イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/05/04

Fate/UBW:第17話『暗剣、牙を剥く』
アーチャーVSランサー、凛志郎VSキャスター帝国と、アクションシーン満載な帝国崩壊回。
ゲーム版より補足も多くて、中BOSSとしての仕事はしっかりしてましたね、キャスター組。
これでようやくセイバーさんも美しき花瓶の仕事から開放され、ヒロインの座に返り咲けます。
来週からはアーチャー怒涛の長口上ターンですけどね……。

槍と短刀二刀流の殺陣といい、まじかる☆八極拳といい、白兵戦は相変わらずの頭おかしいこだわり作画。
ただ早いというわけではなく、一合一合に意思があるのは見てて気持ちが良い。
クーフーリン神速の背面取りとか、とても良かったですね。
この後しばらく青い人の出番がないので、見せ場があってなによりだ。

本当に一切良い事何もなかった上に特に悪いこともしてないイリヤに比べっと、転生先でいい旦那見つけたキャス子の退場には、どこか納得している気持ちがある。
人を溶かしてエナジーは回収するわ、趣味に走ってセイバーを調教してみるわ、あくどい事も結構してたんも大きいか。
あの二人、各々のキャラが持ってる物語要素は綺麗に消化して退場したからなぁ。
死んで収まる関係というのも、本来あんまいい事ではないんだろうけど……まぁこの話Fateでお前ら中BOSSだからな!!

アニメUBWは志郎の内面と、その鏡としてのアーチャーとの関係に重きをおいて描写してきました。
なのでようやく憎悪をむき出しにして「昔の俺殺す、ぜってー殺す!」と息巻くアチャ男の姿を見てると、『よし、来るべきものが来た……』という静かな期待が湧き上がる。
アニメの志郎、凛ちゃんよりセイバーよりアーチャー好き過ぎだからなぁ、どう見ても。
『気に喰わないけど気になるアイツ』という、あまりに少女マンガな関係性With投影刃物な二人が、どういう血戦を見せるのか。
そしてずーっとエロティックオブジェしてたセイバーさんの、ヒロイン返り咲きはあるのか。
来週も楽しみです。

 

・プリパラ:第43話『ドリームシアター一番乗り!クマ!』
あろまとげどんと個別回のターンも一段落し、ソラミとクマと運動会のターンでございます。
キチがった状況でも健気に頑張る子供たちと、色気とオカルトに腰まで嵌ったマネージャーの対比であわやクマ株大暴落と云うところでしたが、絶対決めなきゃいけないところは外さないのがプリパラ。
勇気を込めた決断でクソネコの洗脳も脱却し、ソラミ再結成であります。

今回はとにかく『めが姉が沢山いる』ことを無言で強調してくる画面作りが狂気満載で、前回あろまが予言してた『めが姉ゾンビパニック』もあながち嘘じゃないレベルの不気味さだった。
リンボーダンスのところの、張り付いた笑顔で太鼓叩いてるのがホント……ホント……。
ゲームと連動したシステムサイドのキャラクターという属性を、こう言う方向で捻って笑わせるのはインテリジェンスある操作だと思います。

個別回で物語パワーを溜め込んだこともあって、ソラミは真っ直ぐにお互いを信じて汗を流していた。
キチガイアニメなんだけど、こういう真っ向勝負を恥ずかしがらずにやる所が、プリパラの好きなところであり、強い所でもあると思います。
その決意がクソみたいな状況にズブズブハマり込んでたクマを動かし、ストレスフルな状況を好転させる一打になってるのは、オーソドックスながら気持ちのいい劇作。
女と宗教にボロカスにされてるダメ大人が、迷いなく駆け抜けていく少女たちの瞳を見てテーブル全部ひっくり返す瞬間は、やっぱ最高に素晴らしい。

一方そういう仕込みをしてたあろまとみかんですが、『スペック高いバカと、悪巧みが好きなポンコツ』という取り合わせであることがバレた。
いや、薄々っていうか大体わかってたけどさ。
あざとい天然アクションの数々でポイント稼いだり、二人三脚でヘロッヘロになってるあろまを見捨てなかったり、今まで積み上げたヘイトを巧く減らす動きをしてました。
視聴者からの印象を解りやすいシーンでちゃんと操作し、今後の変化にイメージを調整していく作業ってのはしっかりやっておくべきなので、今回はアロマゲドンにとって大事な回だったんじゃなかろうか。
可愛げって大切よね、ホント。

取り残された形のドレパですが、ドロシーのクズっぷりが迸り、シオンも焦りからか普段のイケメンっぷりが鳴りを潜めて不和一直線。
女児アニにおいて喧嘩回はすげー大事なので、次回に向けてちゃんと積んだのは良かった。
ウサギが原因の一端を担っていることで、クマの決意が際立つ形にもなってるしね。

予告で綺麗にバラバラに成ってましたけども、キメる所気持ち良くキメれるアニメだというのは今回見て再確認した。
なので、雨降って地固まり虹も出るような、小気味の良い展開を期待したい所です。
……ドレパの要である調整役、レオナから崩すつうのが、やっぱ巧いなぁこのアニメ。

 

・Go! プリンセスプリキュア:第14話『大好きのカタチ! 春野ファミリーの夢!』
母の日恒例家族回! つーわけで、妹たぬきを軸に夢を支える人の話と、姉妹の成長を描いた回でした。
メインアクターがしっかり自分のクエストを達成していくのは勿論ですが、それを他のキャラすべてがアシストする姿勢が徹底しており、テーマと形式がしっかり噛み合ったエピソード。
徹底的に綺麗事なのですが、それを徹底的に整った筋立てで流すことで、スッと胸に届くのは素晴らしい。

今回の軸は、なんといっても妹たぬきことももかさんであり、幼い彼女の内面的変化が重要なお話になります。
ただただ幸福に包まれた幼年期も終わり、感情に複雑な肌理が付いてくる年頃の彼女が、初めて出会う黒い感情。
それが『学校に姉を取られた』という嫉妬であり、これにどう向き合うかが、今回のお話を回すシャフトになります。
この主軸は同時に、妹との関係性に変化が訪れたはるかの対応を促すものでもあり、これに巻き取られる形ではるかの成長物語も展開するというのが、今回のお話のおおまかな形。

ももかの妬みは子供らしい可愛い、幼いものであり、初登場のつれない態度からして『あ、姉が好きすぎて精神のバランスを少し崩している子だ』というのは、パッと見で判るよう描かれている。
お話の大体の落とし所を見せて、トーンが過剰に深刻にならないなという安心感を与える、いい出だしでした。
はるかがずーっとももかが大好きだという姿勢を見せ続けているのも、すれ違いが痛みにならない大事な要因かなと思います。

柔らかく船出した姉妹のすれ違いは、姉をみなみが、妹をきららがそれぞれケアする形で、快方に向かっていきます。
自分の中の攻撃性に傷ついたももかをパフが慰めたり、鳥であるアロマが位置を伝えたり、妖精すら問題解決に寄与する展開は、キャラクターが作品の中に存在する意味がしっかりあって、締まった印象を受けます。
見せ場をメインで独占するのではなく、手放せる所はサブにやらせるのは、不公平感が無くなりお話の幅も広がる、いい手筋だなぁ。

間に戦闘ノルマを挟みつつ、人生初遭遇となった黒い感情との上手な使い方を学習したももかの乳歯が抜けて、今回のお話は終了。
成長のモティーフを映像的に見せるラストカットは、イメージ豊かでとても好きです。
無論ももかの成長に向かい合う形で主人公・はるかも大きく成長しており、作品の大きな軸である『夢』の新しい側面を体得できた今回は、キュアフローラのお話としても大事です。
一回のお話をしっかりやり切りつつ、シリーズ全体での歩みも分かり易く見せる作りは、スマートかつ立派だ。

姉妹二人の成長を後押しする両親の描写も柔らかで、特にお道化た仕草で笑いを作りつつ、娘への愛情を全面に押し出して温かいムードを出していた父・いぶきは良かったです。
「親バカだなぁ」と笑いつつも、「でも良いなぁ」と思えてしまう彼の描き方は、『三人の夢が同一する』という変則的な敵出現シーケンスで結実しており、シャットさん天下一品の煽りもあって、はるかが一つ抜け出る展開に説得力を出してました。
家族を的にかけた瞬間に『ヤバイ!』という予感がしましたが、はるかが理性的な女の子でよかった……。
シグルイだったら、秋葉神社仕置めいた無表情でマウント取って、ドゥオンドゥンと鉄槌振り下ろしててもおかしくない流れだったね。


すっかりトワイライト様の従者と化したシャットさんですが、クローズさんのヘイトアーツを見事に受け継ぎ、悪役の仕事をしっかりこなしてました。
(毎回そうなんですが、今回は特に)被害者の『夢』に共感できるようにお話が組まれているので、それを「今までで一番くだらない夢だ!」と吐き捨てるシャットさんに、キャラクターのみならず視聴者もムカッと来るというね。
同時に愛ゆえに空回りする道化師っぷりも板についてきて、シャットさん自身には愛着が生まれているのが、なかなか面白い所です。

トワイライト様はまだまだ余裕を見せるターンであり、シャットを間に立たせてプリキュアたちとの直接接触はお預け。
これはおそらく、インパクトの瞬間に最大火力を出すための準備であり、同時に家族の絆に重点を置いて描写した今回は、トワイライトとフローラの交流を描く余裕が無いという判断でもあるのでしょう。
いつか来るであろう、ガッツリ対立ガッツリ仲良し回への期待が高まります。

あと、シャットさんがすっかり薔薇の花嫁(胸から武器を出される受け役の総称。名誉薔薇の花嫁は姫宮アンシー)として蹂躙されてますが、『女の子が王子様になり、お姫様から合意の上奪った武器で戦う』ウテナから20年を経て、『男に開いた穴に、女が鍵ぶっ刺して怪物を産む』プリンセスプリキュアに辿り着いたと考えると、個人的に感慨深い。
シャットさんは半ズボンに網タイツといい、目元の化粧と言い、いちいちフェミニンでセクシーすぎて凄く良いです。
やがて来るトワイライトのベビーターンの時、クローズさんのように処分されるのか、はたまた愛が憎しみに変わった重い男として生き残るのか。
そこら辺も楽しみ。

メイン以外にも意地悪ボーイ藍原くんとの地味なフラグ構築があったり、三ヶ月で群舞の端っことはいえ舞台に立ったはるかの才能を見せたり、色々と盛り込んだ回でした。
メインである姉妹の話がしっかりと立ったからこそ、色んなモノを支えて見せる余裕も生まれたのかなぁと思える、見事な構成だったと思います。
プリプリは本当に安定してるなぁ、素晴らしい。
あ、河野先生のパフ&アロマは素晴らしく可愛かったです。
やっぱ河野先生の動物作画、俺好きだなぁ。