イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ダンダダン:第1話『それって恋のはじまりじゃんよ』感想ツイートまとめ

 オカルト、お下品、バトルにラブコメ
 盛れるモンなんでもブチ込んで、極音速で駆け抜ける新時代の青春疾走録、サイエンスSARUの剛腕で遂にアニメ化!!
 最高の滑り出しを見せた”ダンダダン”第1話、大満足のスタートである。
 いやー…面白かったねッ!!!

 当方原作大好き人間、異常画力が毎週ハイペースでぶん殴ってくる作風をどうアニメに落とし込むか、ワクワクとハラハラが半々で見させていただきました。
 蓋を開けてみたらSARU特有の歪さを見事に乗りこなし、動いて歪んで飛んで跳ねて、アニメーションがアニメーションである面白さを色んなところで暴れさせた、大変いい感じのアニメ化でしたありがとうッ!

 

 

 

 

画像は”ダンダダン”第1話より引用

 おどろおどろしい伝奇テイストに、下ネタ全開の下世話、ハードなアクションに甘酸っぱいラブコメ
 あらゆるジャンルを高速で横断し、なんもかんも綯い交ぜのカオスを超高速でブン回すスピード感が武器の一つな原作ですが、だからこそアニメでその味わいをどう形にしていくか、かなり難しいとも感じます。
 しかし奇才集団サイエンスSARU,”ウルトラQ”テイスト満載なOPから始まって、場面場面強いアニメーションを存分に活かす形で、多彩な面白さを真正面からドライブする、力勝負に打って出ました。

 ”何か”が起きそうな不気味さを秘めた怪奇な描写、メロウでエモい情感の画作り。
  あるいは異様なテンションと迫力で突っ走るバトルに、最後の最後まさかの角度から爆発する、甘酸っぱい恋の始まり。
 各場面、各要素に必要な面白さを、ギュンギュンうねるアニメーションの地力で支える形で個別に削り出し、色んな楽しさをこっちの胃袋パンパンになるほど過剰に投げつけてくる、やり過ぎ感満載の最初のご挨拶。
 大変見事に、見てるこっちの横っ面を張り飛ばしてくるスタートになっていて、素晴らしかったと思います。
 何が起こってんだかワケわかんねぇ、このToo muchな手応えはまさに原作のエッセンスそのまんまで、カオス&スピーディでメチャクチャ良かったです。

 

 色彩にしても動きにしても、極限までヴィヴィッド&アクティヴにこっちを振り回してくる…ようでいて、オカルンとモモちゃん両方のナイーブな過去とか、妙にいい感じにオタクとギャルが心を通わせるオカルト二元中継とか、チルな感じでダウナーに進めるところとの明暗と緩急が、かなりいい感じでした。
 暴走機関車のように見えてしっかりブレーキもアクセルも握りこみ、場面に必要なBPMを保って演出できる力量がちゃんとあること。
 その緩急が見ているものの脳髄を揺さぶり、未体験のアニメ体験を脊髄にブチ込んで血液沸騰させてくれること。
 そういうパワーの証明を、出だし一発ブチかましたのはスゲー良かったです。

 下ネタもアクションも恐怖描写も、何でもありの過剰さがウリの作品ではあるのですが、それがヒューマンドラマの落ち着いた下地にしっかり支えられればこそ、過剰なカオスを楽しめもするわけで。
 色んな面白さを全局面で乗りこなしていく…それだけで終わらず、様々なアイデアで弾けるグルーヴで加速させていく腕力が、アニメスタッフにしっかりあることを教えてくれたのが、とても安心できました。
 いや、ハチャメチャヤラれまくって見てると”安心”どころじゃないんだけども、そういう混沌を使いこなせるワザマエあればこそ、思う存分ノれるっていうかね…。

 

 上げ下げが激しく展開が早い、イマっぽい造りに確かに感じる安定感。
 その土台には、オカルンとモモちゃんがどういう人間なのか、作品を背負う主役のキャラクター性を忙しい展開の中、ちゃんと描く手際がありました。
 まだ見ぬ高倉健を追い求める、恋に恋する暴走ギャルに見えて、モモちゃんはお婆ちゃんを邪険にしてしまった幼い日を悔やむナイーブさと、曲がったことを見過ごせない正しさ、燃え盛る純情を力に変える強さがしっかりある。
 オカルトだけを心の支えに生きてきたオカルンが、石を投げられてたら体を張って守り、意見がぶつかって暗い方に沈みかけても、「言い過ぎた…」と寄り添える優しさがあるわけです。
 やっぱそういう、キャラの背骨がすぐ見える第一話は良い。

 オカルンも他人との距離感バグったやべーオタクなんですが、自分を守ってくれたモモちゃんへの恩義に魂を沸騰させ、その柔肌に自分の服を畳んで差し出す侠気がある。
 優しさと強さと正しさを、奇妙奇天烈な濃い口キャラ付けの中しっかりもっているキャラクターの地金を、アップテンポな展開の中しっかり差し出せていたことが、何もかもが過剰で混沌とした物語の何が面白いのか、翻弄されつつも見失わず楽しめた、大事な道しるべになってたと思います。
 やっぱあの二人が、見てて気持ちの良い奴らだから面白い話だからね…そういうトコロ、初手からキッチリ浮かび上がらせてくれてたのは良いやね。

 

 あと宇宙人からUMA、都市伝説から因習妖怪の類まで、オカルトなら何でもありの異能バーリトゥードなお話でもあるので、色んな表現を横幅広く使いこなしているのは、今後のオカルト描写に期待が持てる要素でもある。
 描かれるべき怪異が変われば、当然それを盛り上げる筆も変化するはずで、色んなバリエーションで怖さや凄さを描けるってことは、原作が持ってる多彩な魅力を場面に合わせて引き出せるつーことだからね。
 原典からのアレンジも(今回のターボババァ見れば分かるように)センスバリバリのパワフルなものなので、アニメがそれをどう受け取って自分なり振り回すか、メディアが変わればこその楽しさもたっぷり味わいたい。

 ハイテンションで下世話な青春物語から、ガチ怪異が潜む本物のホラー、それを横から張り飛ばすスーパーバトルへと、作品のムードが高速で切り替わっていく第一話。
 最後に思いがけず燃える恋がUFOと一緒に爆裂し、まさかまさかのラブコメ街道血反吐吐くまで、欲張りに全力疾走していく手応えもしっかり描かれました。

 

 オタクとギャル、UFOと幽霊。
 真逆に見える二人の運命が混じり合い、何でもありの欲張りな青春がイカれた速度で加速していく物語は、それを描くのに相応しいパワーと巧さでもって、アニメという表現にしっかり着地してくれました。
 このハチャメチャな青春がどこへ飛び上がっていくのか、次回も楽しみ!