イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/10/17

・ 柩姫のチャイカAVENGING BATTLE:第2話『ウイザードの矜持』
前回から引き続き、人格者の英雄さんと組手して各勢力の現状をさらっと見せる回。
チャイカの魅力の一つは殺陣の旨さだと思いますが、機動と詠唱に重点した今回のアクション描写もとても良かったです。
ウィザードとしてのチャイカだけではなく、トールを慕う少女としてのチャイカの魅力も引き出していて、葡萄おばさんは良いキャラだったなぁ。
赤面チャイカはとても可愛らしく、今回のエピソードはアニメの魅力を掘り下げる良質なお話でした。

一方、赤チャイカご一行にザックリ遺体を奪われ、次の日も襲われる風采の上がらない英雄(弓)もいた。
赤チャイカもトールにお熱であることを再確認しつつ、両方のチャイカにアイデンティティを疑う発言をさせてるのは、複数主人公の見せ方として面白い。
赤チャイカチームも仲良く旅をしているようで、未だ忠義を見せるジレット隊の動きと合わせて、次のお話でまた運命が交わる感じでしょうか。
3つの主役チームが織りなす付いて離れての関係が結構好きなので、今回みたいなトール組の掘り下げ話と同時に、運命が交錯するお話も楽しみですね。

 


・ 四月は君の嘘:第2話『友人A』
運命と出会うところまでやった第一話に引き続き、運命がどういう中身をしているか見せる第二話。
演奏ロボットとして面白みのないまま一度負けた主人公が、溢れんばかりの華故に世間に認められてないヒロインに惹きつけられていく回でした。
論理と天性、冷静と情熱、秩序と混沌。
なるほど、分かりやすい対比だ。

弾む演奏と作画、何より聴衆の反応でかをりちゃんの持ってる華をしっかり見せたのは、とても良かったです。
今後の主人公の動向、なにより才能を軸に回るであろう楽劇の拠り所として、骨の太い描写でした。
震える手の描写を入れることで、ただの才能にあふれた完璧超人ではなく、弱さを抱えたフツーの女の子であること、そんな子が人を魅了する才覚を有していることを強調できていたのも、バランスの良い演出。
一話に引き続き、手のクローズアップに演技をさせるアニメですね。

加えて、気楽に流そうと思っていた公正くんが、彼女の弱さを見て真剣に向かい合う受け方も、公正くんの誠実さを見せてくれてグッドだった。
こういうところで主人公に信頼を置ける足場を作ってくれるのは、本当に有難い。
細かく主人公の灰色人生を見せているからこそ、かをりちゃんメインのシーンがキラキラして活発に見えるのは良い対比でした。


なんだけど、今回見せた明闇の対比だけで進むのは、ちと寂しいかなとも思う。
公正くんが持っているロジカルさというのは必ずしもネガティブな側面だけではなく、ポジティブに評価できる要素を必ず持っている個性なはず。
そこに愛着(執着?)があるからこそ、かをりちゃんの演奏に惹かれつつも見たくない、変わりたくない矛盾を抱え込んでいる。
面白みのない、ロボットみたいな演奏しか出来ないとしても、既に居なくなってしまった母が残してくれた唯一のスタイルだとすれば、その愛着は庇護されてしかるべきだと、僕は思う。
そこを保護する視点は既に見えているので、今後かをりちゃん視点で物語が語られる時にそこら辺のバランスは取られると思うのですが、一応気になった所として。

音楽芸術の表現軸以外にも、単純な人間ドラマとしても、ただ公正くんがかをりちゃんから受け取って変化していくよりも、公正くんの堅物加減がかをりちゃんに影響を与え、相互に変化していくお話のほうが、豊かで面白いんじゃないかなぁ、とも思う。
このお話キャラの配置を見ても、要素の転がし方を見ても俯瞰的で健全だと思うので、そこら辺は未だ描かれていないだけだと思いますし、口とは裏腹にかをりちゃんが公正くんを"友人A"と見ていない描写も、しっかり挟まれていますけどね。
そういうところに目が行っているのなら、光の中に潜んでいる闇や、闇に見えるものが抱えている光も、しっかり描写してくれると思います。

そういう意味では、作品にとって、公正くんにとっての"光"たるかをりちゃんをしっかり輝かすことが出来たのは、とても良かったと思います。
基本的な構図を見せた一話、その内実を晒した二話と、出だしはとてもスムーズかつテクニカルで、かつエモーショナル。
今後どう飛躍するのか、とても楽しみです。

 

・ アイカツ!:第104話『アイカツダッシュ!』
ポンクレオーディションと、ひなきちゃんのお披露目回でした。
PONPONクレープオーディションは第7話『つぶやきにご用心』と第55話『合言葉はオケオケオッケー☆』で使っていた、シリーズ序盤の定番イベント。
何かというとあかりちゃんとの距離を詰めてくるスーパーグイグイ系女子ひなきちゃんの紹介と合わせて、手堅い仕上がりでした。

三人組のクール担当スミレちゃんと対比するように、積極的にから発話するあかりちゃん大好き人間ひなきちゃん。
ありとあらゆる局面であかりちゃんの間合いの一歩先に入ろうとしており、こいつ拳法を……という感じだった。
半年前から顔見せしてたあかりちゃん、出だしの二話を貰ったスミレちゃんに比べ視聴者との間に距離がある所を、初手からあかりちゃんへの好感度全開でガンッガン前に出る積極性で埋めてくるのは、良いキャラ表現だと思った。

ただ元気なだけではなく、芸歴の長いベテランキャラでもあるという記号の組み合わせは、三年目のアイカツらしいひねり方だと思う。
ただ主人公補正で好かれるのではなく、ベテランだからこそあかりちゃんのフレッシュさに惹かれているというのは、ひなきちゃんのプロ意識も強調されるいい流れだな。
今後の個別会で、そこら辺を掘り下げる話があるとは思うんだが……蘭ちゃんさんも古参兵キャラでしたね、最初は。
後自分のこと”ひな”っていうのと、左右のソックスの長さが違うのがあざとい。
凄くイイ。

こうして前に出てくるキャラを隣に置くと、スミレちゃんの奥ゆかしさというか、相手を動かしてからカウンターを取る性格がよく見えてくる。
知らない人があかりちゃんと喋り終わってから、自分の話をするところとかね。
三人が仲良くなっていくと、ここらへんの間合いも変わってくるのだろうなぁ。

スミレちゃんはアニメではあんまいないタイプの思慮深い女の子であり、同時にリアルでいそうな感じのする子でもあって、その一種独特のテイストがひなきちゃん登場で強調された感あり。
こうやってキャラ表現のシナジーが出来てるのは、お話として強い部分だと思います。
グイグイ来るひなきちゃんを穏やかすぎる笑顔で見守ってるのは、菩薩過ぎて怖え。
……こうして考えると、あおい姐さんのドル博士キャラは物語への積極性・キャラクターの見せ場という意味で優れた設定だったんだなぁ。
純粋カウンター型なスミレちゃんにはスミレちゃんの良さがあると思うので、そういうとこにフォーカスしたお話、早く見たいですね。


ポンクレの方はひなきちゃんのアシストもあって、あかりちゃんが半年越しの初勝利。
あかりちゃんからフレッシュな何かを受け取っていたひなきちゃんが勝つ流れかと思っていたのですが、新鮮さというどんだけ足掻いても追いつけないアドを活かして走り切る形に。
ステージ自体はひなきちゃんの方が足上がってたりする(ココらへんの差をしっかりステージ表現に入れてるのは、流石アイカツ)わけで、完成度だけがオーデの勝敗を分けるわけではないというのは、"アイドル"というテーマを忘れていないいい不公平だと思います。
ひなきちゃんは元気なだけではなく真面目でもあるので、負けた瞬間の呆然とした顔はとてもいいキャラ表現でした。
経験という利点が同時に欠点でもあるというのは、なかなか面白いなぁ。

あんま本筋とは関係ないんだけど、ジョニーにどーでもいいこと報告に来るあかりちゃんのシーンは凄く好きなシーンでした。
ジョニーへの信頼感とか、あかりちゃんの幼さとか、少ない時間で色々見えてくるわけで。
やっぱジョニーは信頼できるキャラだよなぁ……。

三年目初のオーディション回ということで、各キャラクターが持っている足らない部分を丁寧に見せるお話でした。
序盤にこうして欠損部分をしっかり見せてくれると、そこを充足する今後の展開に強い期待を抱けるので、非常に良いと思います。
来週はポスター撮影ということで、三年目初のお外仕事回。
それぞれ欠点も長所もたくさん持ってる凸凹三人娘が出揃って、アイカツ三年目、やっぱ面白れぇわマジ。