イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 2025/09/25-10/07 キズナバレット『残酷劇にうってつけの日』

 先日、キズナバレットオリジナルシナリオの分割セッションをGMさせてもらいました!

 

 シナリオタイトル:残酷劇にうってつけの日 システム:キズナバレット GM:コバヤシ

 

 あんずさん:緑谷蝶:28才女性:オーナー:奉仕=奉仕 元医療従事者の、心優しい女性。その優しさが鎖となって、約束と運命に縛り付けられ死体人形の手綱を握ることになった。自身と関わった子どもたちを翻弄する過酷な運命に、靭やかな反逆を突き立てる強さを持つ。

 ぱすかるさん:久我 鉦徹:10代後半男性:ハウンド:奉仕=奉仕 人形めいた冷静さを誇る、元ステージパフォーマーの青年。謎の結社に出生を操られた過去を持つが、呪われた再誕によって実感のない記憶と化している。クールに見えて、舞台に立つ意味を重く受け取る演者の魂が、熾火のごとく燃え続けている。

 

 こんな二人が、悪鬼の定めた舞台に抗って戦いました。
 とても楽しかったです。

 

 あんずさんのリクエストを受けて、すげー久方ぶりにキズナバレットを遊んだわけですが、やっぱとても良く出来たシステムでして、ルールブックに書いてある記述を追いかけつつ、執筆当時の記憶を掘り返しつつのゲームとなりました。
 思い出し出しのプレイなので色々拙いところもあったし、時間読みをミスって分割セッションになっちゃったわけですが、プレイヤーの皆さんには楽しんでいただけたようで何よりです。
 自分を遥かに上回るキズナバレット古強者なあんずさんも、このセッションで初めてシステムと出会うぱすかるさんも、それぞれの楽しみ方でシナリオに向き合っていただけた感じだったので、たいへんありがたかったです。

 久方に取り回してみると色々堅牢なシステムで、手元が危ういGMが触ってもちゃんといい出力取り出せるのが、なかなかに強いゲームだなぁと感じました。
 キャラメイクとミドルフェイズでしっかりエモーショナルの土台が整うよう、色んな準備がスムーズに整っていく過程も強いし、それが結実してクライマックスへと繋がり、スタイリッシュな銃撃戦を軽い処理で可能にしている戦闘も、独自の魅力満載で面白い。
 GMしながら、システムの面白さを再発見させてもらうようなセッションになり、なかなか珍しい体験ができました。

 

 やりながら思い出したわけですが、このシナリオはシステムレベルで過酷なエモを仕込まれたこのゲームに対し、自分なりの答えを出そうと思って作りました。
 世界観段階から悲惨を煮込んでエモを純化していくやり方は、やっぱある種のヤダ味というかわざとらしさがどうしてもつきまとって、当時の自分は己なりの答えをシナリオという形で刻み込まないと、どうにもこのシステムと向き合えない気持ちがあったのだと思います。

 そういうどうにも出来なさってのを、プレイヤーがいてキャラクターがあって、決断と選択で物語が作られていくTRPGという遊びに噛み合わせながら、自分なりのメッセージを刻み込もうとした当時の自分と、出会い直すようなセッションになりました。
 これは執筆とGMを通じて、自分の中に積層した感慨でしかないので今回のセッションと直接の関係はないわけですが、長年TRPGを続けて、こうして昔のシナリオを引っ張り出して遊ぶ機会があると、そういう匂いも蘇ってくるなぁ、と思いました。

 同時に今、ここでしか生まれない瑞々しい物語もすごく鮮明に描かれて、ただ懐かしさだけで終わらない、現在進行系で特別な物語生成ってのがしっかり機能するのも、TRPGって遊びの面白いところで。
 都合三回遊んでいるこのシナリオ、毎回個別のバレットが記された運命に飛び込んで、それを超えた新たな物語を独自に紡いで、今ここだけの熱を帯びた体験を連れてきてくれてます。
 やっぱそういうのって、TPRGだからこその面白さで凄いなと、改めて思えるセッションでした。

 

 というわけで、大変楽しいセッションでした。
 同卓していただいた方、ありがとうございました。