夏だ! UMAだ! プリキュアだ!!
夏季休暇に突入した児童を置いてけぼりにしないため展開される、夏休み期間特有のユルいエピソードがわんぷりにもやってきた!
前回想定されていたカオスとグダグダが、束になって襲ってきた感もあるわんぷり第27話である。
『いや~ユルかったねぇ!』って感じではあるが、そもそも敵組織の内情とか世界を揺るがす運命とか最初から持ち込んでないわんぷり、こういう温度感は妙にしっくり来る。
バトルなしで朗らかな空気を醸造している作風と合わせて、異様なテンションでUMA祭りに興じるアニマルタウン住人とか、急にUMAキチの顔を見せる悟くんの吹き上がりっぷりとか、絶妙な狂い加減で良かった。
妙にキャラが濃い町長の出現とか、ぶっちゃけ何もかもが唐突なんだけども、だからこその奇妙な味が僕は嫌いではなく、良い感じのプリキュア夏エピ食ったなぁ……って感じ。
そんなお話で一番キャラが崩れてたのは、もちろん完全無欠のクールガール・猫屋敷ユキである。
『追加戦士のポンコツ化』という、プリキュアもう一つの摂理に引っ張られた……っていうよりは、猫が生来持ってるユルい気質が表に出てきた感じはある。
机に置かれたリボンを蛇だと思い込み、過剰警戒してフギャフギャ言ってるところとか、こむぎがいつも大暴走させてる犬力の猫版を、ようやくユキが見せてくれた感じもあった。
俺は人間の姿だろうと犬丸出し、とにかく”仲良し”と”楽しい”を全身から溢れさせてベタベタひっついてくるこむぎが大好きなので、ユキもそういう己の中の本性を、ドンドン見せてくれるとありがたいのだ。
ユキの完璧気取りって、震える自分を抱きしめてくれた引っ込み思案な”妹”を、世界の悪意や理不尽から守るための盾って側面もあって。
今回ユキがユルくなれたのも、まゆちゃんがプリキュアとしての非日常、いろはちゃんと出会って変わった日常の中で、どんどん頼もしく前向きになった反動かなーと感じた。
最初っからポジティブな社会性を備えていた犬飼姉妹に比べて、猫屋敷姉妹は自分と世界の繋がり方に、それぞれ個別の手触りで難しさを秘めている。
それを極めてじっくりした筆致で、ゆっくり切り崩し変えていく歩みをこのアニメは追いかけ続けているわけだが、完璧じゃなくても良くなった今回のユキの醜態は、その一つとして見るべきかなーと感じた。
いや、『ヘビさんこわいし……』でブルブルしてる猫屋敷ユキは、面白かわいい過ぎてなかなかの破壊力だったわけだが。
話の方はまー大概にユルい感じで、冒頭『ツチノコ探そーぜ!』のスタートからしてずいぶんネジが外れていた。
世の禽獣全てが幸せに暮らすアニマルタウンでも、UMAは幻……なんだけども、楽土をさらに越えた動物天国であるニコガーデンにおいては、絶滅種だろうが幻想種だろうが共に暮す仲間である。
確認されていないけどもいるかもしれない、謎めいたUMAもまたUnidentified Mysterious ”Animal”ではあって、ハチャメチャな筆致ながら彼らに人間が抱く思いを切り取った今回、動物テーマのお話としては結構大事かもしれない。
……いや、盛夏名物トンチキプリキュアだなやっぱ。
直接的な暴力行使を封じつつ、バトルのシチュエーションを毎回凝ってるのは、わんぷりの頑張りどころだと思っている。
今回はキラリンハムスターの縮小能力を活用して、プリキュア版”ミクロの決死圏”といった趣のわんだふるな戦いが展開された。
ヘビ繋がりでメドゥーサの石化能力も暴れ倒し、悟くんのかなり大雑把な掘削作業の危険性含めて、冷静に考えるとかなーりピンチだった感じもするが……そこら辺はニャミーのポンコツっぷりで上手く誤魔化されていたか。
まゆを守るために固く握った拳で、怯えてるだけのガルガルをぶん殴っちゃった罪悪感に心痛めてたユキが、率先して『彼の力を借りましょう!』って言うのはかなり良かったな。
というわけで真夏の珍獣祭り! 元気でユルくて良い感じでした。
2クール作品に付き合って、キャラにも愛着がどっさり生まれているから、こういう温度感の話も大変良い感じに飲み干せる。
わんぷりが持つ頑是ない力みのなさ、ノンキな日常のかけがえなさってのは、バトルや悪の組織といった”定番”をあえてズラし、名作劇場的な雰囲気を取り戻しにいった挑戦の成果だと思っているので、こういう話はそれを再確認できて、個人的には楽しい。
『戦わないプリキュア』という、”キラキラ☆プリキュアアラモード”であんま上手く向き合いきれなかったネタに(動物要素も合わせて)再挑戦しているところも含めて、わんぷり……に限らず”プリキュア”は常に、刷新と再生に挑み続けてんだなーって感じ。
わんぷりが挑んだ色んなことが、次なる”プリキュア”にどう生きてくるのかも含めて、なかなか楽しいところです。
そして次回も夏の大ゆるエピ祭りは続行っ!
クラスメイトの牧場へ押し寄せ、二足歩行で喋る執事羊を交えての、ドッタンバッタン大騒ぎである。
『コイツ相手には何をしたっていい』というポジションになりつつある、苦労人にしてアクの強い口やかましい大人担当、メエメエの勇姿が輝く回になりそうです。
ワーワー騒がしく走り回って、話を面白くしてくれる彼のこと、俺嫌いじゃないからな……。
ていうか好きなキャラなんで、羊まみれのお話で良い感じに目立たせて上げて欲しいと思います。
次回も楽しみっ!!