ヒーラー・ガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
ハロウィン迫る秋の日に、響はかつての自分を思い出していた。
ヒーラーという夢に踏み込む勇気を押し殺して、家族を言い訳に足踏みしていた時間。
かつて葵に投げた強い言葉も、自分の弱気を睨めばこそ。
ならば今こそ、堂々ステージのど真ん中に踏み出す時!
つー感じの、秋の終わりの光と影…な第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
いつも明るく優しい響ちゃんが、どんなクラさを背負っているか見せるAパートから、楽しいハロウィンを描くBパートへ。
憂鬱な風が吹く季節に相応しい、明暗のメリハリが良く効いたエピソードである。
いつも歌って明るく元気! つうのが基本のアニメではあるのだが、人生の起伏や暗さを無視して世界を作っているわけではなく、当たり前の人生によぎる陰りは、しっかり見据えて話を作っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
響をメインカメラに据えて、田舎産の太陽小町が結構複雑な思いを抱えていると、今回しっかり切開していく
『いつも笑って、みんなを支えてくれる強い子』つうイメージで固定されちゃうと、キャラの立体感としても話の風通しとしても惜しいな…と思うポイントだったので、普段とはちょっと違う影の使い方を生かし、グッと過去と内面に踏み込んだのは嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
そういう影があるから、響ちゃんが嫌いになる。
今までと違う顔が見れたら、裏切りだと感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
そういう腰の弱い作劇はこのアニメしてねぇわけで、色んな顔が見れるとむしろ嬉しいってのは、第8話で証明済みである。
葵さんとの対話を活かして、あのエピソードから余韻を引っ張ってくる作りも好きだな。
今回のお話は故郷での過去と、診療所での今がそこまで間仕切りなく、渾然一体となって流れていく仕上がりだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
夢を押し殺してきた昔の自分は消えたわけではなく、明るい日々の中でもフッと、薄暗い己が顔を出す。
小さかった自分(歯欠け響ちゃん可愛かったなぁ…)を追い抜いても、思い出は消えない。
それは過去に縛られて身動きが取れなくなる…ということではなく、悩みや暗さもひっくるめて、夢を選んだ自分を、選ばせてくれた大事な人を、真っ直ぐ肯定することである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
今回影の使い方を通じて、結構ナイーブな響の内面が印象的に演出されていくわけだが、それが”真実”というわけでもない。
今までかな達(と僕ら視聴者)に見せていた明るく頼れる顔と同じく、憧れと怯えを同時に抱く複雑な内面は響の一部だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
影があればこそ光もある。
繊細に自分の内側と外側に思い悩める子だからこそ、色んな人の辛さに気づいて、しっかり支えてあげれもする。
そういう、人間存在が持つ複雑な面白さに、肩肘張った堅苦しさを抜いて切り込めるのが、このお話の強みでもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
ある種の奥ゆかしさというか、物語と描写から何を受け取りどう感じるかを、作品が押し付けてこない心地よさが、確かにあるんだよな。
”読める”自由…というか。
しかし何を言いたいか解らないわけではなく、むしろ細やかな描写の積み重ね、様々な対比と融和の中で、感じ取ってほしいことは力強く伝わってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
この芯の太さに、率直に可愛いキャラ描写が上手く絡んで、お話を美味しく食べれるのは、大変ありがたい。
みんな毎回可愛いもんなぁ…凄いことだよ。
響ちゃんのオリジンが深く描写されたことで、三人娘全員の人生に烏丸師匠が強くぶっ刺さって、『ヒーラーになる!』つう方向に捻じ曲げていることが、良く解る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
師匠の凄みを、ファンタジックなヒーラー描写だけでなく、こういう人間的影響力のデカさで裏打ちしてるの、結構好き。
本物の才能を間近で浴びることは、喜ばしく特別な体験であると同時に、至るべき高みと遠さを思い知らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
ここで”家族”をダシに夢から逃げていたことを、当の家族が良く見つめている。
俺は第5話ホント好きなので、森嶋家が再び描写されたのが嬉しかった。あの家大好き。
ダディもマミィも響ちゃんのことよく見てて、しっかり背中を押してくれて…ぶっ壊れきった五城家とは大違いだなッ!(唐突に玲美ちゃんを殴る)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
かつての響と同じ立場にある妹ちゃんが、お姉ちゃんとの別れにモゾモゾしてる様子も、それを振り切ってエールを送る姿も、大変良かった。
”センター”というキーワードを軸に、過去と現在は混ざりあって繋がり、新たな未来へと響は踏み出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
複雑な内面を抱え、なお勇気を出して歌うこと。
その震えが、挑戦と変化の楽しさにいつでも笑っていること。
そんな青春の瑞々しさが、良く描かれたエピソードである。
ここら辺の弾む感じを上手く演出するのがお歌シーンで、買い出しやらハロウィン当日やら、皆とともにいる日々の眩さを音に乗せて、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
歌の使い所を毎回ドラマの調子に合わせて、緩急と変化つけて活かしているのは、ミュージカル・アニメとして優れたポイントだと思うね。
響ちゃんが一人で悩む時、作品に歌は流れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
歌えるのは、いつでも誰かと一緒に夢を追い、日々を楽しむ時だ。
このメリハリが、響ちゃんにとって歌がどんな存在であり、歌をそう捉え活かす彼女がどんな人物なのかを、雄弁に語ってくれる。
こういう所の調整が、本当に優れたアニメである。
響ちゃんの笑顔の奥にある暗さには、師匠もしっかり目配せしていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
蛹の時間の難しさを理解しつつ、より善い場所へと進めるよう、丁寧に道を整えていく。
その隣には、いつでも笙子さんが…。
『二人でお出かけだって~』と言われた瞬間、俯瞰で見てる観客にだけある種の”緊張”走るの、面白すぎる…
三人娘がいとこ煮を堪能し、大人たちが松茸に舌鼓打つシーンは、予算も素材も違えどお互い秋の味覚に微笑む、重なり合いがあっていいシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
あそこにお婆ちゃん先生がいてくれて、ホント良かったよ。
師匠と笙子さんだけが会食と”その後”をしっぽり楽しんでいたら…玲美ちゃんが道化じゃんッ!
『玲美ちゃんは、ずっと可愛い恋ピエロだし』つうのは、まぁ、その…そこが好きなのッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月7日
さておき、弟子の成長を祝祭のステージに感じ、師匠が用意したの道は、ヒーラーC級試験。
この着実なサクセス感も、作品の強い魅力だと思います。
次回も楽しみですね。