羅小黒戦記 第6話を見る。
チーグオの闖入から始まった騒動が収まり、洪水で滅茶苦茶になった里がまったり復興していく様子を描くフェイズに入った。
ビデューをしつけたり地元の動物をシャオヘイがシメたり、凄くマッタリした展開を鳥の声とともに堪能しつつ、ちょっと不穏な空気がうねりだす感じ。
久々に文明の利器使って街に出てみると、別天地の趣がありつつも、すぐさま謎めいた市中山居に舞台は移り、果たして復興予算獲得為るや鳴らざるや! …て所まで。
どう考えても町中に収まらない異常空間が、ぽんと飛び出してきて長閑なのは、やっぱこのお話特有の味だなぁと感じる。




前半戦はとにかくマッタリしてて、結構甚大な被害が起きてるのに里で過ごす人たちはタフだ。
アゲンの異能も当たり前に重機代わりに活用されていて、街≒近代とは違う時間とルールで満たされている場所なのだということを、改めて感じることが出来た。
僕はこのお話に漂う焦らない空気感、靭やかな落ち着きみたいのがとても好きなので、復興に汗を流す人たちのスケッチと一緒にたっぷり食べれたのは、たいへん良かった。
前回みたいに一話の中にメリハリ効いた起伏がある展開も良いが、この緩く靭やかな感触も素晴らしい。
壮大な風景の中では、妖精たちの不思議な闘いも、人間たちの粘り強い復興も、動物たちの微笑ましいバトルも、同じ視線で切り取られる。
色んな存在が肩を並べて笑っていられる、力まない多様性てのはこのお話でかなり大事な要素だと思ってるんだけども、落ち着いて見渡すと相当ダメージデカい豪雨災害から、逞しく蘇っていく日々を追いかけるカメラが、そういう平らかさをしっかり切り取っていた。
まぁそれが時折暴力的な色を帯びるのは、お国柄というか作風というか、十分御愛嬌の範疇である。
色んな意味で容赦ないよなぁ…でもあっけらかんとしているので、変な重さがないのは良い。
物語はあくまでシャオバイちゃんの視点を軸に進んでいくので、妖精の社会がどういう政治力学で動いていて、何を狙って怪しい連中が蠢いているのか、見え切らない部分は大きい。
以前老君の仙境でやり合った連中がまだ、色々企みを抱えている感じもあるが、そっちが本道ってわけでもなく尺はマッタリ日常を追っていて、なかなか面白い食べ応えである。
日常と非日常のギャップを強調するわけでもなく、非日常の中にある日常性を大事に描こうとする手つきは、前回深山の冒険にも印象的だった。
旧き妖精も現代を生きる人間も、みな穏やかに笑っていられる”日常”の中で生きる存在だと、静かに滲ませてくる物語だ。
そこら辺の筆致が動物さん達にも及んで、超強い妖精であり可愛い猫ちゃんでもあるシャオヘイが、荒くれ者どもを一瞬で制圧する流れはチャーミングで良かった。
そらー国士無双の仙境を師と仰ぎ、空間系異能を操る超常存在なんだから、普通の動物が太刀打ちできるはずもない。
それでも懲りずに噛みついてくる連中の、妙な可愛げが心地良い回だった。
暴力を扱う時のサラッとした手触りが、超絶アクション作画と重なって独自の質感を生んでいるのは、やっぱ面白い。
こんだけ描けるならシリアスなバトル重点で立ち回っても良さそうなもんだが、それは劇場版でやる切り口…つう話かな?




嵐の予感をはらみつつ、復興予算を求めて物語の舞台は街へと移る…と思ってたら、あっという間に話が市中仙境に迷い込んだ。
引いたカメラでスケール感を見せる構図が多くて、やっぱ仙境が舞台になると嬉しい。
都市の中にある得るはずもない、広大な空間が圧縮され織り込まれている魔術の手つきを、ヴィジュアルに感じ取れるのが良いんだろうな。
ここら辺のセンス・オブ・ワンダーと、トラックの荷台で街を目指す時吹く風が同居しているのが、現代のおとぎ話としての魅力なのだろう。
あるいはシャオバイ達を取り巻く田舎風味も、既に仙境と同じくファンタジーなのかな?
耳で聞くのではなく肌で感じるべき、地域特有の空気感や文化的背景。
そこを消化しきんないまま作品を浴びているので、色々飲み込めていない部分も多いのだろう…などと思いつつ、見知らぬ味だからこそ面白い異国情緒ってのも、自分がこのお話を見る大きな理由である。
まぁ道教と自然を作品の根底に置く物語だからこそ、雄大な情景にノスタルジーを掻き立てられる風情を大事に話を進めてる部分も大きいだろうけど、忙しい街の空気を遠ざけ、仙境や田舎に聞こえる鳥の声を伴奏に話を進めている理由を、勝手に推察するのもまた楽しい。
まぁそこら辺知識不足で、どうやっても的外れにはなるんだがね。
さておき虎も当たり前に喋る霊的領域で、まーた謎めいた男が出てきて次回に続いたわけだが…こっからどう転がるか、マジサッパリ判らん。
この読めなさも作品の魅力であり、思わぬ所で過去の描写が実を結んだりもするので、お出しされたものを楽しく食べる心持ちである。
常識を遥かに飛び越えたワンダーが飛び出してきても、シャオバイちゃんが動揺することなく乗りこなしているのが、なんとも頼もしいと感じつつ。
開発進む市中に潜む、妖精会館にて何が待ち構えているのか。
悪漢…と言い切るには妙に知的で礼儀正しい仙侠は、何を望んで探りの手を伸ばすのか。
次回も楽しみです!