Sonny Boy 第6話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
長良とラジダニは、様々なフィルムが集まった世界を発見する。
フィルムを編集し直すことで、可能性を書き換える”ディレクターズカット作戦”は、子供たちをあるべき世界に戻すのか、はたまた今いる場所を壊すのか。
明星の方舟、朝風の嵐。
思いの果てに、見える明日は…。
そんな感じの超絶ぶっ飛び漂流学園物語、一つの真実が顕になるターニングポイントである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
ええええぇぇ…って感じ。
口半開きでポカーンとか、そういう置いてけぼり感ともまた違う…物語の位相が一つ大きくシフトしたなという感覚を、強烈に叩き込まれるエピソードだった。
シェルター、ブートキャンプ、ディレクターズカット。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
色んな大人が色んなことをいう中で、それぞれが選んだ救済がぶつかり合う中で、長良が観測し作り出した映像は真実と絶望を教える。
僕たちはコピーでしかなく、故郷は帰る場所ではない。
いみじくも校長が告げるように、”卒業”することになった子供たちがどこに行くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
なんとなく、奇想天外な漂流物語のフレームに慣れてきてた脳みそが、大きく揺さぶられる展開となった。
いやー…読めないし解んない。
自分が見たものを自分が把握してるのか、正直自信はあんまない。
ただなんとなく、スゲェもんを見てるという感覚と、一人間として子供たちが心を揺らし、繋げてる様子は確かに、見ている僕の中にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
それを感想に焼付け再編集しながら、なんとかこのアニメに追いついていこうと思う。
タフネス試される視聴になってきたな…面白ぇ!
というわけで、転換点に相応しく色んな謎に形がついてくる今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
明星を導いていた謎の声が、事件の発生原因と指摘された校長…っぽい事が、冒頭から描かれる。
ヴォイスは明星に示唆を与えるが、同時にその意義を問いかけもする。
(画像は"Sonny Boy"第6話より引用) pic.twitter.com/r3EH2cIkuw
確定した未来に従って、予定された救済を与える明星の在り方。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
彼の方舟たるシェルターに集った人たちと、あき先生のブートキャンプですっかり脳髄固まった連中の間で、長良達は世界を股にかけ、走り回っていた。
行き着いたのは、フィルム倉庫の世界、と。
未来からやってきた喋る犬、5000年漂流してる大先輩もツダケン声で参入し、時空漂流は三国志の様相を呈してきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
それにしちゃー条理が通じねぇっつうか、闘争を成り立たせる根本原理自体がフラフラ揺れ続けるのが、このお話らしいけども。
物語要素がどうぶつかって、どう転がるか。
通常の法則で物語的ピンボールが起こると考えてると、すごい勢いでぶっ飛ばしてくるからな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
しかし、ツダケン声の大型犬は大変に可愛い。それは揺るがない真実だ…。
あと前回の青春ウロウロを経て、長良くんの肝が少し座った感じがある。
観測は創造に通じ、その特権は主人公にしか無い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
量子力学と禅宗が混ざったようなルールが、おぼろげに見えてくる今回であるが、何者でもないと自分を諦め続けてきた長良くんが選ぶもの、見据えるものこそが、世界の形になっていく。
それが、この物語のルールだ。
異様な形だがそれは、青春の自己確立に間違いはなく、異様で爽快なヴィジュアルの異世界漂流がこういう形でジュブナイルするのは、結構好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
新たに一行に加わった喋る犬は、主役の旅路に一体何を与えるのか。
事情通ではあるな、声がツダケンだし。(最高)
希は相変わらず真ん中にキマった青春瞳孔で、変化を始めた長良くんに希望を託し、明星の説得にかかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
しかし明星はヴォイスに与えられ、彼自身が信じる固定された結末を揺るがすつもりはない。
そのために作り上げた方舟だ。
(画像は"Sonny Boy"第6話より引用) pic.twitter.com/Ef5EqANuwn
未来は確定しているのか、変化しうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
世界は書き換わるのか、それは破滅を呼ぶのか。
それぞれの意思が奇妙な交雑を始め、主人公は世界の観察と編集を始める。
現実を様々にアレンジしうる可能性を、映写室のディレクターズカットに重ねる表現はとてもいいと思う。パニクる瑞穂が可愛いし。
何かを変えうるかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
そんな実感が長良くんにちょっとずつ、力を与える裏では、朝風があき先生にズブズブに絆されていた。
朗らかにたちの悪い扇動者で狂人なんだが、朝風相手にだけは対応が柔らかいのズルいよなぁ、この人…。
今回真実開陳と並走して、希の立ち位置、メンタリティが大きく変化してんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
それが結果として、長良くんを主人公として見つめ側に居続けるヒロインに、もう一人の少年が向ける視線を強調もしている。
希を間に挟んで、長良くんと対置される反・主人公なんだな、朝風は。
主人公として物語を変えうる…けど適切にその力を発揮できていない長良くんと、みんなを守ってるのに認められず、希も自分を見ない朝風。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
その心の隙間に、胸のデカいハイテンション女が滑り込んだ形…なのかな。
あの人いつもキレてっから、何考えてんのか分かりにくいんだよな…。
さておき、長良くん(だけ)が見つけた一つのフィルムが、可能性への扉を開ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
それは”本来”の世界で展開される、卒業式へのチケット。そこに自分たちの可能性を重ねれば、故郷へ帰れる…のか。
それは、やってみなければ判らない。
(画像は"Sonny Boy"第6話より引用) pic.twitter.com/9b07HvfQsN
救済の可能性が見えてきた所で、明星が彼なりにみんなを助けたくて動いていることも解ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
いい子なのだ、瞳孔開きっぱなしだけど。
来たるべき破滅からみんなを守る方舟として、シェルター作ったのも嘘じゃない。
そしてその瞳には、ディレクターズカットは未来なく思える。
そしてあき先生に付き従っていたはやととも、”ごめん”の一言で繋がってたりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
先週の人格抉り集団吊し上げ描写がマジでキツかったので、こういう描写があってくれるとなかなか助かる。
状況は異様だが、子供たちはまだ人間性を失っていない。だから迷うし、賭けにも出る。
『合流を申し出た脱走組に『土下座だー!』と暴れる瑞穂、どんだけ萌えキャラなんだよ…』と思いつつ、遂にディレクターズカットの上映が始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
シェルターに集うもの、それが世界の終わりを呼ぶと指弾する物。
世界は混ざり、黒い方舟は激しく揺れる。
(画像は"Sonny Boy"第6話より引用) pic.twitter.com/eDpMMK7T8n
黒い立方体を中心軸に、世界の内側と外側が幾度もでんぐり返りして、ぐにゃんぐにゃん揺れるサイケな描写には、不思議な迫力があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
三つに大きく分割された、漂流生徒たちの現実認識、あるいは未来への希望。
それはこの上映会で衝突して、真実の扉を開けていく。
”現実”のなかにももう一度、傷ついた鳥が出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
それは適切に扱われることなく、明星はそれを救済できない。死ぬことは運命だと。
たった一人卒業式に漕ぎ出した長良くんも、傷ついたものに出会うことすら出来ぬまま”卒業”していく。
(画像は"Sonny Boy"第6話より引用) pic.twitter.com/Jr6qmosycS
漂流した長良くん、”卒業”できな長良くんは、希の手を掴むこと、彼女に向き合ってもらうことで、本当は傷ついた鳥を助けたい自分にちょっとずつ、向き合えるようになってきている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
だから瑞穂の猫もお腹に抱えて守ったし、今自分の力を試して、ディレクターズカットを上映している。
そこに手を伸ばしても未来は掴めないし、”現実”に介入は出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
希が手を差し伸べた”コンパス”の先にあったのは、自身の死というあまりに重たい現実だ。
自信満々に正しい希望を見据えていた彼女は、ここで初めて目を伏せる。揺らぎ、弱る。
目の前に在るのに掴めない、もう一つの現実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
多元観測世界から弾き出され、この世界に漂流した子供たちは、もうそこに帰ることは出来ない。
本来あるはずだった”卒業”に、ミスコピーの僕たちが重なることはない事実を、子供たちは思い知らされる。
THE ENDである
(画像は"Sonny Boy"第6話より引用) pic.twitter.com/UPXWebvHrI
方舟は空を飛んで世界を越えようとしたし、長良くんは観測者であり創造者になり得る自分の力を試して、希望を掴もうとした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
それが暴いたのは帰らじの道であり、重なり合いつつも手が届かない”現実”の遠さであるが、それでも救済を求め、子供たちは挑んだ。
その意志を子供たち自身が、ここから続いていく物語でどう考えるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
漂流の先輩が多数出てきて、まーたトンチキな転がり方をしそうな匂いが漂いつつ、一つの発見、一つの挑戦が終わっていく。
出口なく、無辺に広がる眼前の世界、そこに立つ己を、ここからどう書くか。
そこが大事になりそうである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
ヤマビコ先輩曰く、『この世界には生徒しかいない』はずで、あき先生…を名乗るものが一体何者なのかとか、まだまだ謎も多いけど。
外野の気楽な立場から言うと、解って希望が壊れたからこそ、真実から芽生えるものはあると思うんだが…さてどうなるか。
子供らは『そらまぁ…こうなるわな…』って打ちひしがれ方で、大地に力なく伏す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
影から見守る朝風と先生は、まだまだ続いていく世界に何を見るのだろう。
”コンパス”の導きがたどり着いた果て、机の上の弔花を見てしまった希の視線は、複雑に彷徨う。
(画像は"Sonny Boy"第6話より引用) pic.twitter.com/Sdavl3d9pW
ここで初めて、長良くんが希に手をひかれるこれまでの流れから、彼が手を引っ張って希を導く関係へと変化が生まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
物語は学園漂流のフレームを外れ、故郷に戻って無事に卒業するゴールを、強烈に蹴っ飛ばした。
お話も、そこで与えられた役割も、強烈に変化を始めている。
ディレクターズカットを通じて世界を見て、自分を見て、みんなを助けようとした長良くんを、明星も認める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
帰還ルートはどん詰まり、サイコロは失敗の目を出して止まったが、それでも挑んだ事が少年たちを変えていく…のか。
この真実を受け止めた、次回以降が大事だなコレ…。
少なくとも長良くんは、自分だけに出来る観測と挑戦を通じて何かを得たし、だからこそ今まで自分を引っ張ってくれた希の手を取って、立ち上がる道を選んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
それは故郷への道を塞がれた、かなりハードな漂流が与えてくれた、大事な手荷物なのかもしれない。
長良くん達がもう戻り得ない、”現実”の卒業式。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
そこで彼は鳥を助けることも、友達に交じることも、希を死の運命から救うことも出来ないまま、孤独に歩みだしていく。
それがオリジナルの結末だ。
(画像は"Sonny Boy"第6話より引用) pic.twitter.com/O7sNj9IyRq
しかしこちらにコピーされた”もう一つ”は、否応なく別の道を走るしか無い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
扉を開けて、誰かの手を取って、グジグジ悩んで精一杯力を使って、自分で納得の行く道を探し当てるしかないのだ。
そこにはオリジナルに選ばれなかった絶望、もう帰れない哀しみがあり…
もはやそれしかないという、唯一絶対の真実が突きつけられた高揚感があるように思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
このぼんやりと終わっていくオリジナルと、違う”卒業”を漂流した…主人公として特別に選ばれてしまった長良くんは、果たさなければいけない。
道は別れた。もう、戻ることは出来ない。
そんな感じの、前半戦終了でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
世界の壁に全力で体当りして、跳ね返されたようでもあり、新しくぶっ壊れたようでもあり…すごくこのアニメらしいターニングポイントだった。
長良くんが観察者として、創造者として、ラジダニと助け合いながら自分たちを”編集”しようとして、真実にたどり着いたこと
そこに置かれた”死”の重さに、希がひどく人間的な迷いを背負い始めたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
変化の兆しが否応なく、このどん詰まりの”卒業”から新たに始まる物語を照らし出し、不思議な興奮があります。
間違いなく怪作なんだが…やっぱ面白ぇなこのアニメ。次回も楽しみ。