スシとクソとカメとブロンドビッチとB級ホラー!
何でもアリのオゲレツが、元気に入り交じるオムニバス醍醐味…New PANTY&STOCKING with GARTERBELT第5回である。
今回も短短中のリズムで三篇、やりたい放題なアイデアをスカッと暴れさせる、最高のクソアニメである。
ワンアイデアで押し切る作風には出落ち感が漂いがちだが、毎回作画を頑張ってくれるおかげで珍妙なエを堪能できて、結果走りきれてしまうのだから凄いモノである。
座って口開けて、垂れ流しにされるものを素直に楽しんでも良し。
口の中に飛び込んできたウンゲロが、どういう味わいするか噛み締めても良し。
毎回色んな話をやりつつ、どっかに継続性を感じる作りは、オムニバスとしてリッチで親切だと思う。
実は二期になってからあんま描写のなかった、デーモン姉妹をメインで扱い第1エピソードのコクとか、感動回だった第8話の余韻を最悪人面ガメでダイナシにする第2エピソードとか、五十嵐海に続いて古川晟が全領域担当し、B級ホラーへのメタな愛憎が色濃く滲んだ第3エピソードとか、食べ応え満載でありがたい。
中編エピソードを実力派に預けることで、おバカなパワーと不思議な奥行きを両立させた良作がビシビシ飛び出してるの、TRIGGERという創作集団の分厚さを感じれて凄いね。




というわけでAパートはデーモン姉妹裸の奮闘と、クソ神父とクソカメのクソ侵略である。
なぜスシでなぜ嵐でなぜクソなのか、一切説明ないまま異様なテンションで状況が転がり続ける第10話は、徹頭徹尾訳分かんなくて良かった。
異様なスケールのデカさで異様に下らないことをやり抜かれると、妙な爽やかさが作品に宿るんだ…という驚きがあったね。
デーモン姉妹のおバカな仲良し加減をたっぷり摂取できたのも、帰るべきホームがどこにあるのか、思い出させてもらった感じで良かったです。
んで第11話なんだが…第8話の仕上がりの良さを逆手に取り、感動への期待感を全部逆向きに最悪に仕上げたやり口に、キレーにぶっ飛ばされてしまった。
黒人アフロのオジサンがガンッガン量産され、イヤに生活臭漂うダテンシティ占拠をぶち込むところとか、ホント生々しくイヤだったからな…。
パンティとバイブにしても、今回のブリーフとB級映画ゴーストにしても、他の連中は満たされれば消えてしまうゴーストの切なさを綺麗に使った”絵”貰ってんのに、ガーターベルトはキモ人面ガメで惨殺処刑だもんな。
おまけに巨大化するし…TMNTかと思ったらガメラでしたッ!!!
第11話の「感動かと思ったらいつものクソでした」は、第8話の仕上がりがなければ成立してないスカシなわけで、オムニバスという形式をすごく活かした回だったと思う。
テーマの多彩さだけでなく、ネタを被せた上で料理法を変えて色んな味を生み出す工夫は、何でもアリの短編連作だからこそ活きるレトリックだろう。
ブレーキ踏まずに突っ走っているように見えて、めちゃくちゃ考えた上で技巧を凝らし稚気を演出してくれるのは、凄くTRIGGERらしい描き方だと思う。
こういう生真面目さを覆い隠すために、テンション上げて突っ走り続けるシャイネスひっくるめて、なんか凄く良かった。




んでB級ホラーへのメタな愛憎が渦を巻く、第12話もとても良かった。
この作品自体がブロンドビッチへの偏見を、最悪な方向と勢いでぶん回すことで成立しているわけで、何かを粗雑に扱うことで成立するエンタメへの視線が重なり合ってて、心地よい奥行きがある。
ここら辺の洗練を、ゴーストが作り出すノワールな恐怖劇の作画でしっかり支えているのが、このアニメらしい作風だった。
やっぱ”動く絵の力”でもって、問答無用に理解らせる腕力勝負を毎回仕掛けてくれるのは、シンプルに気持ちよいわな。
B級ホラーにはブロンドという属性をビッチという生き方、すぐ死んで後腐れない使い捨ての弱者に結びつけてしまう粗雑さと、そんなモノでも作品数が積み重なればジャンルとなり、特有のコードが生まれ、思弁の対象になっていく複雑さが同居している。
快楽欲求に素直なクズが生み出した、現実のブロンドをビッチな犠牲者に押し込めてしまう危うさ…生身の怨念からゴーストを生み出すヤバさは、しかし人を殺さず恐怖と戯れる様式を生み出す。
ゴーストが人を殺さずにすんだのは、あくまで死の遊戯でしかないホラー・フィクションが現実と隔絶され、狂気と暴力を遠ざける理性を保ち続けたからだ。
ゴーストはブリーフと同じホラーマニアとして、ジャンルのお約束を俯瞰で解体し、批評し改善していける存在だ。
そういう批評行為の一番エキストリームな形として、自分が演じた/押し付けられたジャンルに飲み込まれ、逆襲のブロンドビッチとして”主役(ヴィラン)”になろうとした、ブロンドビッチ殺人鬼を殺ことになる。
犠牲者は怪物に、悪霊はヒーローに移り変わる中で、では巻き込まれたコメディアンであり探偵でもあったブリーフは、どんな存在に変わっていけるのか。
それはこのあとの話数、メタホラーではない物語の中で、答えが出ていくものなのかもしれない。
殺され/殺すブロンドビッチが軒並みパンティに似ていて、殺人鬼の顔を顕にした時現代最悪のブロンドビッチ大統領がパロディされるのも、凄くメタ的な表現で。
銃を手に悪霊を殺し、死すら乗り越えてタフに戦うパンティは、一見頭が弱く股がユルい金髪をぶっ殺して恥じない世界に、反逆する最悪ジャンヌ・ダルクに見える。
しかしパロディを作品の基盤に置くこの物語は、有害な類型を都合よく利用することで成立もしているわけで、パンティに似た(現実に存在するモノ含む)女が勝手な規範を押し付けられ、そこからはみ出すことを許さず殺されて行く状況と、共犯して自分たちを編んでもいる。
だから典型的ブロンドビッチであるパンティも、ブロンドビッチでない生身の彼女も、全部ひっくるめて愛しているブリーフと、彼にB級ホラーを愛し殺す強さを持ってなかったゴーストが今回事態を解決するのは、メッチャ示唆的だなぁと感じた。
ここでパンティが撃ち殺して終わると、ブロンドビッチを殺すブロンドビッチを殺すブロンドビッチが殺す…という、ブロンドビッチのマトリョーシカで話がループに入る。
ブロンドビッチを最初の犠牲に凝り固めてしまったB級ホラーを除霊するのは、そのヤバさを批評的に認識できるナードであるべきで、ブロンドビッチに始末を任せるべきじゃないんだろう。
それはちょっと、ブロンドビッチに甘えすぎている。(もしかしたら、現実においてそうであるように)
ゴーストが断ち割った殺人鬼の肉体は、デロリと臓物を溢れさせて、金髪のファイナルガールをマジでビビらせる。
B級ホラーなら楽しめることも、現実に溢れ出してみると耐え難く醜悪で、刑事たちはそれを見てゲロを吐く。
殺戮を娯楽にする安全な創作装置が巻き込み狂わせた、老いたるブロンドビッチのどうしようもなさ含めて、積層する嘘っぱちの奥に妙に生身な手触りがある回で、とても良かったです。
NTRでチンポしごくわ、ストーキングアプリで事件解決するわ…ブリーフの最悪な部分もたっぷり描かれてんのに、妙に爽やかにファイナルボーイやってる加減とかも好きだな…。
次回はどんな色が見れるか、楽しみです!