシステムを活用して、”部”というフレームを用意していたことで、ルールを押し付けられるのではなく活用する足場を手に入れる』と書くと、社会活動の話だなコレ。政党とか労働団体に近い。
そういう話をやりつつ、構えた硬さが全然なくて、ナチュラルに明るく楽しい雰囲気が元気なのも、トロプリの良いところだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
エルダちゃん、マジ遊んでるだけだったな…そこも良い!
次回は放送部カツドウ!
深海の歌姫は活躍するのか、楽しみです。
…ホント、ローラに前のめりな自分が怖いね
追記 第5話だけ『まなつが未来の仲間の闇を受け止め、答えを差し出す』つうフォーマットから外れてることからして、意図した”タメ”なんだよなぁ、あすか先輩と会長。
トロプリ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
あすか先輩が風紀委員に反抗するのは、結構彼女の思い込みが動かしてる部分が強くて。
能力も人格も優れてる様子がずっと描かれてる彼女が、かなりデカイ過去と歪みを抱えてるから、思い込みで世界を染めて動いてしまう様子が、今回ひっそり描写されていたと思う。
後輩たちを背中に庇う、とっても頼れる彼女にも(さんごやみのりのように、まなつの光によって照らされるべき)陰りがあって、それが”部”と生徒会長に強く絡み合っている…だから、関係が拗れてるって描写を、かなり丁寧に積み上げてる印象だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
無謬のお姉さん枠に、あすか先輩押し込まないのは良い。
確実に来る…正しさと悪辣でかつて魂を繋いだ女を遠ざけることでしか、己の輪郭を保てない女と、擦り切れたフリの奥に不死鳥の如く、持ち前の善良を疼かせている女の”運命”の炸裂が…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月16日
この記述は期待と妄想100%合金ですが、そこまで的外れでもないと思ってます。頼むよーホント。