イマワノキワ

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DARK MOON【黒の月:月の祭壇】:第5話『Waxing Moon-俺の首を噛んで-』感想ツイートまとめ

 DARK MOON【黒の月:月の祭壇】 第5話を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画像は”DARK MOON【黒の月:月の祭壇】”第5話より引用

 ヤベー野良吸血鬼とかヤベー幻覚とかヤベー異能とかは一旦横において、ヒロインを囲んで楽しいパーティーするぞ! …ってはずなのに、炎と血に塗れた思い出が凄い勢いで襲いかかってきて、孤独な非差別種族の悲哀が新たに炙り出されていた。

 ショタ時代のイケメンが優しい女の子に庇われた五秒後、血みどろの本性見られて「ば、バケモノ!」から猟銃片手に山狩り開始。
 このスピード感、マジでたまんないね…。
 ここら辺のアクセルの踏み方は、外野としては大変ありがたい。

 

 話も折り返しに差し掛かり、イケメンが複数固まって生まれたクラスターも、ちょっとずつ自分の中にある陰りや痛みを差し出してくれるようになった。
 前半のツルンとした乙女ムード、嫌いじゃないしファン層には最適なサービスなんだろうなとも思っていたけど、そればっかりだとコクが足りねぇとも感じていたので、現代ゴシックらしい暴力や差別…それによって生まれる暗さが顔を出すと、物語が立体的になってくれて嬉しいのだ。
 まぁアニメからの外野の意見なので、リアルのENHYPENさんを愛している方々がこの血みどろ大炎上をどう受け取ってるかは、さっぱり分かりませんが…。

 実在人物をモデルに、人狼と吸血鬼が暴れまくる現代ゴシックを描くってのが、ENHYPENさんが立ってる文脈においてどんだけ奇策なのか、正直よく解ってないんだけども。
 自分の中で消化する材料として、当時絶頂期にあったAKBを反政府レジスタンスにしてSFやった”AKB0048”とか、元々あったオリジナル企画を強引にアイドルコンテンツにハメた結果盛大に事故った”アイドルマスターXENOGLOSSIA”とかを思い出す。
 俺は両方大好きな人間なので、毒ガス発生するくらいヤバい化学反応を心底面白がれる、まぁまぁヤバい気質があるんだろうな…。
 なので、このお話も大好きさッ!

 

 そんな懐旧と個人的嗜好はさておき、お話の方は表向きハッピーな現代と、男も女も超ネバネバしてる過去の二層構造で進む。
 強めのド差別に直面し、人を装いつつ長く同じ場所で暮らせないヴァンパイア青年たちが、かなりクラい孤独を背負っている様子は、スハに惹かれてんのが異能の影響だけじゃないと解って、なかなか良かった。
 満月に魅了されたカーンも含めて、果たして胸に湧き上がる思いが呪いなのか本物なのか、自分に問いかけるようなクライマックスが待ってるんだろうなぁ…。
 やっぱ”悪魔のリドル”じゃないか!(リドル粒子中毒者なので、似た味がすると嬉しいマン)

 人間に優しい吸血紳士たちが、吸血鬼社会においてどんだけ特例であり、人間側にもバケモン側にも居場所がない異邦人なのかは、現段階だとまだ解らない。
 学園モノっていうジャンル設定もあって、主役たち周辺から遠くて拾い、社会の描写はあんまりないからな。
 これは良い点でもあって、その狭さはスハ個人が体験した悲劇に強くクローズアップして、彼女の抱えた偏見とトラウマを乗り越えていくストーリーラインを、しっかり取り回せる足場にもなるだろう。
 つーか一見典型的ヒロイン気質に見えるスハが、濃厚なトラウマで認知歪みまくってるの、個人的に美味しい味なんだよな…天使の仮面を付けた、傷だらけの幼子ッ!

 

 己の特性である怪力は誤解と差別を呼び込むし、そんな自分に平等に接してくれた王子様はヴァンパイアに座れて死んでるしで、スハが背負っている十字架もなかなか重い。
 今回血みどろの過去を回想することで、自分たちも寄る辺なく世界を彷徨う孤児なのだと示してくれたイケメンと、傷の深さは似たりよったりだ。
 この痛みを共鳴させて絆が深まると、なかなかいい感じだと思うが…さて、人狼・吸血鬼合同の楽しいパーティーは、どういう展開を見せるのか。

 バケモンどうしの偏見と憎悪も、シャレになんないくらい根深い描写が溢れてきとるが、「被差別民間の、かなり激烈な差別(それをやってないと、被差別民である事実に耐えられないから処方される麻酔薬としての地獄)」というネタの生臭さ…良いねッ!
 こういうのは大概、そこで食い合ってくれると得をする誰かが生み出してる構造でもあるので、それが後半顕になんのかな~とも思ってる。

 

 5話まで見てみてこのアニメ、ツルンと表面整えてイケメン山盛り食わせる喉越しの良さと、それで全然誤魔化せてない暴力と差別への生っぽい視線が、あんま混ざり合わず同居してる印象だ。
 現代ゴシックというジャンルを選んだ以上、暗い影を蔑ろにせずガンガンやってくれるのは誠実だと思うし、個人的にめっちゃ好きな味なので楽しく食べさせてもらっている。

 かなりの速度で切り出した青春色のロマンスが、主役の異能が引き起こした嘘っぱちじゃないか疑惑まで、しっかり埋め込んでいるしな…。
 ここら辺の生っぽい手触りが、偏見と孤独を越えて生まれるロマンスをどんだけ加速させるかが、後半戦の見どころかなと思う。

 

 

 というわけで、次なる胸キュンイベントに向けて地獄の蓋を開ける、地ならしのエピソードでした。
 抜け駆けデートに誕生日パーティーに、デカ目のイベントどんどん投げ込んでいるんだが、それで誤魔化せないくらい血飛沫と炎が強くて、大変好みの味である。

 次回描かれるだろう、ツルンと整った恋色のメッキの嘘くささ、俺は結構嫌いじゃないわけだが。
 話が核心に迫るに従って、バケモンなりに頑張って取り繕おうとした人の皮も、ベリベリ剥がれて性根が見えてくるだろう。
 そうなった時、どういうトーンでこの物語は己を語るかが、今一番気になっている。
 結構自覚的に話を編んでる感じもあるので、新たな爆発に期待ですね。