イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/01/17

艦隊これくしょん:第2話『悖らず、恥じず、憾まず!』
新米駆逐艦吹雪、ひたすらに鍛錬に励む回。
キャラ紹介と戦闘に明け暮れた前回に比べると、彼女らが暮らす日常にフォーカスした作りで、生活感漂う展開だった。
ゲームだと見えてこない部分が映像化されるのは、アニメを見ていて気持ちのよい部分ですね。

吹雪はひたすら愚直に鍛えに鍛えまくっており、バキでマウント斗羽がスクワットする姿を思い出した。
利根教官が「ずいぶん……鍛え直したな(意訳)」と言い出すところといい、板垣マンガのオーラがあるな、艦これアニメは。
赤城パイセンへの憧れという人参も、解りやすく強調してるし、吹雪の真っ直ぐな性根は上手く描けていたと思う。

基本的に吹雪のガッツストーリーで進むんだと思うが、そういうお話であるなら、睦月がいい仕事をしてくれていて、とても安心できる。
あそこで止める役がちゃんといるのは、基本的ながら有り難い作りだ。
今回のお話は吹雪の『根性という美点』を強調することがメインなので、あえて訓練を一緒にやらせなかったんだと思うが、今後は肩を並べて背中を支えあう姿が見れそうで期待。


大井がただの北上クレイジー嫌なやつになってたが、あれは北上PLの手酌だと思う(TRPGプレイヤー的視点)
「ここで大井っちがツンケン噛み付いていた方が、吹雪にコンタクト取るモチベ上がるんでガンガン噛み付きますよ。狂犬ですよ狂犬」とか言ってるの、俺聞いたもん。(幻聴)
そのうち大井にも点数稼げるような、イイハナシ的エピソードを用意してやって欲しいもんだ……登場ノルマ的に厳しいかな?

そして提督は相変わらず、不在の中心であった。
画面に写すときは主観映像な辺り、ホント徹底してんな。
メイン先輩である川内三姉妹に加え、提督代行長門までやっている佐倉さんの負荷は、既に危険領域な気がするネ。

 

・プリパラ:第28話『プリパラ囲碁パンダでございます』
最終局面前にキャラ個別回をやっておこうぜ週間第二回、今回はシオン。
大筋だけ見ると『仲間を手に入れたために弱くなったか悩む天才が、仲間を手に入れた故に強くなった』という王道展開……なのだが、全体的にプリパラ濃度の濃いキチった流れに素直に感動していいのか首を捻る。
まぁリアル囲碁やらせたら画面に動きなくて飽きるしね、パンダなのは計算の上だよね。
……やっぱ『駒のはずのパンダは生物なので、尿意に勝てなくて水入り』って展開はキチすぎるって!!

森脇イズム全開で進むプリパラにおいて、囲碁キチなれど真っ直ぐにライバルしてるシオンは、本筋を進行させる上で頼りになるキャラクターだと言えます。
今回もアイドルへの思いを熱く語り、最初いがみ合ってたドレパが手に入れた絆の強さを描写し、ライバルの心をステージで動かす正統派の動きを、しっかりやってくれてました。
こういう真っ向勝負に挑めるからこそ、二人目のセンターとして存在感が在るわけです。
ただの囲碁キチではないのです。

『みんな友達』をテーマに掲げるプリパラは、ゲストキャラの扱いが上手いのが特長。
一回一回のお話のテーマをしっかり背負わせて、ドラマの中でそれを伝えるという伝統の動きは、今回のいろはちゃんもしっかりやってました。
元一匹狼キャラはやっぱ、刺を友情で研磨して丸くなった挙句昔の馴染みに「お前変わったよ……弱くなった」って言われないとダメだね。
自分の担当回で問題を解決しても、再登場して仕事をするのがプリパラのゲストなので、いろはちゃんもその内カンバックして欲しいもんです。
プリパラVerデザインの完成度が異常に高いつーか可愛いしね。

二クール目以降のプリパラを支える屋台骨を、しっかりと掘り下げる良個別回だったと思います。
前回ののんちゃんに引き続き、担当者にクローズアップしつつも、しっかりラスボスたるファルルに繋がる描写を入れているのも、全体の構成として見事。
色んな意味で完成度が高い、プリパラらしいエピソードでした。

 

アイドルマスターシンデレラガールズ:第2話『I never seen such abeautiful castle』
前回意味ありげに顔を見せた本田未央さんと、夢のお城にしてプロジェクト本丸たる美城ビルディング、そして沢山のアイドルを紹介する第二話。
凄まじい情報量が洪水を起こしていましたが、物語的水路をしっかり作って、新米共の現状と憧れ、仲間たちとの出会いを丁寧に描いていました。
これだけぶち込んで食える映像になってるのは、やっぱイメージの操作が凄く巧いんだな。

二話でまず凄いと感じたのは、シンデレラプロジェクトの本丸となる美城ビルを、徹底的に綺羅びやかで素敵な、憧れの対象として描写しきっていたところです。
未だ仕事の実績がなく、アイドルの世界に飛び込んだばかりの三人にとって、美城プロは島村さんが一番最初に言ったように『憧れのお城』です。
立派なエントランスから始まってガラス窓を多用した見晴らしのいい内装、エステにお風呂、カフェに撮影設備と、ゴージャスな設備をこれでもかと描写し、美城(とその内部企画であるシンデレラプロジェクト)のパワーを印象づけていました。
一話では季節を無視してまで画面を花で埋めることで出ていたキラキラ感を、二話ではゴージャスな施設や内装を写しまくることで出していた感じです。
この状況を作るべく、子供じみたお城探検をトスする本田さんの仕上がり方がマジぱねぇ。

同時にそのゴージャスな設備を先輩アイドルのように使いこなすのではなく、冷やかして盛り上がって、その段階で満足してしまう三人の現状も、しっかり描かれていました。
ぶっきらぼうでクールな渋谷さんですが、なんだかんだ探検を楽しむ子供っぽさが在るのが可愛らしい。
憧れのアイドルを生で見て、ファン視線で温度上げちゃってる本田&島村コンビの初さとか、この段階でしか描けないだろうなぁ。
アイドルとして経験を積んで、お城やお姫様憧れるだけではなく、足をつけて環境を使いこなすようになった三人は、将来見れるでしょう。


今回もたくさん出てきた先輩アイドル達は、ファンサービスであると同時に主人公達の立場を映す鏡でもあります。
新米としての三人の立場だけではなく、三人それぞれの立脚点の差も、先輩アイドルへの対応にあらわれている。
島村さんと本田さんはアイドルそのものに憧れてお城に飛び込んだ立場ですが、渋谷さんはアイドルそのものではなく、なにか特別でキラキラした夢に憧れ歩き出した門外漢なわけです。
なので、『二人は浮かれ、一人は落ち着いている』という対応の差は、渋谷さんの独自性を見せる巧い演出だと思いました。

同時に、浮かれる対応は既にアイドルたちをよく知っている既存ファンの、戸惑う反応はアニメから彼女たちを知った新規視聴者の代理人でもあります。
三人の立場の違いを上手く使って、知識格差の在る視聴者をスムーズに物語の中に導いているのは、なかなかに巧妙な手筋だと思います。
自分はゲームを触っていない、アニメからのにわかでありますので、どっちかと言うよ渋谷さん寄りですね。


前回の話が島村さんと渋谷さん、プロデュサーに焦点を絞った物語だったため、Aパートはかなりの部分が新鋭・本田未央さんの紹介に当てられています。
この人はとにかく積極的に人と交流し、話題や行動の取っ掛かりを作り、なんでも器用にこなし、フォローも的確に行う超人格強者でした。
とにかく行動の起点になってお話をグイグイ前進させてくれるので、安心感が凄い。
TRPG的な視点から見ると、『キャラ的には初対面なんだけど、自己紹介は一話でもうやってるので、プロデューサーから話は聞いている体で省略できる所省略する』出会い系シーンの運営とか、巧すぎて涙出るレベル。
他にもGM的に欲しいシーンへの積極的なトス上げ(お城探検やボール遊び)やら、人見知りしない積極的な交流やら、いいセッションになるための動きを全てやっていて、『TRPGプレイヤーは本田見とけ』って感じ。

同時に渋谷さんや島村さんが担当できない『軽さ』をキャラ属性として持っていて、例えば最初の宣材撮影の時に、さっき見たばかりの城ヶ崎さんのポーズを真似る所とか、いい意味で軽薄な部分が見えた。
なんでも頑張ってしまう島村さんや、何かとシリアスに捉える渋谷さん、そして無骨を男の形に仕上げたプロデューサーたちを補う四人目として、この軽さはいい対比だと思います。
場が重たくなった時、上手く空気を抜いてくれそうだなぁという印象を受ける。
……そこら辺の『やること被ってもしゃーないし、方向性変えてキャラ仕上げるか』という見切りの眼とかも、TRPG的には巧すぎるよね。

これだけ器用にシナリオに協力的なキャラクターを見ていると、逆に便利に使われすぎるんじゃないかという危惧すら抱いてしまいますが、このアニメは夢を持った女の子を便利に使い潰すアニメではないと思うので、杞憂でしょう。
島村さんや渋谷さんに比べて舞い上がる傾向が見えるので、『鼻っ柱折られるなら彼女からかなぁ』とか、余計なことも考えちゃいますね。
いやホントね、『困ったら、とりあえず本田に回しておけ』レベルですよ、彼女の積極性と責任感は。
四人目の主人公として、欲しい所に欲しいキャラクターが来たという印象ですよ。


後半はプロジェクト残りのメンバー11人を一挙に紹介し、宣材撮影という初仕事を描写、城ヶ崎さんのバックダンサーという初課題の導入につなげる構成でした。
キャラへの印象はあとでどっさり書きますが、11人という大所帯を取り廻しつつ、尖ったキャラクター性を全面に押し出し、一番見せたい所をコンパクトに叩きつける出会い系シーンだったと思います。
ただ単一のキャラクター性をぼーっと見せるのではなく、屈託なくファースト・コンタクトを取りに来る幼年組、彼女らや緒方さんにお姉さんぶる前川さん、常時杏ちゃんをぶる下げている諸星さんなどなど、コンビの掛け合いを入れまくることで関係性を描写していたのがグッドでした。
束で紹介することで時間の密度をあげられるし、徹底してツーマンセル(もしくはそれ以上)の描写で埋めたのは凄い巧い。
後あれやね、若くて可愛い子たちが、皆仲良く楽しく交流している姿は圧倒的な多幸感があるやねウンウン。

前半描写されていたように三人はこのお城の『お客さん』であり、初仕事を自分のものにするのは難しい。
ボール遊びで緊張をほぐさせ、彼女たち三人の武器である『笑顔』を出させたプロデューサーの敏腕さが、さり気なく語られていたのが良いシーンでした。
輝くライトのしたで魅力を振りまくのはアイドル自身ですが、その魅力をどう引き出すか、そもそも何が魅力なのかを考える縁の下の力持ちという、プロデューサーの職分がしっかり描写されているのは、職業ドラマとしても今後に期待できる演出。
宣材を撮り終えて(≒三人の初仕事が成功裏に終わって)から、光溢れる表舞台から背中を向け、影の中に引っ込む姿にサポーターの誇りが垣間見えるわけですよウム!

そしてその『笑顔』が城ヶ崎さんに届いて、バックダンサーというはじめての本番に繋がる流れ。
タップリと『お客さんとしての三人』を描写しておいてからの初仕事ですから、なかなか順調には行かないと思いますが、風無くして船は進まない。
一話で『夢に出会うこと』、二話で『夢に飛び込むこと』を描いたシンデレラガールズが、『夢を叶えるために、しなければいけないこと』をどう描くのか。
非常に楽しみです。


ロジカルトークはこんぐらいにして、キャラ萌えの話をしますと、とりあえず赤城みりあという人が新手の天使すぎてヤバかった。
いやプロジェクトの子たちみんな天使だと思うんだけど、迷いなく初対面の年上にコンタクトしてきて、「お姉ちゃんたちと逢えて嬉しいな!」って言葉にできる素敵さを、しっかり描いてくれてオイラぁ満足だ……。
声が黒沢ともよさんであり、『おとめが好きすぎるだけなんじゃないの?』と言われたらあんま反論もできねぇ。
そういえば島村さんは蘭ちゃんさんか……。

あと諸星さんが杏ちゃんを常時構い過ぎててヤバイ。
杏ちゃんは諸星さんにお世話されっぱなし過ぎてヤバイ。
コンビ打ちでの描写が目立つ二話だったんですけど、この二人はとにかくベタベタしてて素晴らしかったです。
ED絵の甘え方と受け止め方がパーフェクトすぎて、この二人軸のエピソード早くお願いしますって感じだ。

神崎さんは何言ってるか判んないんですけど、とりあえず眉毛太くて可愛いのと、あの意味不明の言語の裏を仲良くなるうちに理解できるようになってきて、それを足がかりに絆が描写されるんだろうなぁと思うと興奮が止まらん。
褒められて赤くなってる多田さんとか、何かというと目線を左右に振ってクローバーをいじる緒方さんとか、今後お話を広げていく足場になりそうな要素がみっしり詰まってたのも、俺の血圧を上げる重要なポイントであります。
こんだけ女の子の可愛い部分、魅力的なポイントをギュッと詰め込みつつ、ただの可愛い祭りではなく、彼女たちが何者かになるべく走っていく物語のタネまで埋め込んでくれてるのは、マジ凄いしマジ感謝としか言いようがねぇ。

14人いるメンバーそれぞれ、他者との距離感がバラけているのも面白いところで、それぞれのポジションを印象でまとめると

 

積極的な前衛   本田、赤城、城ヶ崎(妹)、諸星
周囲を見れる中衛 島村、新田、前川、多田
大人しめな後衛  渋谷、三村、緒方、アナスタシア
独特の世界観   神崎、双葉

 

という感じ。
引っ込みがちなバックスを前に押し出し、良さを引っ張りあげてくれそうなフォワード、それを支えて時には自分が前に出るミドルと、積極性での役割分担が二話の時点で見えてるのは凄いなぁ。
多人数を扱うときはやっぱ、相互に交流させ対話させることで、魅力や愛着が視聴者に届くネ。
大所帯なシンデレラプロジェクト、それぞれの個性をどう輝かせていくのか。
その見取り図としても信頼の置ける、素晴らしい第二話だったと思います。
いやー、面白いねこのアニメホント。